どうしても執着が手放せないとき、まず「いまの自分は」手放せないんだ、ということを認める必要があります。
その上で、誰かに頼ることが必要になるタイミングでもあります。
1.「手放し」のプロセス
昨日は、「手放し」のプロセスについて、というテーマでお伝えしました。
カウンセリングのなかでも、中核的なテーマになることも多い「手放し」。
執着から自分を自由にすることのできる癒しを、「手放し」と呼びます。
執着していると、私たちは選択肢を失います。
「この人しかいない」
「この会社しかない」
といった具合に、まるで世の中にはその選択肢しかないように感じてしまいます。
「手放し」は、そうした執着を解き放ち、私たちに自由を与えてくれるものです。
昨日の記事では、その具体的なプロセスを見ていきました。
- 感情の解放
- その当時の自分と向き合う
- 目標を設定する
必ずしも一方通行で進めるわけではなく、2から1へ戻ったりもします。
ご承知の通り、執着って、何度もぶり返したりするものですしね。
だから、あきらめずに何度でも「手放す」ことを選択し続けることが、大切になります。
昨日の記事では、そんなプロセスを順番に見てみました。
2.手放せないときの処方箋
今日はそんな「手放し」を進めるなかで、どうしても出てくる
「手放せない」
という時期の処方箋について、お伝えしてみたいと思います。
まず大切なのは、「いまの自分は、手放せないんだ」という事実を認める、ということです。
これ、自己肯定感や自己受容の第一歩でもある、「いま、そのままの自分を受け入れる」という点と同じです。
「そうなんだな、いまの自分は、手放せないんだな」
「わたしは、いまはまだ、手放したくないんだな」
それが悪いことでもなんでもなく、ただ、そうなんだな、と認めてあげる。
それだけで、変わるものがあるんですよね。
たとえばカウンセリングのなかで、別れたパートナーのことが忘れられなくて辛い、というお話をいただいたとしたら、私は「それじゃあ、手放しましょう!」なんて言いません。
それができるなら、カウンセリングにはいらっしゃらないでしょうから笑
「そうなんですね、その人のことが、忘れられないんですね」
と、お伝えはすると思います。
不思議なもので、他人から自分のことを聞くだけでも、自分の状態を認めたり、知ったりすることが進むものです。
そして、「いま」手放せなかったとしても、それが「この先ずっと」手放せないわけではありません。
私たちは、どうしてもいまの自分の状態が、将来的にもずっと続くと思いがちです。
でも、日々私たちは変わるし、成長もします。
決して、いま現時点の自分が「手放せない」と認めることが、ずっと手放せないわけではないんですよね。
だから、まずは「いまの」自分が手放せない、ということを認めることが、一歩目になります。
3.手放せないときは、誰かを頼るとき
じゃあ、「いまは手放せない」と認めた上で、どうするか。
そこに、正解はないと思います。
「手放せるようになるまで待つ」という、豊臣秀吉的なアクションをするもよし。
あ、「鳴くまで待とう」は、家康でしたか笑
「手放せるには、どうしたらいいんだろう」と動き回るもよし。
そのどれが、自分に合うかは、やってみないとわかりません。
でも、一つ試してみてダメだったら、それは自分に合ってない、ということが分かっただけでも大きな収穫なわけです。
だから、正解はないんですよね。
その上で、なのですが。
「手放せないときは、誰かを頼るとき」、という金言をご紹介します。
手放せないということは、いまの自分では、それができないんですよね。
だから、自分の外側を頼ってみる。
信頼できる友人に、泣きついてみる。
カウンセリングで、話をしてみる。
家族を頼ってみる。
いままでの自分にはなかった行動が、「手放し」の扉を開くことは、とてもよくあることです。
手放せないときは、誰かを頼るとき。
ぜひ、参考にしていただければ幸いです。
今日は、執着が手放せないときは、誰かを頼るとき、というテーマでお伝えしました。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
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