大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

自分の感情に責任を持つことの恩恵とは、誰かのせいにする罪悪感から解放されること

今日のテーマは、「自分の感情に責任を持つ」ことです。

「自分軸」と表現されることもあります。

その軸を持つことの意味、そして恩恵について考えてみたいと思います。

1.感情は受動的なものだろうか?

「感情」というと、一般的には「何かきっかけがあって、それにともなって引き起こされるもの」というイメージがあります。

電車が予定よりも遅れて、イライラする。

好きな人から連絡が来て、うれしい。

欠かさず見ていたドラマが終わってしまって、寂しい。

…などなど、自分の外部に何がしかの原因があって、それによって自分の感情が引き起こされる、という見方です。

(原因)→(感情)という因果関係を見るわけです。

これは、非常にわかりやすい図式です。

しかし、心の世界では、逆の見方をすることができます。

まず「感情」が先にある、と見るわけです。

先に、「イライラした感情」があって、それをぶつけることができる事象を探している、という見方です。

そこに、都合よく?「電車が遅れる」という事象を見つける。

見つけるというか、「イライラした感情」を吐き出すことのできる事象を探すフィルターを使って、世界を見ているともいえます。

「あぁ、もう!なんで時間通りに来ないんだよ!」

とイライラすることで、当初の目的を達成するわけです。

同じ「電車が遅れる」という事象があっても、とっても楽しいデートの最中であれば、気にもならないと思います。

ドラゴンズが大勝した帰り道であれば、電車を待つ間に、今日の試合談議に花が咲くだけかもしれません。

事象が、感情を引き起こしてるのではなくて、その逆である、という見方です。

自分のなかにまず感情があって、それを吐き出すことのできる事象を探しているだけ、という視点。

この視点を持つことは、私たちに大きな恩恵を与えてくれます。

2.自分の感情に責任を持つこと

「まず先に感情があって、それを吐き出す事象を探しているだけ」

そう考えることの恩恵は、自分の感情に責任を持つことができるようになることです。

その逆に、何らかの事象があって、そこから感情が引き起こされると考えるのであれば、そこに責任を持つことは難しくなります。

だって、その感情を抱くことになったのは、自分のせいじゃないですから。

「あの店員の人が、あんな対応するから、腹が立ってしょうがない」

そう思ってしまうと、同じような対応をする店員の方に会うたびに、腹を立てることは避けられなくなります。

言ってみればそれは、自分の感情の舵を、他人に委ねているといえます。

どんな感情を持つのも他人任せで、自分にはどうしようもない。

何か原因があって感情を感じるとするならば、そんな結論になってしまいます。

けれども、自分のなかに先に感情があるだけ、とするならば、少し景色が違ってきます。

ただ、ここで一つ注意したいのは、「感情をコントロールすることはできない」ということです。

自分のなかにある感情に責任を持つことはできますが、感情をコントロールすることはできません。

むしろ、コントロールしようとすると、感情は暴れます。

「こんなこと思ったらあかん」と思えば思うほど、その思いで苦しくなるように。

感情は、コントロールすることはできません。

ただ浮かんで、そして流れていくものです。

そして、そこに正しいも、間違っているも、ありません。

私たちにできるのは、感情を誰かのせいにしたり、あるいは他人にぶつけたりせずに、自分の大切なものとして感じつくすことだけです。

3.誰かのせいにする罪悪感から解放してくれる

感情を自分の責任として扱う。

どこか、修行僧のように聞こえるかもしれません笑

「なんで、そんなことしないとあかんの?」と思われるかもしれません。

けれども、その態度は、私たちに大きな恩恵を与えてくれます。

それが、「誰かのせいにしたり、誰かを責める罪悪感から自分を解放してくれる」という恩恵です。

これは、本当に大きな恩恵です。

何か原因があって、自分の感情が引き起こされるという前提でいると、ネガティブな感情を感じたときに、私たちはその相手のせいにしたくなります。

「あなたがひどいことしたから、私は悲しい思いをした」というように。

そして、それは容易に「あなたはひどい。あなたは悪い」と、相手を責めるようになります。

そうしないとやっていけないくらい、悲しかったり、しんどかったりすることも、確かだとは思います。

けれども、そうして他人を責めることは、同時に自分を責める刃になってしまいます。

誰かを責める罪悪感を抱えることで、なおさらしんどくなるわけです。

この罪悪感が、さまざまな問題を引き起こします。

自分を幸せから遠ざけたり、わざわざ自分を苦しめるような環境に自分を置いたり。

罪悪感は、徐々に私たちの心を蝕んでいきます。

自分の感情に責任を持つことは、そうした「誰かのせいにする罪悪感」から、私たちを解放させてくれます。

そうすることで、誰かのせいにする人生から、自分の足で人生を歩けるようになります。

誰かに預けてしまった自分の人生の舵を、取り戻すことといえます。

これは、めちゃくちゃ大きな恩恵です。

たかが感情、と思われるかもしれません。

けれども、それを自分の責任として感じつくす覚悟を持つことは、実に私たちの人生を実り多きものにしてくれるようです。

 

今日は、自分の感情に責任を持つというテーマでお伝えしました。

今日も、ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

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