自立が引き起こす「比較と競争」は、パートナーシップにおいて大敵です。
「比較と競争」の心理についてお伝えするとともに、そこにも価値や愛を見る見方について、お伝えします。
名著「傷つくならば、それは「愛」ではない」(チャック・スペザーノ博士:著、大空夢湧子:訳、VOICE:出版)の一節から。
1.二人の関係が死んでいるように感じたら、そこに隠れている競争を探すこと
競争のあるところにはへだたりがあります。
相手とへだたっていると心のふれあいがなく、生気を失ったように感じます。
こういう感情はすべてはあなたの足を引っぱります。
あなたがひそかに相手と競っているところをすべて手放しましょう。
そして、協力できるところ、パートナーとともに進めるところを探してください。
力をあわせているとき、二人はおのずと調和しながら進んでいきます。
「傷つくならば、それは「愛」ではない」 p.209
2.「比較と競争」はパートナーシップの大敵
今日のテーマは、「競争」…なのでしょうが、そのおおもとになるのは、やはり「自立」です。
みんな大好きなんだけれども、パートナーシップを阻むのも、「自立」です。
依存から自立、そして相互依存
私たちの心は「依存」から「自立」、そして「相互依存」と成長のステージをたどります。
もう、ここでは何度も触れているので、おなじみですね。
「自分には何もできないから、誰かに何とかしてもらいたい」という「依存」の状態。
「自分で何でもやるから、他に誰もいらない」という「自立」の状態。
そこを経ると、「自分でできることは自分でする、自分でできないことは誰かを頼る」という「相互依存」の境地にいたります。
これは、単純な直線状のモデルではなく、どちらかというと螺旋階段のようなイメージが近いと思います。
生れ落ちたとき、小学校に入学したとき、部活をはじめたとき、はじめて恋愛したとき、働き始めたとき…
人は生きるなかで、何度も「依存」と「自立」を繰り返すものです。
また、仕事の上では超自立だけれども、パートナーシップでは超依存になるとか、そういった場合もありますよね。
いま、自分が「依存」か「自立」かどちらの状態にいるのか、それを考えることは、非常に大切な内省です。
「依存」であれば、自分で何とかがんばること、やれる方法を考えることが大切になりますし、
「自立」であれば、誰かを頼ることや、がんばるのをやめることが大切になります。
そして、これはパートナーシップにおいても、同じです。
「自立」を象徴する、比較と競争
さて、その「自立」時代を象徴するマインドとして、「比較と競争」があります。
「依存」の時代に、何もできなくてとても辛く悲しい想いをしたことで、他人頼るのをやめて、自分で何とかしようとします。
だからこそ、「自立」している人は、自分が負けたり、間違いを認めることを、極度に恐れます。
だって、自分が負けたら、「依存」の状態に叩き落されてしまうわけですから。
そしたら、またあの辛い、何もできない想いをしないといけない。
だから、絶対に負けられない。
よく「正しさの争い」といわれますが、「自立」的な人は、正しさに強くこだわります。
正しさとは、その人が持っているルール、観念、思い込みであり、それは「依存」時代に傷ついた経験ゆえにつくられたものです。
それゆえに、「自立」的な人は、同じように「自立」的な人とぶつかり、競い合うわけです。
これが、「比較と競争」の心理です。
この「比較と競争」が、パートナーシップで起こると、しんどいですよね。
なかなか、勝ち負けを競っている相手と、親密になろうとは思わないですから。
これからリングに上がるボクサーが、反対側のコーナーの相手と、ベタベタするわけにはいかないわけです笑
競争のあるところにはへだたりがあります。
まさに、その通りですよね。
競争があると、どうしても相手との断絶がうまれます。
パートナーといるのに、孤独感をおぼえたりするのは、もしかしたらパートナーと競っているところがあるのかもしれません。
3.気づいたら、手放せる
自分のほうが優れていると感じるところは?
パートナーシップにおいて、孤独感や寂しさを感じたとき。
こんな問いを自分にしてみては、いかがでしょうか。
「自分のほうがパートナーよりも優れている、と思っているところは、どんなところだろう?」
「パートナーのやり方よりも、自分のほうが正しいと思っているところは、どんなところだろう?」
めっちゃ抵抗が出てくるかもしれません。
考えたくないと思われるかもしれません。
そんなところ、全然ないよ、と思われるかもしれません。
けれども、こうした問いは、すぐに答えがでなくても、いいんです。
そこに意識を向けるだけで、いいんです。
答えを出すことだけに、意味があるわけではありません。
ただ、自分の内面に問いかけること。
それは、パートナーシップにおいて、とてもポジティブな影響を与えてくれます。
そして、もし一つでも「ここが、自分のほうが正しいと思っているなぁ」と思われるところが見つかったら、とても素晴らしいことです。
気づいたら、手放せるわけですから。
ダメなわけではなくて、そこに光を見る
そして、もしそれが見つかったとしても。
それは、あなたが悪いわけでも、ダメなわけでも、なんでもありません。
そのことで、自分を責めなくても大丈夫です。
あなたがこだわっている、その優れた点。
あるいは、その正しさ。
どうして、そんなにもこだわっていたのでしょう。
そこまで、こだわるということは、あなたにとって、とても大切なことなのでしょう。
それが譲れないということは、あなたにとって、何がしかの痛みがあることなのでしょう。
人が、痛みを感じるということは、誰かに自分の愛が届かなかったと感じるときです。
その「誰か」とは、パートナーその人の場合もあるでしょうし、いままであなたが愛してきた誰かかもしれません。
そう考えていくと、
「競争」の心理も結局のところ、誰かのためを想って、というところに行きつくように私は思うのですが、いかがでしょう。
少し、話が飛躍しすぎましたでしょうか笑
とりあえずは、「競争」の心理は、パートナーシップにおいて大敵であること、
そして、それに気づけば、手放すことができること、
それをお伝えできましたら、幸いです。
今日は、パートナーシップの大敵、「競争」についてお伝えしました。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
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