早いもので、もう2月になりました。
大寒も終わりのころになり、風にわずかばかりのあたたかさの気配を感じます。
そんな如月ついたち、熱田神宮を訪れました。
駐車場を降りると、やわらかな陽光が目を引きます。
気付けばずいぶんと、日が昇るのが早くなってきました。
そして、確実に力強さが芽生えてきたように感じます。
もう、冬至から1か月も経っているのですから、当然といえば当然なのですが。
外気の寒さと、この陽の強さとが、どこかアンマッチなような感じがするのは、この時期ならではなのかもしれません。
別宮・八剣宮の前の椿が、隠れるようにして咲いていました。
その姿に、健気さを想います。
「太郎庵椿」。
江戸中期、名古屋の古渡に住む高田太郎庵という茶人が愛したことから、その名が付いたと案内がありました。
江戸中期からといえば、300年近くにもなるでしょうか。
長きにわたって、観る者のこころを慰め、癒してきた椿。
悠久の時の流れを想います。
南門をくぐってすぐ、茶色の神鶏さまがお出迎え。
駐車場を降りたときから、何度もその鳴き声を聞かせてくださいました。
今日もまた、お邪魔いたします。
参道を歩いて行った先、宝物館の横で、もう一羽の神鶏さまが。
どこか哀愁を感じる、背中とおしりであります。
今日もまた、お邪魔しております。
ひょこひょこと、杜の中に消えていかれました。
それにしても、陽の力が戻ってきたように感じます。
参道を歩いていると、木々の間から時おり伸びる陽光に、はっとなります。
もうすぐ、立春。春立てる日。
寒さはまだ厳しいけれど、確かに季節はめぐっているようです。
生きることは、変わりゆくこと、移ろいゆくこと、めぐりゆくこと。
変わりゆくことだけが、変わらないことなのかもしれません。
そんなめぐりを感じたくて、こうして定期的に鳥居をくぐっているようにも思います。
大きな鳥居を見上げながら、ゆっくりと参拝を。
こうしてこころ静かに歩ける場所があるのは、本当にありがたいものです。
睦月が終わり、如月へ。
今月もまた、よろしくお願いいたします。
そんなご挨拶を、茶色と白の神鶏さまにさせていただくことができました。