大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

桃始笑。

時に啓蟄、あるいは桃始笑・ももはじめてわらう。

桃の花が咲くころ。
花が咲くことを笑うと表現する、ことばの美しさ。

梅が咲き、桃が笑い、桜も蕾が膨らみ。
いつしか、空の色も変わり。

春は、過ぎてゆく。

桃の花は咲き、誇り、いつしか枯れて、その花弁を散らす。
そしてまた、一年後に「始めて」笑う。

何度も繰り返しても、いつもそれは「始めて」だ。

ロックバンドは次々と現れ、次々と去るだろう。

でも、ロックンロールは永遠に不滅だよ。

UKの誇るロックスター、キンクスのレイ・デイヴィスは、かつてそう語った。

桃の花、あるいは自我は、現れては、消えていく。
個体としての何かは、特に意味があるものでは、ないのかもしれない。

それでも、毎年、桃の花は笑う。
毎年、「始めて」笑うのだ。

風と、光と。
訪れた、春とともに。

桃始笑、ももはじめてわらう。

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桃ではないようだが、春の色。