蒸し暑く、エアコンのお世話になる日が出てきました。
少し歩いただけでも、じんわりと汗をかくような、そんな季候の日が増えてきました。
この週末は真夏日のところも多かったようで、私の住んでいる名古屋でも、夏を感じさせるというか、実感する日でした。
この暑さと湿気のせいか、酸っぱいものが美味しく感じる季節でもあります。
七十二侯でも、まさに「梅子黄(うめのみきばむ)」。
その字の通り、梅の実が熟すころであり、梅酒や梅干を漬けたりする時期でもあります。
それにしても、雨が降らないですね。
少し前に、沖縄と九州南部が梅雨入りの報を聞いた気がするのですが、そこから梅雨前線はぱたりと北上をお休みしてしまったようです。
今年は、空梅雨になるのでしょうか。
じめじめするのもイヤですが、さりとて、この時期に雨が降らないと水不足になるので、困ったものですよね。
梅雨もしかり、海産物もしかり、いろんなところで、これまでの常識とは異なる様相を示すことが多いようです。
そういえば先日、お米を作っている農家の方とお話ししたときも、そんなお話になりました。
年々、夏が猛暑になるようになって、従前の品種では、その暑さに耐えられなくなっているようなのです。
暑さにやられて、歩留まりが悪くなったり、等級が落ちたり。
以前のようには、作れなくなってきている。
なんでも、いま流通している品種を作付けするのに適した気候は、北海道あたりの季候になってきているんだとか。
いまから20年くらい前でしょうか、私が前職でお世話になった北海道の物産展でお米をいただいたときに、「こんなおいしいお米が、北海道でつくれるんだ」とびっくりした記憶がありますが…なんというか、常識はすぐに古くなりますね。
そのお米作りをされている方によると、いまの季候に合った品種の研究が、進んでいるそうです。
暑さに強く、高温にも負けない品種。
もちろん、それでいて、美味しい品種。
そうした品種の研究、品種改良が進んでいるそうで、今年から徐々に流通にも乗ってくるだろう、と。
環境の変化に負けず、美味しいお米を届けようとされている方のお仕事に、ありがたいなぁと思うのです。
「諸行無常」ではないですが、変わらぬものなど、何もないのかもしれません。
日々、季節は移ろいゆくし、この世界は変わりゆく。
それを「変わってしまった」と嘆くのもいいのですが。
それを受け入れて、自分を変えていくこともまた、一つの可能性なのかもしれません。
変わらぬものなど、何もないのであれば。
自分自身もまた、変えていくことができるのでしょうから。
目に映る季節の移ろいは、私自身の投影でもありますから。
さてさて、そんなこんなですが、6月ももう半ばです。
まだまだこれから暑くなりますし、その前にじめっとした時期もあるのでしょう。
酢ものなど、この時期のものをいただきながら。
どうぞ、ゆるくゆるく、ご自愛くださいませ。