執着を手放そうとするとき、怖さを感じるものです。
しかし、それは手放そうとしているからこそ感じるものであり、手放しのプロセスを歩んでいる証拠でもあります。
１．執着を手放すとは、相互依存へといたる道
昨日の記事では、執着を手放すとは、相互依存へといたる道、というテーマでお伝えしました。
執着を手放すとは、相互依存へといたる道。 - 大嵜直人のブログ
何かに執着していると、私たちの心はそれにとらわれて不自由になります。
「これしかないから」と、選択肢がない状態になり、窮屈で苦しくなるのです。
だから、「執着は手放しましょう」といわれます。
「手放し」とは、その対象へのポジティブな感情を持ったまま、心理的な距離を空けることで、自分と相手に自由を与えることのできる、心のはたらきです。
一般的なイメージでは、距離を空けるのは嫌いになったときというイメージがありますが、そうではないんですよね。
好きなまま、距離を空ける。
私も自由にします。あなたもまた、自由です。
そう宣言することが、「手放し」のイメージです。
さて、こうした「手放し」のプロセスが、自立から相互依存へといたるそれである、というのが昨日のテーマでした。
執着していると、どうしてもその相手、そしてその相手との関係性をコントロールしたくなります。
それを、自分がコントロールするのではなく、手放していく、委ねていく、任せていく。
そうした心のはたらきは、「なんでも自分がやろうとする」マインドである自立から、次のステージである相互依存へといたるプロセスでもあります。
昨日の記事では、そんなテーマでお伝えしました。
２．コントロールを手放す怖さ
そうはいっても、自立的な人にとって、コントロールしたい欲を手放すのは、何よりも怖いものです。
その怖さは、他人に仕事を任せられない方や、パートナーを頼ることが苦手な方なら、ご理解いただけるのではないでしょうか。
はい、イヤですもんねぇ笑
それはともかくとして。
「執着を手放す怖さ」に話を絞るなら、その怖さは「孤独になる怖さ」、あるいは「愛されない怖れ」といえるでしょうか。
たとえば、パートナーに執着していたとして。
自分がその執着を手放して、距離を空けてしまったら、あの人は絶対にどこか別の場所へ行ってしまう。
自分がつなぎとめておかないと、愛されない。
執着を手放そうとすると、そんな怖さがふつふつと湧き出てくるものです。
これ、めちゃくちゃありますよね。
私も、執着、癒着大好き体質なので、この怖れは毎度のことです笑
でも、よくよく考えてみてください。
執着していようがいまいが、離れるときは、離れますよね。
たとえば、執着の対象がパートナーだとしたら、パートナーもまた、自分の意志を持った人間です。
手錠をかけて、監禁でもしていれば別ですが、その人の意志でどこへでも行くことはできるのです。
それは、自分が執着していても、していなくても、です。
執着の対象が、パートナーのような特定の人でなければ、なおさらですよね。
お金、会社、仕事、コミュニティ…
そうしたものは、自分が執着しようがしまいが、離れていくときは離れていくものです。
だから結局のところ、離れることを怖がっても、「離れるときは離れるし、そうでないときは、そうじゃない」としか、いいようがないのかもしれません。
３．怖さを感じるのは、手放そうとしているから
ただ、そうはいっても、怖いものは怖いですよね。
手放したら、距離を空けたら…それを想像すると、怖くなってしまうのは、ある意味で当たり前です。
だからというわけではないんですが、怖くていいんです。
「だって、怖いんだもん」で、いいんです笑
執着を手放すというプロセスから見れば。
怖さを感じるというのは、手放そうとしているからなんですから。
だって、「ずっと握りしめて、執着しておこう」と思っているんだったら、距離を空ける怖さなんて、感じないでしょう。
だから、もし執着を手放してしまったら…という怖さを感じるのだとしたら、それはもうすでに「手放そうとしている」んですよね。
言い換えれば、手放しのプロセスに入っている、と言えるのでしょう。
もし、あなたがそのような怖さを感じるのだとしたら。
きっともうあなたは、手放そうとしてるのです。
そのことを認めてあげて、その怖さを抱きしめてあげてください。
時間はかかるかもしれませんが。
その怖さの先に、手放せたあなたがいるのです。
今日は、手放そうとしているからこそ、怖さもまた感じるもの、というテーマでお伝えしました。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
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