大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

誕生を祝福するように、終わりにもまた、祝福を。

何かが終わるとき、人は強い痛みを感じ、それを避けようとします。

しかし、何かが終わるとき、新しい何かが始まります。

誕生を祝福するように、終わりにもまた、祝福を。

名著「傷つくならば、それは「愛」ではない」(チャック・スペザーノ博士:著、大空夢湧子:訳、VOICE:出版)の一節から。

1.誕生とは、まるで死のように感じるもの

真夜中に目が覚めて、あたかも自分が死んでいるかのような感じがするとしたら、たぶんあなたは新たな誕生を迎えているのです。

あなたのまわりでひとつのことが終わりつつあるのなら、「人生のひとつの面が終わるとき、新たに別の面がはじまる」ということを覚えておいてください。

新たな誕生を迎えいれることができるように、終わろうとしているものを手放しましょう。

 

「傷つくならば、それは「愛」ではない」 p.232

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2.死と、誕生と

実りの秋は、冬のすぐそばに

実りの秋、多くの植物が種子にその生命を託します。

そして、多くの生命が死に絶える、冬の季節を迎えます。

新たな春の訪いとともに、また新たな芽吹きが生まれていく。

何千、何万回と変わらず繰り返されてきた、自然の営み。

誕生と死は、とても近い場所にある

それは、私たちの身近な自然が、教えてくれるようです。

ちょうど、昨日は「夏至」でした。

陽中の陽、いちばん盛りの時期が過ぎると、徐々に夜の時間が長くなっていきます。

そして、その極みの「冬至」を迎えると、また今度は陽の力が増していきます。

死と誕生は、すぐそばにある。

そう思うと、「誕生とは、まるで死のように感じるもの」という今日のタイトルも、分かりやすいのかもしれません。

デッドゾーンもまた、新たな自分との出会う場所

同じことが、心の世界でも起こります。

「デッドゾーン」とよばれる、自立の極北ともいうべき境地があります。

依存時代に感じた痛みや傷から逃れるために、私たちは自立していきます。

なんでも自分でできるようになろう、と。

それはそれですばらしいことなのですが、その自立が行き過ぎると、感情がマヒしていきます。

誰かに頼りたい気持ち、しんどいなぁ、つらいなぁ、という感情を、抑圧してしまいます。

それを繰り返していくと、その果てには無気力な、荒涼、殺伐とした状態に陥ることがあります。

これが、燃え尽き症候群、デッドゾーンとよばれる状態です。

デッドゾーンでは、すべてが灰色に見えて、何も感じない状態になります。

言ってみれば、生きながら死んでいるような、そんな状態といえるかもしれません。

しかし、デッドゾーンは、他の死と同じように、新たな誕生もまた近くにあります。

そこを抜けた先に、新たな自分と出会う経験をされる方も、少なくありません。

デッドゾーンは、新しい誕生を祝う場でもあります

3.何かが終わるとき、何かが始まる

誕生を祝福するように

死を忌み嫌うのは、生物として自然なことなのかもしれません。

同じように、何かが終わるとき、人は強い痛みを感じ、それを避けようとします。

「卒業」のように、あらかじめわかっていることもあれば。

「失恋」のように、望まないのに起こることもあります。

親しい人との、突然の別れもまた、あるかもしれません。

すべての終わりは、時に突然、何の脈絡もなしに訪れます。

それは、季節がめぐることに、理由などないことと同じように。

しかし、一つの季節の終わりは、次の季節へとつながっています。

それは、断絶ではなく、天衣無縫のように、シームレスなものなのでしょう。

何かが終わるとき、必ず何かが始まります。

その始まる何かを止めないように、終わりゆくものを手放していきましょう。

それは、見捨てるわけではありません。

ただ、過ぎ行く春を惜しむように。

ただ、夏の終わりに寂寥感に包まれるように。

ただただ、そのこと、その人に出会えたことを、祝福するように。

あなたの周りで、終わりゆくものは、なんでしょうか。

終わりゆくものに見るのは、あなた自身の誕生かもしれません。

終わりゆくものに、祝福を。

誕生に対してそうするように、祝福を。

今日は、「死と誕生」に寄せて、お伝えしました。

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

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