大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

自分の中の見たくもない感情が、周りとの対立を生むが、同時に新しい自分もそのすぐ近くにある。

自分の中にある、見たくもない感情が、時に大切な人との対立をつくりだします。

しかし、それは同時に、新しい自分自身と出会うチャンスでもあります。

名著「傷つくならば、それは「愛」ではない」(チャック・スペザーノ博士:著、大空夢湧子:訳、VOICE:出版)の一節から。

1.どんな主導権争いも「誕生」を秘めている

長期にわたる対立や主導権争いを終わらせたいとは思いませんか。

 

どんな主導権争いでも、その根もとにあるものを体験するだけの勇気があれば、これを終わらせることができるのです。

そこにあるのは、何としてでも避けたくなるようなつらい気持ちです。

ですからあなたは、自分の内側でこの痛みのすべてをいちどきに体験しつくすよりも、外側で争いを続けながら、ずっとこの痛みに苦しむことを選んでいるのです。

 

この深い感情のなかに入っていくとき、新しい誕生を迎えることができます。

そこでは、だれかに与えることが選択できるのです。

与えることは、意識のなかのもっとも創造的なエネルギーを使うことになりますから、それによって新しく愛や超越、ヴィジョンや目的がもたらされるのです。

 

「傷つくならば、それは「愛」ではない」 p.292

f:id:kappou_oosaki:20220103095718j:plain

2.対立、主導権争いを生むもの

今日のテーマは、「対立」でしょうか。

それを癒すためには、感情を感じ尽くし、そして与える。

結局は、いつも書いていることと同じになりそうです笑

対立や主導権争いを終わらせるのは、自分の内面から

誰かとの対立、あるいは主導権争い。

親しい家族との間のものかもしれませんし、パートナーとの間に横たわる対立かもしれません。

そうしたものは、なかなか終わらせることが難しいものです。

自分は終わらせたい、と自分は思っていても、相手の態度や言動が、そうは見えなかったり。

相手があることは、難しいものですよね。

しかし、そうした対立や主導権争いを、表面的には「終わらせたい」と思っていても、心の奥底ではそうは思っていないのかもしれません。

実は、その奥底にあるのは、「最も感じたくない感情」だと、引用文では言っています。

そこにあるのは、何としてでも避けたくなるようなつらい気持ちです。

何らかの経験によって生じた、「何としてでも避けたくなるつらい気持ち」。

それを見たくないから、感じたくないから、それを感じるかわりに、自分の外側に対立を生みだす、と。

言い換えると、対立を生むのは、自分の「傷」です。

何かを言われてカチンとくるのは、自分の見たくない感情がそこにあるからです。

他人に言われて許せないのは、その部分を自分が責めているからです。

パートナーがする行動にイライラするのは、そこに自分が禁じているものがあるからです。

負けたくなくてなぜかムキになるのは、そこに自分が劣っていると思うからです。

結局、対立を引き起こすのは、いつだって自分自身の「傷」のようです。

深い感情のそばに、「誕生」もまたある

自分自身が感じたくない、つらい気持ち、あるいは感情。

それを避けたくなるのも、当たり前です。

だって、感じたくないんですから笑

しかし、それは放っておくと、周りの大切な人たちとの間に、対立や主導権争いをつくりだします。

しかし、裏を返せば、対立や主導権争いは、私たちが癒すべき感情を教えてくれる、ともいえます。

そして、その深い部分にある、感じたくない感情のすぐそばに、「誕生」もまたあります。

この深い感情のなかに入っていくとき、新しい誕生を迎えることができます。

自分が見たくもない、蓋を開けたくもない感情のすぐそばに、新しい自分自身がいる。

それは、どこかデッドゾーンの心理と似ているようにも思います。

その「傷」ともいうべき感情を癒していくと、私たちは新しい自分に出会います

時にそれは、再誕生とでもいうような、そんな感覚に陥ることがあります。

対立や主導権争いはしんどいものですが、それは私たちにとても大切なことを教えてくれるようです。

3.「与える」ことを選ぶ、ということ

一人で何とかしようとしなくてもいい

見たくもない、つらい、しんどい感情。

そこと向き合おうとする人は、誰しもが勇者です。

その感情を、なかったことにしたり、誰かのせいにしたり、しない。

それだけで、とても素晴らしいと思うのです。

しかし、なかなかそうした感情と向き合うのは、しんどいものです。

だから、一人で何とかしようとせず、誰かに話しをしながら向き合うことが大切です

信頼できる身近な人でもいいですし、カウンセラーでもいいですし、話をしながらその感情と向き合っていくことがいいのでしょう。

はい、いつもお伝えしている通りです笑

「与える」ことを選ぶ

そして、今日のテーマはもう一つ。

そうした深い感情の底で、「与える」方を選ぶ、ということです。

自分の痛みや傷、あるいは深い感情と向き合っていると、どうしても視点が自分の内側に向きがちです。

自分が、自分が、自分が…という視点ですね。

もちろん、しんどい感情があるのですから、それも当たり前といえば、当たり前です。

しかし、そこを抜けるには、やはり「与える」という外側に向けた視点が、必要なのでしょう

どうしようもない、見たくもない感情。

そこにまみれた状態の自分が、周りの人に何を与えられるのか。

何もない、と思うかもしれません。

与えるよりももらいたい、と思うかもしれません。

けれども、問い続けてみてください。

すぐにではないかもしれませんが、必ず、見えてくるものがあります。

どんな状態でも、どのような状態でも。

必ず、周りの人に与えらえるものが、あります。

もしかしたらそれは、ずっとあなたがほしかったものかもしれません。

けれども、それを与えると、とても満たされることがわかります。

とても、不思議なのですけれどね。

それは、上に書いた「新しい自分」そのもののように思うのです。

 

今日は対立や主導権争いを生む心理について、少し考えてみました。

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

〇大嵜直人のカウンセリングの詳細はこちらからどうぞ。

※ただいま満席となっております。
※次回9月度の募集を8月30日(火)より開始いたします。

〇カウンセリングのご感想のまとめはこちら。