大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

主導権争いを癒す、「感謝」の偉大な力。

自立的な人は、どうしても自分のなかの「ルール」をめぐって、周りと主導権争いをしてしまうものです。

その主導権争いを癒す、一つの方法として、「感謝」があります。

「感謝」の偉大な力と、それを感じられるようになるためのヒントをお伝えします。

名著「傷つくならば、それは「愛」ではない」(チャック・スペザーノ博士:著、大空夢湧子:訳、VOICE:出版)の一節から。

1.感謝は主導権争いをなくす

主導権争いをしていると、相手とは正反対の位置に分裂してしまいます。

主導権争いの根本的な原動力とその目的のすべてはあなたを前に進ませないことです。

 

そこであなたを自然の流れにのせて、前に進めてくれるようなものを使えば、主導権争いは消えるのです。

たとえば、感謝です。

パートナーと対立したときは、相手に感謝をしましょう。

 

「傷つくならば、それは「愛」ではない」 p.193

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2.幸せを遠ざける、主導権争い

今日のテーマは、「感謝」です。

「感謝」しましょうとはよく言われるものの、日常に埋もれると忘れがちになります。

「感謝」の偉大な力について、いま一度、考えてみたいと思います。

「自立」的な人は、「ルール」にこだわる

私たちの心は、「依存」から「自立」へと成長のプロセスをたどります。

「自分では何もできない」状態から、「自分でなんでもやる」ように、成長していきます。

自分ができることが増えるという意味では、とても素晴らしい成長ですが、その「自立

」にはネガティブな面もあります。

人は、「依存」の時代に深く傷ついた分だけ、もう傷つかないようにと、ある種の「ルール」を自分のなかに設定します。

その「ルール」にもとづいて、なんでも自分でやろうとするわけです。

「ルール」とは、「観念」、「ビリーフ」、「思い込み」と呼ばれたりもします。

それらは、自分が二度と傷つかないために設定したものですから、「自立」的な人は、全力でその「ルール」を守ろうとします。

だって、その「ルール」が破られてしまったら、また傷ついてしまうかもしれないわけですから。

その怖さもあいまって、「自立」の傾向が強い人は、「自分のルール」に強くこだわります

ここは、絶対にゆずれねぇよ!

と強情を張りながらも、その裏側には、「きずつくのが、こわいんだもん」という弱い自分が隠れているとも見えます。

はい、思い当たる節がありありですね笑

主導権争いとは、「ルール」の争い

さて、そうした「ルール」ですが、これがパートナーシップにおいては、厄介になるわけです。

自分が設定している「ルール」が強ければ強いほど、パートナーシップを築いていくことが難しくなります。

もし相手も「自立」的な傾向が強ければ、相手もまた「ルール」を持っているはずです。

このお互いの「ルール」が、衝突するわけです。

どちらの「ルール」が正しいかを、常に争っているような状態

これを「主導権争い」、あるいは「正しさの争い」と呼んだりします

この状態になると、常に相手との間で葛藤を抱えているようなものですから、なかなか心が落ち着きません。

幸せなパートナーシップとは、かけ離れた状態になってしまいますよね。

そして、もし自分の「ルール」の正しさが証明されたとしたら、相手は「間違っている」ことになります。

そうすると、自分と一緒にいることに、相手は無力感を感じてしまいます。

そして、いつか違う場面で仕返しをしてやろう、という気持ちになってしまうかもしれません。

…満たされるパートナーシップには、ほど遠そうですよね。

 

上の例とは逆に、もし相手が「依存」的な傾向が強かったとしたら。

その場合は、常に相手は自分の「ルール」に従うことになります。

それは一見すると、うまくいっているように見えるかもしれませんが、これもまた長期的には難しいものです。

「自立」にいる側は、ずっと自分の「ルール」に従う相手を、どこか「つまらない相手」に見えてしまうかもしれません。

いっぽう、「依存」にいる側は、ずっと無価値感に苛まれます。

いずれにしても、幸せな関係性とはいいがたいようです。

3.「感謝」が与えてくれる恩恵

「あたりまえ」の反対が、「ありがとう」

さて、こうした主導権争いは、お互いを不幸にするもののようです。

はい、そうは分かっていても、やってしまうものですよね、ほんと…泣

引用文では、そうした主導権争いを、「感謝」は癒してくれると述べられています。

「感謝」、すなわち「ありがとう」。

「ありがとう」とは、「有り難う」。

有ることがめずらしい、という意味です。

その反対の意味は、「あたりまえ」です。

よく言われることですが、「あたりまえ」だと感じたとたんに、「感謝」は失われます。

朝、目が覚めること。

呼吸ができること。

部屋を明るくする電気があること…

考えてみれば、何気ない日常のなかに、いくつもの奇跡があります。

「感謝」とは、目の前の世界を「あたりまえ」とは思わず、それ自体が奇跡だと感じることから、生まれるようです

そこであなたを自然の流れにのせて、前に進めてくれるようなものを使えば、主導権争いは消えるのです。

たとえば、感謝です。

そうした「感謝」は、主導権争いを癒して、自分自身を前に進めてくれるようです。

そりゃ、そうですよね。

「感謝」しながら、主導権争いなんて、同時にはできないですもんね笑

「感謝」とは、そこに在る愛を余すことなく受けとり、癒しの最強のツールであり、また自己肯定の最高のメソッドの一つのようです。

「感謝」のためには、いまを味わい尽くすこと

そうはいっても、素直に「感謝」できないのも、私たちの心です。

だって、効用やメリットがすごいと分かっていても、なかなかランニングやウォーキングが続けられないじゃないですか…あれ、私だけですかね笑

まあ、ランニングとは少し違っていても、メリットだけでは、惰性に流れるのが、私たち人の業なのでしょう。

さて、そんな業が深い私たち(複数形にさせてください笑)ですから、「感謝」できるように意識した方がよさそうです。

いろんな、意識の向け方があるかと思います。

ひとつの方法として、「いま」を味わい尽くすことを、今日は挙げてみたいと思います。

風薫る5月の空気を楽しんでみたり、
車に乗るときはエンジンの発明に想いを馳せてみたり、
そのご飯粒がどうやってここまで来たのか想像してみたり…

目の前の世界は、少し目を凝らすと、奇跡に満ちあふれていると思います。

「いま」を味わっていると、そんな奇跡に気づくことがあります。

それが一つでも見つかると、ドミノ倒しのように、ぱたぱたと見つかっていきます。

それは、パートナーに対しても、同じようです。

「いま」を、味わい尽くすこと

「感謝」を感じるための、ひとつの方法です。

 

今日は、主導権争いを癒す「感謝」について、お伝えしました。

ここまでお読みくださり、ありがとうございます。

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