大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

山茶花の咲くころ、野山の生きものたちが眠りにつく姿を想うころ。

寒波がやってきたようで、急に冷え込んだ週末の朝でした。

あなたのお住まいのところでも、冷え込んだのでしょうか。

ここのところ、例年よりも暖かい日が続いておりましたので、朝、玄関を開けると「おぉ」と驚くような寒さでした。

寒いのは苦手ですが、やはりこう凛とした寒さがやってくると、「冬!」という感じがしますよね。

12月も後半なのですから、それはそうですよね。

年の瀬も控え、何かと気ぜわしい時期ではありますが、この時期の私は手帳を開いて、日記を振り返る時間が多くなります。

今年一年で、できたこと。

来年に向けて、したいこと。

そんなことを、ぼんやりと想う時間が多くなるようです。

 

時候は、気づけば「大雪」も後半のようです。

七十二候では、「熊蟄穴(くまあなにこもる)」から「鱖魚群(さけのうおむらがる)」の時候。

文字通り、熊が冬ごもりのために巣穴に入り、冬眠をしたり、鮭が産卵のために生まれた川に遡上していく時期だそうです。

鮭は、川を遡上していくのを見ることはできますが、熊や山の動物たちが冬眠するのを直接見ることは難しいものです。

そう考えると、「熊蟄穴(くまあなにこもる)」とは、「そういえば、もう熊を見かけなくなったな。もう巣穴にこもって冬眠したのかな」と、見えないものに想いを馳せる情景を指しているのかもしれません。

目に見える風景の変化にみならず、目に見えないものにも心を寄せる、実に美しい時候の名のように感じます。

 

目に映る風景も、冬の景色に変わってきました。

いつもの散歩道の神社には、いつの間にか山茶花が咲いていました。

静かな参道でしたが、もう半月もすれば、初詣ににぎわうのでしょうか。

冬の凛とした寒さは、どこか白黒のトーンのイメージが強いのですが、その中でこの鮮やかな紅い色が見られるのは、不思議なものです。

その鮮やかな色を眺めながら。

野山の生きものたちは、眠りについたのだろうかと想い。

そして、過ぎゆく年と、未だ来ぬ年を、想い。

師走の一日は、過ぎてゆくようです。

 

寒い日が、まだまだ続くようです。

どうぞ、暖かくしてお過ごしくださいませ。