「手放し」にいたるプロセスについて、見ていきます。
そのプロセスのなかで大切なのは、「手放す」と選択し続ける意志です。
１．「許し」と「手放し」
昨日の記事では、「許し」と「手放し」、というテーマでお伝えしました。
「許し」とよく似た「手放し」、その共通点について。 - 大嵜直人のブログ
「許し」と「手放し」。
カウンセリングのなかでも、中心的になることの多いテーマです。
「許し」も「手放し」も、執着している相手から、自分を解き放つということが似ています。
まず「許し」は、相手やできごとを１００％主体的に受け入れる、心のはたらきを指します。
それにより、相手を責める罪悪感から自分を解放し、主体的に人生を生きられるという恩恵を私たちに与えてくれます。
一方で「手放し」は、執着から自分を自由にすることを指します。
ぎゅっと握りしめている手を、そっとやさしく開くイメージ。
そうすることで、新しいものを掴むこともできますし、また同じものを選び直すこともできます。
「許し」が進むと、その相手のことを忘れている時間が増えるものです。
その相手やできごとが、気にならなくなるんですよね。
「手放し」のプロセスは、それが進むと相手の幸せを静かに祈れるようになります。
自分以外の誰かの幸せを祈るとき、私たち自身もまた、幸せを感じることができます。
「許し」も「手放し」も、いずれも自分のより善き生のためにする癒しの一部である、ともいえるのでしょう。
２．「手放し」のプロセス
さて、「許し」のプロセスは、
- 感情の解放
- 感情的理解
- 感謝
- 恩恵を受け取る
というものでした。
以前にこちらの記事でもご紹介しました。
「許し」へのステップ ～その４つプロセスについて - 大嵜直人のブログ
今日は、「手放し」のプロセスがどのようなものか、見ていきたいと思います。
「手放し」が必要なのは、執着しているときです。
そして、執着しているときは、心がそれでいっぱいいっぱいになっている状態です。
また、その相手との過去のできごとに、心が向いているものです。
これを、「いま」に引き戻すのが、「手放し」のプロセスになります。
主には、３つのステップがあります。
- 感情の解放
- その当時の自分と向き合う
- 目標を設定する
ひとつずつ、順番に見てきたいと思います。
１．感情の解放
「許し」のプロセスの最初も、「感情の解放」でしたが、「手放し」でもそれと同じなわけですね。
だから、カウンセリングで溜まっていた感情を流していくことは、「許し」にしても「手放し」にしても、大切なことなんです。
感情には、いろんな層があります。
それは、古い地層のように、掘り進めていくと、また別の感情が出てくるのです。
このプロセスの一つのポイントとなる感情は、「怒り」です。
「怒り」を感じることができてきたら、プロセスが進んでいるといえるのでしょう。
２．その当時の自分と向き合う
執着するには、何がしかの過去のできごとや原因があるものです。
そのときの自分と向き合うのが、２つめのステップです。
もっというならば、そのときの自分の感情と向き合う、といえるでしょうか。
ここで重要になるのが、自己承認です。
どうしても、過去の自分の感情を解放しようとすると、
「こんなことを感じてて、みっともない」
「こんな自分だから、ダメなんだ」
とか、自己否定が吹き出てくるものです。あるいは、
「あんな自分だったから、あの人に申し訳ない」
といったような、罪悪感も出てきたりします。
それらが出てきたら、１番目のステップに戻って、また感情を解放していくことが大切です。
大切なのは、どんな自分も否定しないという、自己承認です。
３．目標を設定する
こうした２つめのプロセスを抜けると、過去に意識が向くことが少なくなっていきます。
それを加速させるためにも、３つめのプロセスとして、目標を設定することが大切になります。
何のために手放そうとするのか？
手放した先で、何を得たいのか？どんな感情を感じたいのか？
それを具体的にイメージすることができると、手放しは加速していきます。
３．あきらめずに選択し続ける、ということ
こうした「手放し」のプロセスですが、何度も執着がぶり返すことが多いものです。
「手放せた」と思っても、その翌日にはまた執着が強くなっていたり。
その繰り返しに、イヤになってしまうことも、あるかもしれません。
「手放し」は、そうした中でも、あきらめずに「手放す」と選択し続けることが、大切なことです。
ある意味で、しつこさが求められるといえるでしょうか。
何度も、何度も、選択し続ける。
自分の幸せのために、手放すんだ、と。
その選択をするたびに、あなたの心は磨かれ、またその器を大きくしていくのです。
今日は、「手放し」にいたるプロセスについて、というテーマでお伝えしました。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
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