夏立てる日、立夏。
少し前まで、まだ朝晩の寒さがどうのと言っていた気がするが、もう暦の上では夏だ。
空の色は、まだ春のぼやけた色を残しながらも、陽射しの匂いに夏を感じる。
一年のなかで、最も気持ちがいい気候の時期だ。
やはり、この色の空には、淡い色の桜ではなくツツジがよく似合う。
夏生まれだからだろうか、夏は私の最も好きな季節だ。
ただ、それはどこか寂しさがともなう。
お盆が終わった頃に覚える、あの夏が終わってしまった寂寥感を感じるのが、年々早くなっている気がする。
今年などは、「立夏」と聞いた時点で、すでにその寂寥感を覚えた。
夏立てる日に、夏の終わりを想像してしまうのは、それくらい私は夏が好きだということの証左なのだろうか。
夏が、やってきた。