あふれんばかりの愛情を持っている方は、時に家族を背負ってしまうことがあります。
それが苦しく感じるようになったら、「背負ってきたものを降ろしましょう」となるのかもしれませんが、降ろす前にお伝えしたい視点があります。
どうして、そんなにもたくさん背負えたのでしょうか、という視点です。
オンラインカウンセリング無料相談・ココロノマルシェに寄せられたご相談に、回答させていただきます。
【自分軸で生きる方法を教えてください】
背負っているものを降ろし、自分軸で生きる方法を教えてください。
背負っているものは父母を筆頭に家族丸ごとです。
私は三姉妹の長女で、小~中学生までは両親が寝ても覚めても怒鳴り合い殴り合いのケンカをしていました。
虐待では決してなかったと思いますが、私も怒られるとボコボコにされていました。
母は結構壮絶な人生(=スーパーオカン?)で大変だった過去を持っていますし、父も自信がなく言葉や暴力で自分を大きく見せるタイプです。
でも父母の両親を思い浮かべ、あの親、あの環境だったらしょうがないよなぁって思いますが…
背負っていて一番苦しいのは、とにかく心配で仕方ないと言いますか、
嫌な思いをして欲しくないという気持ちがすごく強いです。
特に母は難聴で人との会話が難しく、でも補聴器もつけていない、見た目も普通、難聴を表すものも付けたりはしていないため、聞こえず聞き返して店員さんから横柄な態度を取られることもしばしば。
そうならないように一緒の時は通訳を頑張りますし、不穏な空気を察知したらすっ飛んでいき、母に嫌な思いをしたやつを成敗します。
家族にお金を使わせることも嫌ですし、極端に言ってしまえば、一切の不幸を排除してとにかく幸せでいて欲しい。守りたいです。
同時に、父母がもっとこういう人だったらいいのにとすごく腹が立つこともあります。
家族のことが大好きなのは間違いありませんが、罪悪感や自己嫌悪にも押し潰されて苦しいです。
家族を守りたいその反動なのか、家族以外は敵、ものすごくどうでもいい、所詮他人だから。と友達や彼氏には冷酷です。
このループ、もう疲れてしまいました。
(M さん)
Mさん、ご相談いただきまして、ありがとうございます。
文筆家・心理カウンセラーの大嵜直人が、回答させていただきますね。
さてMさん、よくご家族みんなを背負って、ここまで歩いて来られましたよね。
私がこうしてご相談文を拝読することが、ある種の奇跡のような、そんな気がします。
>このループ、もう疲れてしまいました。
Mさんがこう書かれるのも、無理はないくらい、がんばってこられたのだと思います。
よく、ここまで頑張ってこられましたよね。
Mさんのご質問に直接お答えする前に、Mさんがされてきたことの素晴らしさ、与えてきた愛の大きさ、偉大さを、少しだけお伝えできればと思います。
Mさんのご相談文からは、あふれんばかりの情熱を、私は感じます。
そして、その奥底には、深い愛情が横たわっているように思います。
Mさんのご両親は、寝ても覚めても、怒鳴り合い殴り合いのケンカをされていたのですね。
そして、Mさんは虐待ではなかったと書いておられますが、時にはMさんにも手がでていたとのこと。
幼い子どもにとって、ご両親の仲が悪く、常にケンカをしているというのは、本当に辛いものだと思います。
心理的な安全地帯であるはずの家の中が、そうなっていたら、どこにも安らげる場所がなくなってしまう。
まして、長女であるMさんには、二人の妹がいらっしゃる。
Mさんのことですから、もしかしたら二人の妹さんのことも、その身を挺してでも、ずっと守ってこられたのかもしれません。
もし、そうされていたのだとしたら、それはどれくらい尊いものか、何度でもお伝えしたいと思います。
しかし、そのような経験をされながら、Mさんは、こう書かれています。
>母は結構壮絶な人生(=スーパーオカン?)で大変だった過去を持っていますし、父も自信がなく言葉や暴力で自分を大きく見せるタイプです。
>でも父母の両親を思い浮かべ、あの親、あの環境だったらしょうがないよなぁって思いますが…
相手の状況を推し量り、そこに感情的な理解を示す、ということ。
それは、高い精神性と、深い愛情がないと、できないことです。
そしてそれは、人間が持ちうる、最も偉大な能力の一つであると、私は思います。
それは、自分が受けた傷、あるいは痛みを越えて、相手を理解しようとしなければ、できないことだからです。
「もし自分が同じ状況だったら、同じことをしていたかもしれないな」
そこに良い/悪いという判断はなく、ただその人が置かれた状況に対する共感だけがあります。
Mさんは、ご相談文のなかにそれを書かれていますが、簡単にできることではありませんし、それをさらっと書けるMさんご自身を、誇っていいと思います。
カウンセリングの中では、この感情的な理解がテーマになることがあります。
逆に言えば、それくらい、難しいんですよね。
だって、自分が受けた傷や痛みが大きければ大きいほど、簡単には「理解した」とは言えないじゃないですか?
それを、Mさんはご相談文の中で、さらっと書かれているんです。
Mさんは、どうやって、その感情的な理解に至ったのでしょう?
