本来の自分と、仮面をつけた自分。
そのいずれも、自分の一部です。
だから、どちらかを否定するのでも、選ぶのでもなく、「ともに生きる」ことが大切なことです。
1.どちらの自分も、大切な自分の一部
昨日の記事では、本来の自分と、仮面をかぶった自分、というテーマでお伝えしました。
カウンセリングのなかでも、「本来の自分」というのは、よく出てくるテーマです。
「本来の自分」というと、どこか自分探しのようなニュアンスに聞こえるかもしれませんが、「もともと、その人が持っている価値や魅力」というほどの意味です。
そうした価値や魅力を持ったままで、生きていくことができればいいのでしょう。
けれども、私たちはどこかで、自分自身を隠そうとしたり、抑圧しようとしたりしてしまいます。
そして、その自分を隠すために、別の自分の仮面をかぶるようになります。
この仮面のことを、「ペルソナ」と呼んだりもしますよね。
もともとは、感受性豊かで、すぐに誰とでも親密になれる才能を持った人が、理性的で周りとは一定の距離を置くような生き方をするようになったり。
そうした仮面をかぶることになるのは、自分が傷ついた経験からということが多いものです。
たとえば、親密にしていた誰かから裏切られたり、傷つけられたり。
そうした経験があると、私たちは仮面をかぶって生きるようになります。
ただ、仮面をかぶったとして、本来の自分がなくなるわけではありません。
だから、その仮面の自分と、本来の自分とのギャップが、どんどんしんどくなるんですよね。
仮面をつけているのがしんどくなったり、仮面の自分が誰かから評価されるのに虚無感を覚えたり。
そうしたときに、「仮面をつけた自分はよくない、本来の自分がよいもの」と思いがちですが、そうとも限らない、というのが昨日のテーマでした。
端的に言えば、「仮面をつけた自分」も自分の一部であり、それを否定するのは自己否定につながってしまうからです。
そんな風に自己否定をしてしまうよりは、「仮面をつけた自分」でいることで得られたものや、その価値や魅力をフォーカスしていく方が、自分にとってやさしいのではないでしょうか。
本来の自分と、仮面をつけた自分。
そのどちらかが正しいというわけではなくて。
ばらばらになってしまっていたその二人の自分を、「統合」していくことが、大切なことではないか、というのが昨日のテーマでした。
2.「統合」するとは、自由にになること
昨日も少し触れましたが、「統合する」といっても、なかなかイメージするのが難しいかもしれません。
本来の自分と、仮面をつけた自分。
その二つの自分を「統合」することのイメージを、今日も少し考えてみたいと思います。
「統合」とは、執着を手放すことと少し似ているようです。
何かに執着しているとき、私たちは不自由で窮屈です。
「この人じゃなきゃ」「この会社でなくては」という執着があると、苦しいですよね。
しかし、執着は手放すことができます。
手放すとは、自分を自由にすることであり、それは選択肢を与えることです。
「これじゃなきゃダメ」ではなく、「どれを選んでもいい」という状態。
執着を手放すことができると、そんな状態になることができます。
「統合」も、それに少し似ています。
本来の自分と、仮面をつけた自分。
その「どちらか」ではなくて、自分が選ぶことができること。
ずっと仮面をつけたままだと、息苦しくなります。
それを脱ぐことを、自分に許可ができていること。
そして、それが必要になったときに、再度つけることができること。
どの自分も、自分のなかにいる(ちょっと表現がヘンかもしれませんが笑)。
それを許せているのが、「統合」なのでしょう。
3.どの自分も、「ともに生きる」
もっといえば、自分のなかには、本来の自分と仮面をつけた自分の、2つだけが存在するわけではありません。
腹黒い自分。
涙もろくて、情に厚い自分。
ちょっとドライな自分。
のんびり屋さんで、マイペースな自分。
無数の自分が、自分のなかには存在するものです。
どうしても、私たちはその自分を色分けして、「これはOK、これはダメ」と分別してしまいがちです。
その基準は、「誰かから愛されるか、愛されないか」だったりするのですが…
そうした自分を、選り分けることをせずに、ともに生きること。
「どの自分も、自分の一部」
そのように見ることが、「統合」と言えるのでしょう。
それは、ある意味で、自分を許すことに近いものです。
もし自分を許すことができると、私たちはそれを周りの世界に「投影」します。
キライなあの人も、絶対許せないこの人も、
「まあ、それも世界の一部だよね」
と見ることができるので、楽に生きられるようになるわけです。
今日は、どんな自分も自分の一部だから、というテーマでお伝えしました。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
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