雨が降ったり止んだり。
湿気の多い日が続く。
夏至も次侯になり、「菖蒲華(あやめはなさく)」の時候。
「アヤメが咲くと梅雨到来」と言われるように、その紫色が世界を彩るころ。
夏本番前の湿気の多い曇り空、あるいはよく雨の落ちるこの時期には、紫色がよく似合う。
どこか涼しげで、それでいてどこか温かみのある、アヤメ色。
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ところがこのアヤメ、生育するのは湿気の少ない乾燥地帯と聞く。
湿気と、乾燥と。
ウェットさと、ドライさと。
それはそのまま、人間関係の妙でもある。
時に、しとしとと落ちる細かい雨に、湿り気を帯びながら。
時に、真夏になったかのような陽の光に、乾きながら。
アヤメは、咲く。
アヤメ、ショウブ、カキツバタを見分けるのは難しい。
花弁の根元に白と黄色の網目模様があるこの花は、アヤメだと思うのだが。
何れ菖蒲か杜若。