「わたしが」という主語を意識することは、癒着を癒してくれます。
その、癒着が見せてくれる価値の方に、フォーカスしたいものです。
1.罪悪感と癒着の問題
先日の記事では、罪悪感と癒着の問題、というテーマでお伝えしました。
それは、誰の問題だろうか? ~相手と線を引くことの大切さ - 大嵜直人のブログ
罪悪感とは、自分が悪い人間である、罪深い人間であるという自己概念のことで、それゆえに自分自身を幸せから遠ざけてしまいます。
自分を罪人のように扱うのですから、「楽しいこと、うれしいことは厳禁!!」になってしまうわけです。
そして、罪悪感がつくりだす心理的な問題の一つが、癒着です。
癒着とは、相手と心理的に近づきすぎてしまう状態のことであり、近づきすぎるがゆえに、常に相手の感情に影響を受けたりします。
反対に、自分だけが心理的に離れられないのは、執着です。
癒着は、ずーっと「彼はどう思うだろう」と気にし続けるわけで、たとえるなら相手と「二人羽織」をしているようです。
たまには、そうやってくっつくのいいかもしれませんが笑、常にそれをするとなったら、しんどいですよね。
ご飯を食べるときも、トイレに行くのも、誰かと会うのも、いっしょ。
もしそんな状態になったら、プライベートもへったくれもありませんし、疲れますよね笑
その状態が癒着です。
なぜそうなるかといえば、お互いに罪悪感があるから、くっついてしまうんですよね。
自分は罪深いから、相手に何かしないといけない。
自分が悪い人だから、相手から離れたら申し訳ない。
そんな感覚から、離れられなくなってしまうのが癒着です。
パートナーと癒着する、親と癒着する、あるいは子どもと癒着する。
癒着は、実にさまざまな場面で見られるものです。
2.まずは「わたし」を主語に意識してみる
癒着の典型的な症状の一つに、「主語があいまいになる」というものがあります。
相手と距離が近くなりすぎるがゆえに、自分と相手の境界線があいまいになってしまうわけです。
「最近、ほんと仕事が大変で、家に帰るとどっと疲れが出るの」
みたいな話をしていたとして。
普通に聞いていたら、その「話している人」が仕事が大変で、家に帰ったらどっと疲れが出るんだな、と思うじゃないですか。
でも、これ癒着がきつくなると、実はパートナーの話だった、みたいなことがあるんです。
「え?仕事が大変なのは、あなたじゃなくて、あなたのパートナーなんですか?」みたいな。
でも、当の本人にとっては、それは別に普通なんですよね。
それだけ、心理的に距離が近いわけですから。
このことを、逆から見ると、癒着の切り離し方が見えてきます。
つまり、「自分が話している言葉の、主語を意識してみる」ということです。
「わたしが」という言葉を、枕詞のようにしてみるわけです。
「(わたしが)忙しくて、しんどいなぁ」
「(わたしが)昼ご飯はさっぱりしたものが食べたい」
「(わたしが)どうしたいんだろう」
みたいに。
これ、癒着を切るというだけでなく、自分という軸を意識をするのにも、非常に役に立つものです。
主語を、意識する。
「わたしが」という枕詞を常につける。
ぜひ、試してみてください。
3.罪悪感も癒着も、愛ゆえに
癒着を癒していくためには、主語を意識すること。
そうすることで、相手との距離感を、適度に保つことができるようになっていきます。
ただ、癒着することや、罪悪感を持つこと自体が、悪いことだとは、思わないでいただきたいんです。
あくまでそれは、自分がしんどいから、癒着を切るだけであって、別に癒着しているから悪いとか、人間的に問題があるとか、そういうわけではないんですよね。
むしろ、逆です。
さきほど、癒着は罪悪感をもとに生まれる、と書きました。
そもそも、罪悪感を抱くのは、愛があるからです。
罪悪感の裏側には、愛があります。
そうであれば、癒着をする人の心の奥底には、たんまりと愛があるものです。
癒着自体にしても。
そこまで相手と距離を縮められるだけ、心の容量が大きいし、相手を想うことができる才能があると見ることだって、できます。
そもそも、そこまでの情や愛がなければ、癒着なんてしないでしょうし。
だから、癒着は本人にとってしんどいことではあるのですが、それは決して悪いことでも、非難されることでもありません。
それよりも、癒着できるということの才能であったり、資質だったりを、見続けることの方が、大切なことといえます。
癒着に限らず、どんな問題にしても同じですよね。
それはしんどいことかもしれませんが、それが見せてくれる価値や才能といったものに、フォーカスしたいものです。
今日は、主語を意識することで、癒着を癒していくことができる、というテーマにしてお伝えしました。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
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