日中はまだまだ日差しに強さを感じますが、朝晩はずいぶんと涼しくなってきました。
ウォーキングをしていても、聞こえてくるのは鈴虫やコオロギの音色。
日に日に、秋らしさは増していくようです。
もう来週末には、秋分を迎えるようですから、ようやく本格的な秋になっていきます。
歩いていると目にする花も、少しずつ秋の色に変わっていくようです。
目に入ってきたのは、紫の小さな花。
アレチヌスビトハギ。
小さいころに「くっつき虫」と呼んでいた、あの草です。
草むらで遊ぶと、靴やズボンにずいぶんとたくさん、あの種をくっつけたものです。
秋の早い夕暮れのなか、その種を一つ一つ、はがしていたことを思い出します。
まったく、小さいころには迷惑でしかなかった植物ですが、大人になってみると、その小さな紫が秋らしさを感じさせてくれるものです。
「紫」というのは、昔から高貴な色として扱われていたと聞きます。
どの季節よりも、この秋の時期にふさわしい色のように感じます。
不思議なものですよね。
不思議といえば、毎年、この同じ時期に同じ花が咲くのは、本当に不思議というか、奇跡のように感じます。
何も言わずとも、時が満ちれば、花は咲く。
連綿と繰り返されてきた、その奇跡。
私たちもまた、同じなのかもしれません。
焦ることなく、驕ることなく。
季節のめぐりに、身を委ねる時間があっても、いいのでしょう。
風に揺れる、この紫の小さな花とともに。