大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

麗らかに、桃始笑。

今日は一足早く春が飛んできたような、そんな陽気になりました。

時候は「啓蟄」も末。

七十二候では「桃始笑/ももはじめてさく」、季節の桃の花が咲くことを「笑う」と表現する、私の好きな時候の名の一つです。

花が咲くことを、「笑う」と表現する、昔の人の感性の豊かさを想います。

f:id:kappou_oosaki:20220312191658j:plain

自宅の近くには、桃の花はあまり見かけないのですが、代わりに梅の花はもう満開です。

白い梅、赤い梅、ピンク色の梅。

f:id:kappou_oosaki:20220312191645j:plain

青空の背景が、よく似合う梅の花。

こうして見ると、梅、桃、桜の花の形は、よく似ているようです。

枝に直接咲くのが梅、枝から伸びた緑の茎に咲くのが桃と桜。

桜の方が、緑の茎が長いのと、花びらの先が割れているという違いがあるそうです。

その違いを見ているうちに、本格的な春もやってきそうです。

f:id:kappou_oosaki:20220312191652j:plain

路傍の花も、冬の間には見かけなかった色目が。

オオイヌノフグリでしょうか。

f:id:kappou_oosaki:20220312192321j:plain

こちらの花も、一輪だけ黄色い微笑みを投げかけていました。

この色を見ると、春を感じます。

「春は、黄色からはじまる」

そんな言葉を、思い出します。

f:id:kappou_oosaki:20220312192313j:plain

私の好きな木蓮の花が、もう間もなく開きそうです。

先月には、まだあんなに小さく固く閉じていた蕾が、もうはちきれんばかりに。

この花が咲きかける瞬間は、美しいものです。

こんな風景が見られるのも、定点観測をする大きな恩恵なのでしょう。

f:id:kappou_oosaki:20220312192306j:plain

陽射しは、もう春そのものでした。

暖かく、力強く、そしてどこか、輪郭のぼやけた感のある、陽光。

それを、麗らか、と呼ぶのかもしれません。

春が、やってきました。