大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

なんでもできるからこそ。

先日、ドタバタとした依頼案件の校正などのため、先方指定のビジネスチャットツールに登録をしました。

ものの数分でアカウントを取得し、チャットグループで内容を確認していく作業。
使い方もロクに分かりませんが、「習うより慣れろ」なのでしょう。

新しい家電や家具、ガジェットなどを手に入れた際に、取扱説明書をじっくり読む人種とまったく読まずに使い始める人種で分かれると思うのですが、私は完全に前者です。
ええ、完璧主義が、こんなところでも発揮されているようです。

しかし、いまの時代には後者の方が合っているような気もします。
軽いノリでとりあえずやってみる、という方が、腰が重いよりも何かとうまくいく気はします。

それはさておき、ほんとうに便利な世の中になったものだと感心します。
SNSにせよ、ビジネスツールにせよ、一昔前なら考えられないようなことが、無料でできたりします。

思い出せば、私が働き始めたころ。
クリスマスケーキカタログの校正を、そのケーキをつくっている東京や大阪の洋菓子店にお願いする仕事がありました。

撮影したケーキの写真と説明が、デザイン会社から上がってきたら、その校正用紙をカラーコピーし、まずは各店舗にFAXを入れる。
その後、カラーコピーを速達で郵送するなんてことを、やっていました。
FAXで構図を確認してもらい、速達で届くコピーで色合いを確認してもらう。

校了までの時間がいつも短いので、デザイン会社から夜遅くに上がったゲラを、ひったくるようにしてコピーして、夜中でも発送の受付をしてくれる大きな郵便局に走ったのを思い出します。
今になってみれば、「何と非効率な」という笑い話ですが、当時はそれしかないと思っていたのですね。
えぇ、お恥ずかしながら、なんと2000年代の話です。

それがいまは、ものの数分、いや数秒でビジネスチャットでデータを共有できます。
ほんとうに、便利な世の中になったものです。

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そこに至るまでには、多くの技術革新があり、多くの人の挑戦があったと思うと、有難い限りです。

しかし、だからこそ。
ツールが揃いすぎているほど揃っている、いまだからこそ。

何をするか、が重要になるように思います。

何を、するのか。
誰のために、するのか。

そうした行動原理の部分が、ほんとうに大事になってきているように感じます。

なんでもできるからこそ。

自分が何をしたいのか、常に見つめていきたいものです。