大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

「乗り越えられない問題は、やってこない」という格言と、「アカウンタビリティ」の概念について。

「乗り越えられない問題は、やってこない」という格言があります。

それを「アカウンタビリティ」の視点から見てみるとともに、なかなか解決しない問題に対しての考え方について、お伝えします。

名著「傷つくならば、それは「愛」ではない」(チャック・スペザーノ博士:著、大空夢湧子:訳、VOICE:出版)の一節から。

1.あなたはどんなときにも、必要性を満たすのに十分な資質をもっている

あなたがある時点でその状況に遭遇したのは、それを変容する力があるからです。

あなたは、その状況でみんなに助けと癒しをもたらすような答えを見つけることができるのです。

 

あなたが大きな葛藤をかかえていることと相反するようですが、あなたの意識のなかで答えを知っている場所があるのです。

 

あなたが学ぶ準備ができたとき、次のレッスンがあらわれるのです。

 

「傷つくならば、それは「愛」ではない」 p.233

f:id:kappou_oosaki:20220103095718j:plain

2.問題とアカウンタビリティの視点

「乗り越えられない試練はやってこない」…って、ほんと?

「乗り越えられない問題は、やってこない」という格言があります。

「神さまは、その人に乗り越えられる試練しか与えない」という言葉もありますね。

「なんでこんな厄介なことが」「なんで私だけが」「絶対に無理だ」…そう感じるできごとが、時に起こったりします。

けれども、自分の身に起こることは、それを乗り越える力を、自分自身が持っているんですよね。

私自身もそう思いますし、カウンセリングでお話を伺っていると、「あぁ、この人ならきっと大丈夫だ」といつも感じます。

けれど、自分が問題の渦中にいると、なかなかそんなことは信じられないんですよね。

ほんとに?ほんとのほんとに??と疑いたくもなるものです笑

それを「そうなの!ほんとなの!」といわれても、「UFOの存在を信じる?信じない?」と言われているのと同じになってしまいますよね。

それを少し、心理学の視点から説明してみたいと思います。

アカウンタビリティの視点から

心理学に「アカウンタビリティ」という考え方があります。

日本語だと「責任の概念」になるでしょうか。

私たちのまわりに起こることは、すべて私たちの選択の結果であり、他の誰にも責任はない、という視点です

それは、「あれもこれも、わたしのせいだ…」という、内罰的、自己否定的な概念ではありません。

この生を主体的に生きるための、そして自分を罪悪感や被害者意識から解放することのできる、一つの考え方です。

それゆえに、少し厳しく聞こえる部分もあるかもしれません。

その「アカウンタビリティ」の考え方を前提とするならば。

もし、目の前に問題があり続ける場合は、二つの可能性しかない、と見ることができます。

一つは、「自分自身のベストを尽くしていない」という可能性。

もしそうであれば、その問題に対して、腰を据えて本気で取り組む必要があります。

そしてもう一つは、「いまの自分には問題を解決する力がない」という可能性。

こちらの場合は、周りに助けを求める、自分を成長させる、という必要があります。

いずれにしても、問題に対してどう取り組むかは、自分自身に責任がある、といえます。

まあ、そうはいっても…というのが人情ですけれどね笑

けれども、「アカウンタビリティ」の考え方を持つことで、自分自身の生に対して主体的になることができます。

そして、誰かの責任にすることをやめることで、そこからうまれる罪悪感や被害者意識から、自分を解放させることができます。

「乗り越えられない問題はやってこない」という視点を、心理学的に考えると、そんなふうに説明することができそうです。

あなたがある時点でその状況に遭遇したのは、それを変容する力があるからです。

まさに、その通りですよね。

3.プロセスを、信頼する

起こっていることの良し悪しなど、すぐには分からない

そうした考え方の根底にあるのは、「プロセスを信頼すること」といえそうです。

「万事塞翁が馬」「禍福は糾える縄の如し」ではないですが、起こっていることのよしあしなど、その時々によって変わります。

人生最悪の悲劇は、人生最高の喜劇に変わることだってあります。

どうしてこんなことが…という問題が、あれがなかったら、どうなっていただろう?ということになったりもします。

私たちにできるのは、その問題は必要だから起こったということ、そしてその問題を解決する力が、私たちのなかにあるということを、信じることだけかもしれません。

それは、私たちが生きるプロセスを、信頼すると言い換えられるのでしょう。

その問題が起こった意味とは?

もし、目の前の問題があり、それはとても解決できそうにないと感じたりするのであれば。

どうやってそれを解決するかばかりを、考えてしまうものです。

この問題がなければいいのに、早くなんとか解決すればいいのに、と。

けれども、問題の渦中にいるときは、なかなか解決策が見えてこなかったりします。

そんなときは、今日のテーマに沿って、こんな問いを考えてみてはいかがでしょうか。

「この問題が、いまの私に起こった意味とは、なんだろう?」

こうした問いは、その問題に対して、少し違ったアプローチを可能にしてくれるのかもしれません。

もちろん、その問題が引き起こすネガティブな感情に寄り添ってからで、大丈夫です。

それは、問題を解決した先のあなたが、きっと持つであろう視点だからです。

あなたが大きな葛藤をかかえていることと相反するようですが、あなたの意識のなかで答えを知っている場所があるのです。

 

今日も、ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

〇大嵜直人のカウンセリングの詳細はこちらからどうぞ。

※ただいま満席となっております。
6月27日(月)より次回7月度の募集を開始いたします。

〇カウンセリングのご感想のまとめはこちら。