大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

萩の花に、今年も出会えた。

朝、いつもの道。
紫色の小さな蕾。

そういえば、この季節にいつも咲く、萩の花。
アレチヌスビトハギ、だったでしょうか。

季節のめぐりというのは、不思議なもので。
日々は何も変わらないように見えて、気付くと大きく変わっていたり。
別れたはずの花に、また再会できたり。

季節のめぐりを眺めていると、永遠に続くものなど何もないし、それでいて、失われることは幻想だと感じることができるようです。

時の流れは、過去から未来へと流れているのではなくて。
どこか、円環を描いているようにも見えます。

昼下がり、涼しさすら覚える日差しの下で。
同じ道を歩くと、朝は蕾だった紫が、咲いていました。

この小さな、紫の色。
秋には、この高貴な色が、よく似合うようです。

その足元の草むらからは、鈴に似た虫の声が聞こえてきました。

移ろう季節の下、ただ私はそこに立っていました。

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