自分の中にある、見たくもない感情が、時に大切な人との対立をつくりだします。
しかし、それは同時に、新しい自分自身と出会うチャンスでもあります。
名著「傷つくならば、それは「愛」ではない」(チャック・スペザーノ博士:著、大空夢湧子:訳、VOICE:出版)の一節から。
1.どんな主導権争いも「誕生」を秘めている
長期にわたる対立や主導権争いを終わらせたいとは思いませんか。
どんな主導権争いでも、その根もとにあるものを体験するだけの勇気があれば、これを終わらせることができるのです。
そこにあるのは、何としてでも避けたくなるようなつらい気持ちです。
ですからあなたは、自分の内側でこの痛みのすべてをいちどきに体験しつくすよりも、外側で争いを続けながら、ずっとこの痛みに苦しむことを選んでいるのです。
この深い感情のなかに入っていくとき、新しい誕生を迎えることができます。
そこでは、だれかに与えることが選択できるのです。
与えることは、意識のなかのもっとも創造的なエネルギーを使うことになりますから、それによって新しく愛や超越、ヴィジョンや目的がもたらされるのです。
「傷つくならば、それは「愛」ではない」 p.292
2.対立、主導権争いを生むもの
今日のテーマは、「対立」でしょうか。
それを癒すためには、感情を感じ尽くし、そして与える。
結局は、いつも書いていることと同じになりそうです笑
対立や主導権争いを終わらせるのは、自分の内面から
誰かとの対立、あるいは主導権争い。
親しい家族との間のものかもしれませんし、パートナーとの間に横たわる対立かもしれません。
そうしたものは、なかなか終わらせることが難しいものです。
自分は終わらせたい、と自分は思っていても、相手の態度や言動が、そうは見えなかったり。
相手があることは、難しいものですよね。
しかし、そうした対立や主導権争いを、表面的には「終わらせたい」と思っていても、心の奥底ではそうは思っていないのかもしれません。
実は、その奥底にあるのは、「最も感じたくない感情」だと、引用文では言っています。
そこにあるのは、何としてでも避けたくなるようなつらい気持ちです。
何らかの経験によって生じた、「何としてでも避けたくなるつらい気持ち」。
それを見たくないから、感じたくないから、それを感じるかわりに、自分の外側に対立を生みだす、と。
言い換えると、対立を生むのは、自分の「傷」です。
何かを言われてカチンとくるのは、自分の見たくない感情がそこにあるからです。
他人に言われて許せないのは、その部分を自分が責めているからです。
パートナーがする行動にイライラするのは、そこに自分が禁じているものがあるからです。
負けたくなくてなぜかムキになるのは、そこに自分が劣っていると思うからです。
結局、対立を引き起こすのは、いつだって自分自身の「傷」のようです。
深い感情のそばに、「誕生」もまたある
自分自身が感じたくない、つらい気持ち、あるいは感情。
それを避けたくなるのも、当たり前です。
だって、感じたくないんですから笑
しかし、それは放っておくと、周りの大切な人たちとの間に、対立や主導権争いをつくりだします。
しかし、裏を返せば、対立や主導権争いは、私たちが癒すべき感情を教えてくれる、ともいえます。
そして、その深い部分にある、感じたくない感情のすぐそばに、「誕生」もまたあります。
この深い感情のなかに入っていくとき、新しい誕生を迎えることができます。
自分が見たくもない、蓋を開けたくもない感情のすぐそばに、新しい自分自身がいる。
それは、どこかデッドゾーンの心理と似ているようにも思います。
その「傷」ともいうべき感情を癒していくと、私たちは新しい自分に出会います。
時にそれは、再誕生とでもいうような、そんな感覚に陥ることがあります。
対立や主導権争いはしんどいものですが、それは私たちにとても大切なことを教えてくれるようです。
3.「与える」ことを選ぶ、ということ
一人で何とかしようとしなくてもいい
見たくもない、つらい、しんどい感情。
そこと向き合おうとする人は、誰しもが勇者です。
その感情を、なかったことにしたり、誰かのせいにしたり、しない。
それだけで、とても素晴らしいと思うのです。
しかし、なかなかそうした感情と向き合うのは、しんどいものです。
だから、一人で何とかしようとせず、誰かに話しをしながら向き合うことが大切です。
信頼できる身近な人でもいいですし、カウンセラーでもいいですし、話をしながらその感情と向き合っていくことがいいのでしょう。
はい、いつもお伝えしている通りです笑
「与える」ことを選ぶ
そして、今日のテーマはもう一つ。
そうした深い感情の底で、「与える」方を選ぶ、ということです。
自分の痛みや傷、あるいは深い感情と向き合っていると、どうしても視点が自分の内側に向きがちです。
自分が、自分が、自分が…という視点ですね。
もちろん、しんどい感情があるのですから、それも当たり前といえば、当たり前です。
しかし、そこを抜けるには、やはり「与える」という外側に向けた視点が、必要なのでしょう。
どうしようもない、見たくもない感情。
そこにまみれた状態の自分が、周りの人に何を与えられるのか。
何もない、と思うかもしれません。
与えるよりももらいたい、と思うかもしれません。
けれども、問い続けてみてください。
すぐにではないかもしれませんが、必ず、見えてくるものがあります。
どんな状態でも、どのような状態でも。
必ず、周りの人に与えらえるものが、あります。
もしかしたらそれは、ずっとあなたがほしかったものかもしれません。
けれども、それを与えると、とても満たされることがわかります。
とても、不思議なのですけれどね。
それは、上に書いた「新しい自分」そのもののように思うのです。
今日は対立や主導権争いを生む心理について、少し考えてみました。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
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