時候は「処暑」から、「白露」へ。
草木に降りた露が、白濁して涼しく見えるころ。
七十二侯でも、「草露白くさのつゆしろし」の時候。
日中と朝晩の寒暖差が、徐々に大きくなってくる。
ちょうど、夏から秋への端境期くらいなのだろうか。
季節は、めぐる。
そんな今日だが、秋の風情を感じるような気候でもなかった。
台風の影響もあり、朝から怒鳴るような降り方をしたと思えば、ぴたりと止んで晴れ間が見えたり。
かと思えば、滝のような豪雨がまた降り始めたり。
どこか不安定な面持ちの、今日の空。
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雨の合間に、足元の草木を眺める。
緑の葉に、いくつかの雫が揺れていた。
ゆらゆらとしていたが、すぐ隣の雫と合わさって、つるつると葉の上を滑って行った。
朝露ではないけれど。
季節を、愛でる瞬間が持てたことを、喜ばしく思う。
こころは夏に留まりつつも。
日中の陽射しはまだまだ強くとも。
気付けば、夏が過ぎ行く。
秋が、訪れる。
どこか、寂しさとともに。
どこか、ほっとした感じとともに。
朝露ではなく、雨の雫。