私たちは、条件つきで愛してもらうとしてしまうことがあります。
そうした行動を、単に「間違っている」とするのではなく、そうするほかなかった自分を受け入れるプロセスを踏むことが大切です。
1.自己受容の大原則
先日の記事では、自己受容の大原則についてお伝えしました。
自己受容の大原則と、いまここにいることの奇跡。 - 大嵜直人のブログ
自分を受け入れる、自分を愛する。
それが大切なことであることは、実にさまざまなところで耳にするものです。
しかし、その愛し方、受け入れ方によっては、自分を否定することにつながってしまうことがります。
たとえば、自分が何かできることや、何か秀でていることで、自分を受け入れようとすること。
一見すると、それが当たり前のように感じますが、そうした「理由づけ」での自己受容や自己愛は、時に苦しいものになります。
なぜなら、その反対に自分ができないときに、自分を否定したくなりますし、自分より優れている人に出会ったときに、苦しくなります。
もちろん、それを「よし、自分もそこまでできるようになろう!」という前向きのモチベーションに変えられるのであれば、いいのでしょう。
けれども、「理由づけ」で自分を受け入れていると、なかなかそうは思えなかったりします。
簡単に、自己否定したくなってしまことが、よくあります。
自己受容の大原則とは、「いま、ここにいる自分をそのままに受け入れる」というものです。
そこに「理由づけ」をしたりせず、そのままの、いびつなままの自分を愛する。
「それが、わたし」
そこに何らかの判断を入れず、いったんそのままに受け入れること。
それが、もっとも根源的な自己受容といえます。
それは、自分がいまここにいることの奇跡に想いを馳せることと、よく似ているというのが、昨日のテーマでした。
2.条件付きの愛
とかく、私たちは「条件付き」で愛してもらおうとします。
「これができるから、愛されるよね」
「これをしたから、これくらい愛されてもいいよね」
そうした想いを抱くことは、めずらしいことではないかもしれません。
その根源にあるのは、無価値感なのかもしれません。
私たちは、「依存」の時代に、いかに周りから愛を与えてもらえるか、という研究をしてきました。
愛が、ほしくてほしくてたまらない。
けれども、それを与えてもらえるかどうかは、相手次第。
その相手の気を引き、愛を与えてもらうには、どうしたらいいか。
その相手の望む、いい子になる。
相手が喜んでもらえそうな行動を心がける。
条件付きで愛をもらおうとうするのは、そうした時代の名残と見ることができます。
ある意味で、私たちはずいぶんと長い時間をかけて、「どうやったら愛されるか研究」をしてきたといえるのでしょう。
多くの場合、その相手というのは親という存在になりますが、成長にするにつれて、それが先生になったり、先輩や上司になったり、あるいはパートナーになったりします。
そして、そうした「条件付きの愛」は、いつしか自分自身に対しても、同じように見てしまうものです。
人より秀でた実績、容姿、結果、経済的な成功…
なんからの理由がないと、自分を認めてはいけない。
そうした自己受容が、いつしか自分を苦しめてしまうのは、先に見てきた通りです。
3.条件付きでも愛してもらいたかった自分を愛する
こう見ていくと、なんだか切ない話ですよね。
そもそもが、「条件付きでも」というくらいに愛されたかったのでしょうから。
もちろん、理想論をいえば、「私たちは、何もしなくても愛されるに値する存在である」ということを理解することがベストなのでしょう。
そうすることで、どんな自分も愛することができるでしょうし、それを周りに「投影」して、パートナーのどんな姿でも受け入れ、愛することができるのでしょう。
ただ、だからといって、条件付きの愛を求めた自分自身を、否定するものでもありません。
「あのときの私は、間違っていた」
そう考えることほど、苦しい自己否定もないかもしれません。
だって、そのときはそうすることしか、できなかったのでしょうから。
条件つきであれ、愛を求めたことに、いいも悪いもありません。
「それくらい、愛されたかったんだね」
そう言って、やさしく抱きしめてあげることが、先に書いたベストへの唯一の道ではないでしょうか。
先日も書いたように、自己受容の大原則は、「いま、ここにいる自分」をそのままに受け入れることです。
そこに、何の条件も、判断も要りません。
条件つきでも、愛されたかった自分。
そんな自分も、受け入れて愛してあげてはいかがでしょうか。
今日は、自分を愛する、受け入れるプロセスについて、お伝えしました。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
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