「選ぶことができる」という意識は、私たちの生に主体性を与えてくれます。
しかし、何かを選ぶためには、何かを選ばないことが大切になります。
そんな「選択」の心理について、お伝えします。
名著「傷つくならば、それは「愛」ではない」(チャック・スペザーノ博士:著、大空夢湧子:訳、VOICE:出版)の一節から。
1.真実でないことを拒否すれば、真実が浮かびあがってくる
これは人間関係のなかでつねに使うことができる原則です。
何か真実ではないもの、つまり愛や幸せや豊かさでないものがあるときは、そこでがまんしなくてよいのです。
真実にそったあなたの心の力を使い、何かが真実ではないときは「ノー」ということができます。
「傷つくならば、それは「愛」ではない」 p.183
2.「選択」できる、という恩恵
自分の人生に責任を持つ
今日のテーマは、「選択」でしょうか。
何かを「選ぶ」ということは、他のものを「選ばない」ということですが、よく私たちはそれを忘れてしまいがちなようです。
何か一つに心がとらわれてしまうことを、「執着」といいます。
お互いにとらわれてしまう場合は、「癒着」と言ったりしますね。
いまの仕事のやり方に「執着」する。
長年付き合っているパートナーと「癒着」している。
…などなど、いずれも苦しく、しんどい心理状態といえます。
「執着」や「癒着」の心理を手放すには、選択肢を持つことが、非常に大切になります。
別のやり方でもできるから、今日はそれを試してみる。
他のやり方もあるけれど、それでもこの方法を選ぶ。
一人でも幸せ、別の人といても幸せ。
それでも、この人をいることを選ぶ。
「数ある選択肢のなかで、これを選ぶ」という意識。
それは、自分自身に意識を引き戻してくれます。
「あの人がこう言っていたから」、「あの人が、やっていたから」…といった、自分の外にある基準から、「自分はどうしたいのか?」という意識に戻してくれます。
この「選んでいる」という意識は、めちゃくちゃ恩恵が大きいものです。
「この人生を、自分自身が選んで、引き受けているんだ」
そう思うことができると、自分の人生に責任感を持つことができます。
そして、起きている状況に一喜一憂することなく、淡々といまの自分にできることに集中することができます。
これは、以前にも出てきた「アカウンタビリティ」の法則ともいえますね。
すべてを自分自身が選んでいるとしたら、と考えることは、大きな恩恵を与えてくれる。 - 大嵜直人のブログ
「選択できる」、「選ぶことができる」という意識は、かくも大きな恩恵を与えてくれるようです。
3.選ぶために、選ばない
「No」を持つ勇気
「選択できる」という心理が、大きな恩恵を与えてくれる。
しかし、そのためには「選択肢がある」ことを認識したうえで、そして「その中から選ぶ」という意識が必要になります。
そして「選ぶ」ことは、「選ばない」ということと同義です。
10個のなかから、一つだけ選ぶとするならば、残りを9個を「選ばない」わけですから。
これは、言い換えると「No」を言う勇気、とも言えます。
真実にそったあなたの心の力を使い、何かが真実ではないときは「ノー」ということができます。
引用文の通りですね。
何か、自分のなかで真実ではないと感じるものに、「No」と言うこと。
これは、人の気持ちを推し量ることのできる人や、器の大きい人、常にいい人を演じてしまう人には、難しかったりします。
ちなみに、私は「No」を言うのが超苦手です笑
なんだか、自分が「No」と言うことに、罪悪感を感じてしまう。
だから、結果として「選べない」状態になって、苦しくなってしまう。
似たような感覚を持っておられる人は、多いのではないでしょうか。
でも、「No」を言われたとしても、その人の価値とは何の関係もないわけです。
私の嫌いなイチゴにも「一流」はある
たとえば、ピーマンとイチゴがあったとします。
私はピーマンが好きだけれど、イチゴはニガテ、というか嫌いだとします。
だから、私はピーマンを選んで、イチゴを選ばなかったとします。
けれど、それとイチゴの価値とは、何の関係もありません。
イチゴのなかには、一粒千円もするような、一流のイチゴもあるわけです。
それを好きな人が、世の中にはいる。
「No」を言わない、ということは、必然的に「Yes」も弱くなります。
自分の望む「選択」をし続けるためには、「Yes」を大切にするのと同じくらいに、「No」も両方大切にしなくてはならないのでしょう。
「選択」をするためには、「No」がなくてはならない。
「わたしは、そこは歩かない(けれど、その価値を尊重する)」
そう言える強さを、持ちたいものです。
「No」を持つことは、確信をもって「Yes」を選ぶために必要なカギのようです。
これは、「何をするか」よりも「何をしないか」の方が大切だ、という表現でも言われることですね。
(どうでもいいことですが、私はピーマンもイチゴも好きです)
今日は、「選択」の心理と、その中で「選ばない」ことの大切さをお伝えしました。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
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