早いもので、今日から5月になりました。
旧名では、「皐月」。
その由来は諸説あるようですが、なんだかとっても5月の雰囲気と合っているように感じる美しい名です。
時候では「穀雨」の末。
七十二候では、「牡丹華(ぼたんさく)」のころです。
なかなか、私がいま住んでいる近くで、牡丹の花が見られるとはないのですが、この心地のよい時期に牡丹も咲くようです。
卯月が過ぎゆき、皐月が訪れる。
私ごとですが、ご依頼いただいていた文章の入稿が、4月末でいったんすべて終わり、ひと段落ついているところです。
なんとか、納期を間に合わせることができました。
今回も、コワーキングスペースにこもってみたり、いろいろ試しながら、形にすることができました。
ありがとうございました。
さて、そんな境目のような週末、よく雨が降りました。
今年も過ぎ行く春を惜しむかのような、そんな降り方の雨でした。
雨のなかを歩いていると、紫色の花が、目に留まりました。
この色合いが、夏らしいですよね。
この雨が、今年の皐月を運んできたかと思うと、花弁の先からしたたる水滴が、何とも美しく。
並木道を吹く風は、どこか熱を帯びていました。
「穀雨」が終わると、もう次は「立夏」。
夏、立てる日。
この雨の匂いは、今年の夏のはじまりのようでもあります。
夏が好きな私は、夏ややってくるのを感じると、もう夏が過ぎゆく切なさのことを考えてしまうのです。
出会いの前に、別れのことを想像してしまう、そんな感じにも似ているのでしょうか。
それでも、いいんです。
それだけ、夏が好きだということなのでしょうから。
雨が皐月を運んできたようで、そしてそのすぐ先にある夏を感じさせてくれました。
過ぎ行く、卯月。
どんなことがありましたでしょうか。
がんばってきたこと。
うまくいかなかったこと。
やろうと思っていたのに、できなかったこと。
いろんなことが、あったのかもしれません。
その一つ一つによい、悪いのラベルを貼るよりは、「ありがとう」と手放してみてはいかがでしょうか。
過ぎ行く春を、そっと愛でるような。
そんな言葉を、ご自身にかけてあげてくださいませ。