霜月のはじめに、熱田神宮を訪れた。
駐車場に車を停めて降りると、ふわりとした芳香が鼻腔を突いた。
キンモクセイの香り。
先月も、同じこの香りに迎えられた気がする。
そういえば、自宅の近くの路地にもキンモクセイが咲いている。
先月その豊かな香りを楽しませてくれたが、先日通りかかったら、またその橙の花が咲き誇っていた。
今年はキンモクセイが元気な気がするのだが、そんな年もあるのだろうか。
なんだかんだと、毎月ここを訪れている気がする。
季節が移り変わるのを感じることができるのは、ありがたいものだ。
霜月と名の付く月に変わったが、まだ「霜」が降りるには早いようだ。
ほのかに温かな陽気で、肌に触れる風が心地よい。長袖シャツでは、歩いていると少し汗ばむくらいだった。
今日も元気な、境内の鶏さま。
ひょこひょこと歩きながら、元気な朝のおつとめの声を聴かせてくださった。
白いほうの方は、今日は見当たらず。どこかで遊んでいるのだろうか。
上知我麻神社の前には、五色の旗が掲げられていた。
何かの準備だろうか。
人気もまばらな参道を歩く。
こうしてここを歩いている時間は、いいものだ。
木々の葉も、色づく季節になってきた。
霜降も末侯、楓蔦黄(もみじつたきばむ)。
カエデやツタの葉が色づきはじめ、晩秋の山々が燃えるように見えるころ。いよいよ紅葉、もみじ狩りのシーズンだ。
寒暖差が大きいほど、紅葉も鮮やかに色づくと聞く。
今年はまだそんなに冷え込んでいないように思うが、霜月に入ってまた冷え込んでくるのだろうか。
参拝を終えたあとの、朝の陽光を眺めながら、ぼんやりと。
一番気持ちのいい時期なのかもしれない。
キンモクセイと再会した、霜月の熱田さん。
ありがとうございました。