もし私がMさんにお話しを伺えるのであれば、ぜひ聞いてみたいところです。
それくらい、素晴らしいんです。
それくらい、素晴らしいんです。
大事なことなので、2回言いました笑
さて、それくらい高い精神性と、大きな愛をお持ちのMさんだからこそ、ご家族みんなを背負えたのかもしれません。
だって、人によっては、背負おうと思っても、
「重くて、とても立てません…」
となる方もいらっしゃると思うのですよね。
もちろん、それが悪いわけでも何でもないのですが、Mさんはそれくらい大きな愛を持っているからこそ、背負えたとも言えると思うのです。
難聴のお母さんの通訳をしたり、横柄な店員から守ったり、お母さんに嫌な思いをさせた輩を成敗したりしてこられたのですよね。
おそらくですが、それはお母さんに対してだけ、ではないように思います。
お母さん以外のご家族みんなに対して、その情熱的で、大きな愛を、差し向けてこられたのではないでしょうか。
>背負っているものは父母を筆頭に家族丸ごとです。
…あ、ご相談文の2行目に書いておられましたね笑
家族まるごとを背負う。
それをしようと思っても、誰にでもできることでもないと、私は思います。
>家族のことが大好きなのは間違いありませんが、罪悪感や自己嫌悪にも押し潰されて苦しいです。
家族をまるごと背負ってしまって、押しつぶされそうで、苦しいし、辛い。
そんなMさんに対して、
「背負っているものを降ろしたら、軽くなって楽になると思いますよ」
と、私は簡単には言えないのですよね。
Mさんが、どれくらいの情熱と、エネルギーと、愛情を持って、ご家族を背負ってきたか。
まずは、Mさんのされてきたことの素晴らしさ、偉大さ、その愛情の大きさを、お伝えしたいな、と思うのです。
何度でも申しあげますが、Mさんのされてきたことは、それくらい素晴らしいことですし、誇っていいと思いますし、それだけに、ご自身をねぎらってあげていただきたいな、と思うのです。
もう一度申しあげます。
Mさん。
Mさんは、本当に大きな愛情を、ご家族のみなさんに差し向けてこられましたよね。
Mさんがされてきたことで、どれだけご家族は安らげたことでしょう。
Mさんのおかげで、Mさんの家族は、「家族」でいられたのかもしれません。
それは、どれだけ受け取っても、受け取り過ぎではないくらい、偉大なことだと思います。
ご自身のされてきたことの価値を、見てあげてくださいね。
>背負っているものを降ろし、自分軸で生きる方法を教えてください。
さて、ようやくMさんのこのご質問にお答えしようと思いますが、なんとびっくり、これまでお伝えしてきたことが、その答えになります。
すべての道は、ローマになんとやら…ではないですが、寄り道しても、結局ゴールは同じようです笑
Mさんが、高い精神性をもって、周りの方を感情的に理解や共感し、その情熱をもって、大きな愛情を差し向けてこられたことは、すでに書いてきました。
その素晴らしい感情的な理解や共感、あるいは大きな愛情を、少しだけ意識的に差し向けていただきたい方が、いらっしゃいます。
さて、誰でしょうか。
え?もったいぶるなって?笑
Mさんも、予想されている通りの方だと思います。
Mさんの最も身近にいて、ずーっと長いこと、一緒にいる方です。
そうです。
Mさんご自身です。
>同時に、父母がもっとこういう人だったらいいのにとすごく腹が立つこともあります。
腹が立って、いいと思います。
人の感情って、ほんとに気まぐれで、あるときには理解できたとしても、次の瞬間には、「やっぱりムカつく!」となることなんて、当たり前にあると思います。
どうか、Mさんご自身がそう感じることを、否定しないであげてください。
ただ、その感情を、そのままにしてあげてください。
>でも父母の両親を思い浮かべ、あの親、あの環境だったらしょうがないよなぁって思いますが…
ご両親に対してされておられる、こうした感情的な理解を、少しだけご自身にしてあげてみてくださいませんか。
「あれだけ大変だったら、そう思っても仕方ないよな」、と。
それが、Mさんの感じておられる苦しさを、少し緩めてくれるかもしれません。
そして何より、Mさんご自身の持っておられる、あふれんばかりの情熱と、大きな大きな愛情。
どうかそれを、少しだけ受け取ってくださいませんか。
>家族を守りたいその反動なのか、家族以外は敵、ものすごくどうでもいい、所詮他人だから。と友達や彼氏には冷酷です。
ご家族に対して、それだけの愛情を差し向けられる方が、周りの友達や彼氏に対して、冷酷なはずはないと、勝手ながら私は思うのですよね。
もしかしたらですが、Mさんにとって「温かい対応」のハードルが、ものすごく高いのかもしれません。
ご家族のように接することができないから、冷酷のように感じてしまう。
周りの方は、意外とMさんのことを、心の温かい方だと思っておられるかもしれません。
Mさんご自身を、冷酷だなんて、思わなくても大丈夫ですよ。
もちろん、周りの方がどう思っているかは、周りの方にしか分かりません。
それでも、Mさんだけは、Mさんのことを、冷酷だなんて思わないでくださいね。
何度でも申しあげますが、ご家族をまるごと背負えるくらい、Mさんは情熱的な愛情をお持ちだと思います。
Mさんが、自分軸で生きるために。
そのことを認め、受け入れることから始めてはいかがでしょう。
Mさんがこれまでされれきたことの偉大さと、素晴らしい価値を受けとることから、スタートしてはいかがでしょうか。
ご家族をまるごと背負われてきたのですから、重かったでしょうし、苦しかったでしょうし、その辛さを誰もわかってくれない痛みも、あったかもしれません。
けれど、Mさんがそうされてきたことの裏にある、愛を見ていただきたいな、と思います。
Mさんのこれからを、心より応援しております。
このたびは、ご相談をいただきまして、ありがとうございました。
大嵜 直人
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