誰でも不満や愚痴を言いたくなるときは、あるものです。
もちろん、それを安全な場で吐き出すことは、必要なことです。
けれども、不満を言いたくなるときは、自分の価値を見誤っていないかを確認するタイミングでもあるようです。
名著「傷つくならば、それは「愛」ではない」(チャック・スペザーノ博士:著、大空夢湧子:訳、VOICE:出版)の一節から。
1.不満は、自分自身への攻撃である
あなたは不満を言うたびに、「自分には状況を変える力がない」と言っているのです。
言うまでなく、それはおろかなことです。
あなたは本当はとても大きな力をもっているのですから。
不平不満を言っているときは自分を小さくしています。
あなたは冒険することをこわがっていて、何かをするように求められているのに、それをしていないのです。
不満を言うことによって、あなたが問題そのものの一部になってしまいます。
あなたはこう言っているのです。
「この問題は現実だ。私はそれに、はまってしまった。私にはどうすることもできない」、……とんでもない!
「傷つくならば、それは「愛」ではない」 p.132
2.不満や愚痴は「なかったこと」にはできない
不満や愚痴は、我慢するのもしんどいもの
今日のテーマは、「不平不満」でしょうか。
不平不満や愚痴、文句、弱音…ときには、言いたくなってしまうものですよね。
引用文ではいろいろ書かれていますが、まずはそれを「言ってはいけないもの」とはしない方がいい、とお伝えしたいと思います。
不満に限らず、ネガティブな感情は、それを「言ってはいけない」「感じてはダメ」と抑圧してしまうと、もっと大きくなります。
「こっちを見てよ!ちゃんとぼくを見て!」
という感じかもしれませんね。
そうして大きくなった不満や感情は、抑えつけるのにもっと大きなエネルギーがいるようになります。
それを繰り返していくと、抑圧することにエネルギーが取られ、無気力になってしまうことがあります。
私も、思い当たる節があります。
寂しい、悲しいといった感情を抑圧しすぎて、無気力、無感動なロボットのように、感じていたことがありました。
それは、とても怖いことですよね。
「ポジティブな言葉を使おう!」
それはそれで真実なのですが、自分のなかのネガな部分を無かったものとして扱ったり、隠したりすることとは、違うと思うのです。
まずは、「ときには不満を言いたくなるときもある」「愚痴を言ってもいい」と思います。
それは、自分を許すことの一部でもあります。
そしてできれば、愚痴を言える場所を確保すること。
信頼できる家族、友人や、あるいはカウンセリングを使ったり。
実際に言うかどうかは別としても、「それを言える場所がある」ことは、非常に心を軽くしてくれるものです。
3.不満が出たときに考えてみたい視点
自分自身の価値を低く感じるとき、不満が出る
さて、その前置きの上で、ですが。
不満を言いたくなるとき、それは自分の価値を低く見ているとき、という視点をお伝えします。
あなたは不満を言うたびに、「自分には状況を変える力がない」と言っているのです。
まさに、その通りだと思います。
多くの不満というのは、「いまの状況、問題を、自分が打開できない、解決する力がない」という想いの、変奏曲です。
自分にその力がないから、解決することができない。
その無念さ、憤り、やるせなさを、自分以外の周りの人の責任だと言いたくなるわけです。
「あの人が、やってくれないから」
「このシステムが、悪いから」
「みんな、やさしくないから」
そんなふうに感じるものです。
しかし、そもそもの「自分には解決する力がない」というのは、本当でしょうか…?
そんなことは、ないはずです。
昨日のテーマの「アカウンタビリティ」でもありましたが、自分が解決できない問題というのは、そもそも気にならないものです。
フェルマーの最終定理が証明できないことに、悩みますでしょうか?
100mを9秒台で走れないことに、気を病みますでしょうか?
リオネル・メッシ選手よりも点を取れないことを、問題にしますでしょうか?
(もし、悩んでいる方がいたら、すいません笑)
「アカウンタビリティ」の項でも触れましたが、
目の前に問題があり続けるのであれば、「自分の力のベストを尽くしていない」か「いまの自分には解決する力はないので、他人を頼ることができる」
のいずれかです。
ということは、逆説的ですが、不満や愚痴を言いたくなるような問題が、目の前にあり続けるのであれば、その問題を解決できる力もまた、あなたの中にあるのです。
不満や愚痴を言いたくなるとき、それは自分の力やその価値を、不当に低く見ているとき、といえそうです。
不満や愚痴を言ってはいけないわけではない。
むしろ、安全な場で吐き出した方がいい。
けれども、不満を言いたくなるときは、自分の価値を、見誤っていないだろうか?と問うことも、また一つ大切な視点だと思うのです。
今日は、不満から見る、自分自身の価値について、お伝えしました。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
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