大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

心の癖やパターンもまた、自分の大切な一部分。

何かの問題の原因となる心の癖やパターンがあると、それを矯正しようとしてしまうものです。

しかし、それら自体もまた、自分の大切な一部だと愛する方が、問題の解決には近いように思います。

1.気づいたら、それでおしまい

昨日の記事では、自分の心の癖に気づいたら、というテーマでお伝えしました。

自分の心の癖に気づいたら、それを自分責めのネタにしないこと。 - 大嵜直人のブログ

心理学を学ぼうとするとき、それは何らかの生きづらさや、よりよくしたい人間関係があるから、学ぼうとする場合が多いものだと思います。

そして、その心理学を学んでいくうちに、自分という存在を深く知っていくものです。

心理学を学んだことを、自分の内面と向き合うことに使うと、とても大きな恩恵があるとは、よく言われることですよね。

そして、何らかの自分のパターンというか、心の癖といったものに気づくこともあります。

どうしても自分が我慢してしまいがちな癖だったり、

大切な人ほど、遠ざけてしまいたくなるパターンだったり、

いつも一番欲しいものを欲しいと言えなかったり。

そうしたパターンの原因として、母親との癒着だったり、別れたパートナーへの執着だったり、ずっと抑え込んでいた父親への怒りだったり、いろんな過去の経験が浮かび上がってきたりします。

そうしたものが見えてきたとしても、それを自分責めのネタにしないことが大切、というのが昨日のテーマでした。

そもそもが、生きづらさを何とかしようとして始めていることなのに、「自分はこんなパターンや問題があるから、いけないんだ」とばかりに、いつの間にか、自分を責める材料が増えてしまっては、元も子もないわけです。

そのパターンや癖をネタに、自分を責めたりしなくてもいい。

気づいたら、それでおしまい。

「それが、わたし」と受け入れることが、大切なことだというのが、昨日のテーマでした。

2.「許し」や「手放し」でも同じ

心理学のなかには、「許し」や「手放し」といったように、そうした問題を癒していくヒントもあります。

「許し」にしても「手放し」にしても、その力の大きさには、これまでたくさん書いてきました。

けれど、なかなか「許し」や「手放し」の境地に至るのは難しいのも、また事実です。

アタマで「許そう」と思っても、「いままでさんざん、ひどい目に遭ってきたのに」というような想いがあふれてきたり。

「もうあの人のことは手放そう」と思っても、四六時中アタマから離れなかったり。

「許し」にしても「手放し」にしても、行っては返して、返しては行き、徐々に徐々に許す、手放す方向に進んでいくことが多いものです(もちろん、そうではない人もいます)。

そうしたときに大切なのが、「許せない」「手放せない」自分を責めない、という点です。

それができないのには、それなりの理由があるわけです。

それだけ自分が深く傷ついていたり、あるいは、それだけ相手が大切な存在だったり。

だから、「許せない」「手放せない」ときは、「あぁ、いまはムリなんだな」で、いいんです。

そこを無理矢理に「許さなあかん」「手放さなあかん」としてしまうと、自分の感じていることを思考で押しつぶしてしまうことになりますから、なおさらしんどくなります。

許せないときは、許せない。

手放せないときは、手放せない。

それで、いいんです。

いまの自分をそのままに受け入れるというのが、最も大切な自己受容の一つですから。

でも、だからといって、許すことや手放すことを、あきらめてなくてもいいんです。

「いまは」許せない。「いまは」手放せない。

そうだとしても、許すことや手放すことをあきらめてなくてもいい。

そんなふうに考えられると、同じ「許せない」「手放せない」状況でも、自分の受け入れ方が、少し違ってくるのではないでしょうか。

3.問題の解決とは、何だろう

そんな風に考えていくと、問題の解決とは、何だろうと思うわけです。

自分の心の癖やパターンに気づいて、それを矯正することが、問題の解決なのか?といわれると、そうでもないように思います。

だって、その癖やパターンにしたって、大切なあなたの一部なわけですから。

その一部を否定しておいて、あなた自身を愛そうとしても、難しいのではないでしょうか。

「このあなたはダメ、あっちのあなたはOK」というように判断されるのは、イヤなものですよね。

もちろん、だからといって、そうした癖やパターンをそのままにしておくと、しんどいこともあるのでしょう。

だから、その癖やパターンを持っていても、しんどくない環境を考えてみたり、それを受け入れられる場所を探してみたりすることも、一つの方法でしょう。

あるいは、その癖やパターンを、「強み」として活かせる方法は、ないだろうかと考えるアプローチ。

人によって、いろんな解決策があると思うのです。

カウンセリングのなかでも、そうした解決策を探していくことは、とても楽しいものです。

どうしても、わたしたちは完璧主義というか、「問題を取り除かないと愛されない」という風に見てしまいがちですが、そうではないんですよね。

その癖やパターンもまた、わたしの一部。

そう受け入れることが、問題の解決へのとても大切な一歩目だと思うのです。

今日は、心の癖やパターンもまた、自分の大切な一部、というテーマでお伝えしました。

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

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