「青い鳥」の童話にある通り、私たちはどこか別の場所に幸せを探してしまします。
よく言われるように、幸せとは見つけるものでも、与えられるものでもなく、自分自身が感じるものです。
名著「傷つくならば、それは「愛」ではない」(チャック・スペザーノ博士:著、大空夢湧子:訳、VOICE:出版)の一節から。
1.墓場の芝生は、いつも青く見える
男女関係でよくおちいる罠が二つあります。
これは私たちを罠にはめ、前進を遅らせるためのエゴの陰謀です。
ひとつは、ずっと長く続いている関係があり、そこへ突然、新たに魅力的な人があらわれるというものです。
はじめて出会う人はだれでもとても新鮮で魅力的に感じます。
それは最初が「ロマンス」の段階だからです。
まして、いまのパートナーと主導権争いをしていたり、<デッドゾーン>であがいていたりすれば、どんな相手があらわれても、長年のパートナーよりも、ずっと強くあなたの心をとらえることでしょう。
でも、もちろん新しい人といっしょになったとしても、今度はその人と主導権争いや<デッドゾーン>に突入していくことになります。
もうひとつの罠は、過去につきあっていた人のことを考えはじめるときです。
これらの罠のポイントは、どちらも「幸せは、いまいるところ以外の場所にある」と考えてしまうことです。
エゴはあなたを罠におとしいれ、いま、この瞬間にここで実現できる幸せを遠ざけようとするのです。
「傷つくならば、それは「愛」ではない」 p.286
2.幸せの青い鳥をさがして
今日のテーマは、タイトルがいいですよねぇ…
「墓場の芝生は、いつも青く見える」。
これだけで、お腹いっぱいになりそうです笑
童話「青い鳥」から考える幸せ
童話、「青い鳥」。
チルチルとミチルの兄妹は、幸せの青い鳥を探して、不思議な国々をめぐります。
しかし、どれだけ探せども、青い鳥は見つかりません。
あきらめた二人が目を覚ますと、家の部屋のなかにある鳥かごのなかに、青い鳥を見つけます。
幸せとは、自分の手の届くすぐ近くにある。
そんなことを伝えるものがたりです。
転じて、理想ばかりを追い求める人を、「青い鳥症候群」と呼んだりもします。
この童話が、時代を重ねても人々の心に残るのは、やはり人の世の普遍的な真実を表現しているからでしょうか。
私たちは、とかく「ここにないもの」が幸せであるように考えてしまいがちです。
しかし、それは本当にそうなのでしょうか。
引用文のタイトルの通り、「墓場の芝生」だからこそ、それは青く見えるのかもしれません。
しかし、幸せとは、どこかに隠されているものでは、ありません。
幸せとは、見つけるものではありません。
幸せとは、どこか別のところにあるものでもありません。
幸せとは、誰かに与えてもらうものでもありません。
幸せとは、自分が感じるものです。
3.幸せと感受性の関係
探す努力よりも、感受性を開くこと
幸せとは、感じるもの。
それは、よくいわれることだと思います。
もしそうならば、幸せに近づくには、それを探す努力よりも、そこにあることを感じることのできる感受性が大切なようです。
とかく、私たちは「幸せ」を考えるとき、思考がマッチョになりがちです。
幸せを得るためには、頑張らないといけないと考えたり。
幸せを見つけるために、チルチルやミチルのように、いくつもの国をめぐろうとしたり。
幸せになるために、自分を進化させたり、成長させたりしなくてはならないと思ったり。
もちろん、そうしたことが間違っている、というわけではありません。
ただ、順番が必要だと思うのです。
まずは、「いま、ここにある幸せ」に十二分に浸る、満たされる、味わう。
それが、すべてのはじまりであり、源です。
それを感じられないままに、外に探しに行くと、ラットレースに参加することになります。
どこまで走っても、たどり着かない。
どこまで頑張っても、満たされない。
だから、まずは感じること、開くこと、満たされることが必要です。
感情を開くこと、ゆるむこと、くつろぐこと、ゆっくりすること。
そうした時間がもし足りていないのであれば、意図的に自分の生活の中に加えてみては、いかがでしょうか。
もちろん、それをするためには、
「自分は何をしているとゆるむのか」
「自分はどんな空間だとくつろげるのか」
「自分にとってゆっくりできるのは、どんな時間か」
について、知っていないといけないわけです。
それを知ろうとすることも、また自分のなかの感覚を開かせてくれます。
ラグジュアリーホテルの空間が、自分を満たす人もいるでしょう。
ローカルの電車に乗って旅をしている時間が、一番くつろげる時間だという人もいるでしょう。
競馬場の横の居酒屋で、今日のレースのタラレバを肴にしている時間が、いちばん満たされる人もいるでしょう。
満たされる感覚を自分に問いかけることは、私たちの心を満たします。
それを問いかけていくうちに、実は幸せが「いま、ここにある」ことに気づいていくのかもしれません。
今日は「青い鳥」の童話から、幸せについて少し考えてみました。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
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