自分の感情に責任を持つことは、誰かを責める罪悪感から解放するという大きな恩恵を与えてくれます。
そのためには、主語を「わたし」にすることが有効です。
1.自分の感情に責任を持つことの大切さ
先日の記事で、「自分の感情に責任を持つこと」の恩恵について、お伝えしました。
自分の感情に責任を持つことの恩恵とは、誰かのせいにする罪悪感から解放されること - 大嵜直人のブログ
感情とは、一見すると受動的なものに感じます。
その原因となる何かがあって、感情を感じる、というように。
しかし、もしそれが真実だとするならば、私たちは起こるできごとや、身の回りの人の言動、あるいは目に入るニュースといったものに、感情を振り回されるばかりです。
それは、ある意味で自分の人生の舵を、その相手に明け渡してしまっているともいえます。
いいことばかりが続けばいいのですが、そうもいかないものです。
ネガティブな感情を感じると、私たちはそれを誰かや社会のせいにしたくなります。
「あの人が、あんな態度だから」
「こんなひどい社会だから」
そうした態度は、もちろん一時的には必要な防衛反応だともいえますが、ずっとその相手を責め続けることは、別の問題を引き起こします。
それが、誰かを責めること、攻撃することの罪悪感です。
その罪悪感を持つことで、私たちは自己否定や自己攻撃といったものに苛まれることになります。
自分の感情に責任を持つとは、その感情を誰かのせいにすることをやめることを指します。
そうすることで、誰かのせいにする罪悪感から自分自身を解放することができます。
罪悪感から解放されると、犠牲や義務でやっていたことをやめることができるようになり、自分の人生を自分の足で歩むことができるようになります。
これが、「自分の感情に責任を持つ」ことの恩恵でした。
2.「感情に責任を持つ」とは、主語を「私」にすること
さて、そうは言うものの、「自分の感情に責任を持つ」とは、具体的にどういったことでしょうか。
一つの大事なことは、主語を「私」にすることです。
「『彼が』連絡をしてくれないから、私は寂しい」
「『会社が』無理なノルマを設定するから、私はしんどい」
これは、日本語としてはもちろん正しいのですが、主語が「私」以外になっています。
私以外を主語にして考えたり、話したりしていると、主体性が失われていくことが多いものです。
『彼が』『会社が』、何かをしてくれないといけない、といった感じでしょうか。
これを、無理やりにでも主語を「私」にしてみることです。
すると、どうなるでしょうか。
「『私が』寂しいから、彼から連絡がこないのを気にしてしまう」
はい、ずいぶんと、先ほどの言葉から受ける印象が変わったと感じるのではないでしょうか。
「私が寂しい」というと、なんだか恥ずかしく聞こえてしまうかもしれません。
けれども、感情に正誤善悪もありません。
自分が感じたことに、何も間違いもありませんし、浮かんだら感じきることしかできません。
そして、「寂しい」と感じることができるからこそ、つながりを感じることができることもまた、真実です。
そうすると、
「『私が』寂しいから、彼から連絡がこないのを気にしてしまう」
という想いがあったとしても、
「じゃあ、私自身の寂しさを満たす方法はないだろうか?」
「寂しさもまたよし。今日は思い切り寂しさに浸ってみるか」
「寂しいから、私から彼に連絡してみよう」
といったように、主体性を手放さずにいられるものです。
先に挙げた、もう一つの例も同じですね。
「『会社が』無理なノルマを設定するから、私はしんどい」
こちらの言葉は、主語を「私」にすると、どんな風に変わるでしょう。
3.感情は、自分で感じつくすほかない
どんな感情も、それ自体にいいも悪いもありません。
ただ、ネガティブなものほど、それを抑え込んでしまいたくなるものです。
また、感情を感じるのにはとても体力やエネルギー、あるいは覚悟がいるので、それを自分で感じるよりは、誰かにぶつけたくなるものです。
はい、私もそうです。
疲れていたりすると、なおさらですよね笑
けれども、そこで少しキツいんですが、主語を「わたし」に変えて、自分の感情を自分で感じつくすことができると、ずいぶんと変わります。
「わたしは、悲しい」
「わたしは、怒っている」
「わたしは、寂しい」
そうした感情は、他の誰かにぶつけても、解消しないものです。
ぶつけただけ、罪悪感がつのるだけです。
どれも、自分のなかの大切な感情です。
どんな感情も、無視したり抑え込んだりせずに感じれば、消えていきます。
そのためにも、まずは主語を「わたし」にして、「自分がこう感じている」ということを明確にすることをおすすめします。
それは、周りに振り回されることなく、自分の足で人生を歩んでいくための礎となるものです。
今日は、自分の感情に責任を持つとは、主語を「わたし」にすること、というテーマをお伝えしました。
今日も、ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
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