大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

パートナーを否定したり嫌っている部分は、どんな自分も愛するようになるためのヒント。

パートナーに感じる不満やイヤなところは、両親に感じていたことかもしれません。

しかし、それは自分を癒し、統合していくためには、とても大切な「宿題」でもあるようです。

名著「傷つくならば、それは「愛」ではない」(チャック・スペザーノ博士:著、大空夢湧子:訳、VOICE:出版)の一節から。

1.あなたが両親を拒絶したところは、パートナーが同じように行動する

両親はあなたの内面的な世界、潜在意識を映しだしています。

あなたの意識のなかでもっとも重要な二つの癒されるべきことを、両親に投影してきたのです。

自分自身の好きではないところを両親に投影し、そしていまはパートナーに投影します。

 

それはあなたがまだ学び終えていないレッスンなのです。

拒絶したところを許し、統合して、両親や自分への裁きをなくさないかぎり、自分が拒絶したことに悩まされつづけることでしょう。

 

「傷つくならば、それは「愛」ではない」 p.241

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2.両親からパートナーに引き継がれる「宿題」

今日のテーマは、「ぐぇ…」となるテーマですよね。

これに気づいたとき、「うへぇ…」と、言いようのないイヤーな気分になるのを、経験された方は、多いのではないかと思うのですが、いかがでしょう。

はい、私もその一人です笑

「この人は私の親ではない」

自分の親に対して感じていたことを、私たちはパートナーに映し出します。

イヤだと感じていたところや、
こうしてほしかったという不満や、
あるいは、もっと愛してほしかったという想いなど。

一見、パートナーに対する不満や、パートナーの言動が気に入らない、と感じているように見えますが、同じような想いを、親に対して持っていたりします。

パートナーに対する不満は、親に対して感じていた、満たされないニーズそのものであることが多いわけです。

はい、イヤですよねぇ…

いい大人になのに、親に対して「ばぶぅ、もっとくだちゃい」と言っているなんて…

ヨシヨシしてもらえなかったその不満を、パートナーにぶつけているわけですから。

パートナーからしたら、八つ当たりもいいところですよね、ほんと。

「この人(パートナー)は、自分の親ではない」

「心理学を学んで、最も「うへぇ…」となる気づきランキング」があるとするなら、結構上位に食い込むテーマだと思うのですが、いかがでしょうか。

…そうですよね?いや、そうだと信じたい笑

それはさておいても、私たちは、親から満たされなかった想いを、パートナーから得ようとする、というのは普遍的な法則です。

付き合い始めのロマンスの時期は、パートナーも「よしよし」としてくれるかもしれません。

けれども、関係性が長くなるにつれて、なかなか難しくなってきます。

すると、「聞いてたんと違う!ブルータス、お前もか!」という気持ちになりますよね。

けれど、冷静になると、「この人は、私の親ではない」と気づくわけです。

ただ、逆から考えると、パートナーもまた、同じなわけです。

パートナーシップは常に対等です。

パートナーもまた、自分の親への不満や満たされたない想いを、ぶつけてくることだってあるのでしょう。

しかし、それは八つ当たりなわけです。

今日のテーマを知っていると、自分の内面と向き合えると同時に、相手への見方にも応用ができます。

そうすると、「知らんがな、私はあなたの親じゃないから」と、相手の問題を相手にお返しすることもできます。

そもそも、両親に投影しているのは「私自身」

さて、両親のイヤなところを、パートナーに映し出す、と書きました。

いわゆる、「投影」の原理ですね。

しかし、この原理で考えるのであれば、そもそもの両親に対して見ていた「イヤなところ」は、どこからきたのでしょう。

はい、そうです。

自分自身のなかにあるもの、です。

自分の中で嫌っていること、不満を感じること、否定していること…そうしたものを、両親に「投影」しているわけです。

私たちは、自分のなかにあることしか、外の世界に見ることはできません。

だた、否定しているからダメとか、嫌っているからよくないとか、そういうわけではありません。

それは、「癒されるべき重要なところ」であると言えます。

あなたの意識のなかでもっとも重要な二つの癒されるべきことを、両親に投影してきたのです。

逆から見れば、自分自身が否定しているところを癒すために、両親、ひいてはパートナーに、それを映し出しているのかもしれません。

「学び終えていないレッスン」とは、いい表現ですよね。

それを学び終えるのが、今生の目的の一つなのかもしれないのですから。

3.「統合」の意味

「統合」とは、どんなことだろう?

引用文の最後には、こうあります。

拒絶したところを許し、統合して、両親や自分への裁きをなくさないかぎり、自分が拒絶したことに悩まされつづけることでしょう。

拒絶したところを、許し、統合すべし。

こう書かれています。

「許す」のは、なんとなくわかりますよね。

しかし、「統合する」とは、どんなことでしょう。

「統合」とは、一般的には「二つ以上のものを、一つにあわせること」を指します。

「分裂」の反対ですね。

「一つにあわせる」というのが、非常に重要な意味を持ちます。

メタ表現になりますが、「自分が拒絶したこと」を拒絶することは、新たな分裂を生むだけです

少しわかりにくいでしょうか。

具体的な例でお話ししてみますね。

どんな自分も、まるっと愛する

たとえば、パートナーの「すぐに感情的になり、ヒステリックに話してくる」ところが、非常に嫌だと感じたとします。

その感情をたどっていくと、その源泉は母親に対して拒絶していたところだと気づいたとします。

それは言うまでもなく、「感情的になり、ヒステリックに話す」自分を、自分が否定していることの投影です。

しかし、それを「自己否定はよくない」とするのは、新たな否定を生むわけです。

なんとなく、伝わりますでしょうか。

「統合」とは、そうした自己否定を、「いけないこと」として切り捨てることではありません

それは、自分を癒すためには、とても大切な部分でもあります。

自己否定をする自分も、自分を好きな自分も、同じ地平にいる。

ただただ、そのすべての自分を、まるっと包み込み、愛する。

それが、「統合」の意味だと私は思うのです。

それは、カウンセリングにおける、私がそうしたいと願っているスタンスでもあります。

自己否定してしまうことを、否定しない。

そうしちゃうのも、しゃあないよね、と。

「統合する」とは、そんな視点だと思うのですが、いかがでしょうか。

今日は、「投影」から「統合」まで、少し手を広げすぎて、収拾がつかなくなりました笑

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

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