大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

「癒し」をもたらすもの、涙、眠り、そして忘却。

「癒し」とは、ものごとの見方がポジティブに変わることを指します。

そして癒されているとき、涙が流れたり、よく眠ることができたり、忘れることができたりするものです。

1.「癒し」とは何か

今日は、「癒し」をテーマにしてお伝えしてみたいと思います。

「癒し」といっても、実に多様な意味があります。

リラクゼーションに行って感じる「癒し」もあれば、もふもふの動物に触れたときの「癒し」、あるいは推しのコンサートに参加できたときの「癒し」もあるのでしょう。

そのどれもが「癒し」であることには、間違いありません。

一方で、心理学的な意味での「癒し」とは、次のように定義されます。

「ものの見方、考え方がポジティブに変わること」

ある人の価値観や世界観、観念といったものが、ポジティブに変わることを、「癒し」と呼んでいるわけです。

「ポジティブに」というのがポイントで、希望を抱けるようになったり、前を向いて歩けるような価値観に変わったとき、それは「癒し」が起こったといいます。

ただ、人の価値観が変わるというのは、そう簡単なことではありません。

なんたって、いままでかけていた色眼鏡を外すようなことに近いわけですから、抵抗や怖れが出てきても、何も不思議ではありません。

だから、心理学的な意味での「癒し」とは、時に自分の壁を破る勇気だったり、痛みの層を乗り越える強さが必要になったりもします。

このあたり、ちょっと冒頭に申しあげたような、通常の意味での「癒し」とは、異なるものと言えるかもしれません。

ただ、ものごとのとらえ方、考え方、価値観が変わるということは、たとえるならスマホのOSがアップデートされるようなものです。

「何をするか(アプリの部分)」ではなく、そもそもの「どう在るか(OSの部分)」が変わるわけですから、その変化は大きいものです。

(とはいえ、最近のスマホなどは進歩しすぎたのか、OSがアップデートされても大した変化を実感することは少ないのですが…)

「癒し」とは変化であり、それまでの自分と別れを告げて、新しい自分と出会う、再生であるともいえます。

2.癒しをもたらすもの

こうした心理学的な意味での「癒し」。

その「癒し」をもたらすものを、少し列挙してみたいと思います。

涙を流すこと

一つ目は、涙を流すこと。

どちらかというと、ネガティブにとらえられがちかもしれませんが、泣くことは「癒し」をもたらします。

悲しみの涙、辛さの涙もそうですし、喜びやうれしさの涙もまた、そうですね。

涙が流れるとき、私たちの心は何がしかの変化があり、それを涙にして流していると見ることができます。

先ほどお書きした「ネガティブにとらえてしまう」こともそうですが、どこかで「泣いてはいけない」という観念を持っていたりします。

特に、男性に多いかもしれません。

泣くことは、決してネガティブなことではありません。

心の中に溜まってしまった澱も、涙と一緒に流れていきます。

泣くことを、禁じないこと。否定しないこと。

涙は、「癒し」の一部なのですから。

眠ること

「最高の癒しは、眠ること」という言葉があります。

眠ることで、私たちは感情を整理し、新しい一日を迎えることができます。

眠ることは、ある意味で、日々行われる死と再生のプロセスであり、その過程で私たちに大きな癒しが起こっています。

「しんどいときは、考えるのをやめて、眠るに限る」と言われたりもしますが、それはまさに至言だと思います。

注意したいのは、なぜか私たちは、眠ることに罪悪感を感じやすいことです。

ハードワーカーさんは、特にそうですよね。

休んではいけない、という観念があるからでしょうか。

「休日なのに寝すぎてしまった…」というのも、これです。

よく眠ることができたのなら、それだけ「癒し」が進んだのだ、と考えるようにしたいものです。

忘れること

3つ目は、忘れることです。

とかく忙しい私たちは、「忘れる」ことに対しても、ネガティブなイメージを持ってしまいがちです。

「忘れてました!」というと、怒られるイメージがありますもんね笑

けれども、「癒し」の本質は忘れることにあります。

先日もお書きしたのですが、問題の真の解決とは、忘れること、忘却です。

「そういえば、そんなこともあったな」

「あぁ、あんなことで悩んでたときもあったな」

そんな風に思えるようになったとき、その問題は問題でなくなっています。

忘れること。

それは、最高の「癒し」なのでしょう。

3.「癒されたんだな」と見ればいい

泣くこと。眠ること。

そして、忘れること。

「癒し」をもたらすものを、見てきました。

ともすると、ネガティブにとらえてしまうことが多いものですが、決してそうではありません。

涙が流れたとき。

よく眠ることができたとき。

「そういえば」と何かを忘れていたとき。

「しまった」と思うのではなく、「あぁ、癒されたんだな」と思うようにしてはいかがでしょうか。

涙も、眠りも、そして忘却も。

「癒し」をもたらすものだからです。

そのどれもが、実に人間的なものですよね。

それらを「癒しをもたらすもの」と見るのは、自分を愛することの一つの方法でもあるのでしょう。

今日は、「癒し」をもたらすもの、というテーマでお伝えしました。

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

〇大嵜直人のカウンセリングの詳細・お申込みはこちらからどうぞ。

※ただいま6月度の個人カウンセリングを募集中となります。

〇カウンセリングのご感想のまとめはこちら。