気付けば4月も終わり、皐月の季節に入った。
折しも今日は八十八夜。
立春から数えて88日目であり、「夏も近づく八十八夜…」の唱歌を想起させる。
例年は5月2日がその日なのだが、今年は閏年につき5月1日が八十八夜になるとのこと。
春立てる日から、もう八十八日も経ったと聞くと、どこか現実味がない。
当たり前の日々は、うたかたのようにぱちんと消えてしまい。
大きく変わってしまった世情と、変わらず留まろうとする自分と。
ツツジの紅が引く線は、そんな境界のようにも見えた。
新緑、薫風、ダービー。
一年ぶりの皐月の風を、胸いっぱいに吸い込んで。
目を開けると、心なしかツツジの花が、上を向いていたようにも見えた。