大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

同居する母親への嫌悪感を緩める方法と、その根源にある愛。

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ずっと嫌いなお母さんに対して、その嫌悪感をなくすには?というご相談にお答えします。

嫌悪感を緩める方法の一つをお伝えするとともに、その嫌悪感の根源にある愛を見つめていきたいと思います。

オンラインカウンセリング無料相談・ココロノマルシェに寄せられたご相談に、回答させていただきます。

【母が嫌いです。】

母が嫌いです。

昔からあまり母とは仲良しではなく、自分が子供を産み母であり主婦をやるようになってから更に嫌悪を抱くようになりました。

この嫌悪はなんなのか自分なりに分析し、どこが嫌いなのかと聞かれ答えるなら…

・ネガティブな発言ばかり ・なんでもディスる ・空気が読めない ・女子力が低い

・向上心がない 家事や子育ての能力は低くダメな母親ではあると思います。

基本的にネガティブな事を言うので褒められた事もないです。

子供時代を思い出すと、私が何かお願いすればやるけどポンコツが故に期待に応えてはくれない。

高校くらいからは子供の言いなりのような母親でした。

特別にひどい仕打ちを受けた訳ではないですが、小さな傷や小さなガッカリが私の中に積み重なっている感覚です。

ちなみに、父親の浮気疑惑が発端で私が成人するくらいに離婚しておりますが、その離婚も母親が悪いと思ってしまいます。

一緒に住んでいるので余計に日々嫌悪を感じモヤモヤします。

私は母親と真逆を目指すので反面教師としての役割で助演女優賞をあげればよいのか?

離れて嫌悪を感じないようにするのが手っ取り早いのか?

何か嫌悪がなくなる方法はあるでしょうか?

(カニクリームコロッケ さん)

 

カニクリームコロッケさん、ご相談ありがとうございます。

文筆家・心理カウンセラーの大嵜直人が、回答させていただきますね。

 

カニクリームコロッケさんは、お母さんに対して嫌悪感を抱かれているのですね。

身近な家族、まして同居されている方にそうした感情を抱くと、日々顔を合わせるだけに、辛いですよね。

お子様もいらっしゃって、主婦をされておられるそうですが、お母さんとの関係にモヤモヤしながら、家事や育児をするのも、さぞ疲れることと思います。

ご相談文を書いて送るのも、大変だったのではないかとお察しします。

あらためまして、ご相談いただきありがとうございます。

 

そんな中、お書きいただいたご相談文を拝見すると、カニクリームコロッケさんはご自分のこと、そしてお母さんのことを、とても冷静に観ておられるようにお見受けします。

母様がお嫌いな点、ご自身が小さかったころのこと、そのときの感覚、いまのご自身の環境など、冷静に、そして分かりやすくお伝えしてくださっています。

そのことから察するに、家事や何かをするにつけても、全体を把握して、テキパキと要領よく、手際よくこなすことができる方なのではないでしょうか。

そんなカニクリームコロッケさんへのご回答ですので、まずはご質問に対して、端的にお答えしていきたいと思います。


 

>私は母親と真逆を目指すので反面教師としての役割で助演女優賞をあげればよいのか?

こう書いておられますが、カニクリームコロッケさんのおっしゃる通りかもしれません。

たとえば、ある男性の話があります。

その男性のお母さんは、まったく料理をつくらない方でした。

どれだけ待っていてもご飯は出てこず、いつもお腹を空かせていた男性は、仕方なく自分で料理を作るようになりました。

初めは、自分の空腹を満たすためでしたが、それはいつしか、お母さんのために作るようになりました。

日ごとに料理の腕を上げたその男性は、やがて料理人としての道を歩きはじめました。
そして自分で店を持ち、著名な賞までをもらうようになりました。

その賞の授与式で、その方はお母さんへの謝辞を述べます。

「あなたがいてくれたから、今日ここに立つことができました」、と。

仮に、その方の栄誉ある賞の主演男優賞が、その料理人の男性とするなら。

助演女優賞は、やはり、お母さんになるのでしょうか。

 

もし、先ほど申し上げた、カニクリームコロッケさんの資質や長所、あるいは才能が、お母様と真逆のものであるなら。

それは意識的にせよ、無意識的にせよ、お母様を反面教師として育まれたものなのかもしれません。

そのおかげで、カニクリームコロッケさんが、いま子育てをされながら、主婦業という尊い営みをされているのだとしたら。

ご相談文には、「子育てをしながら、主婦業をされている」と書かれていますが、それが、どれくらい尊いことか。

カニクリームコロッケさんにとっては、当たり前かもしれませんが、当たり前でも何でもない、尊い営みだと私は思うのです。

よく、毎日頑張っておられますよね。

そう考えると、お母さんは、主演女優賞ものなのかもしれませんね。

 

それは、たとえカニクリームコロッケさんが嫌悪を抱かれていたとしても、変わりはないのかもしれません。

>離れて嫌悪を感じないようにするのが手っ取り早いのか?

離れて物理的な距離を取るのは、カニクリームコロッケさんがおっしゃるように、嫌悪を感じないようにする一つの方法かもしれません。

それと同時に、離れたとしても、嫌悪を感じる可能性もあります。

嫌悪を感じる量というのは、物理的な距離に比例しないことがあるからです。

たとえば、テレビやスマホの画面の向こうのアイドルや俳優に、好意を感じることはありませんでしょうか。

物理的な距離は離れていても、四六時中好きな俳優のことを考えたりすることもあるかと思います。

その反対の嫌悪についても、同じように感じるかもしれません。

至極、当たり前の回答かもしれませんが、距離を置いてみないと分からない、と思います。

そしてそれは、最後のご質問にもつながるのですが、

>何か嫌悪がなくなる方法はあるでしょうか?

これは、無数にあると思います。

登山に例えるなら、山頂に行くには、いろんな登山ルートがあると思います。

登山道を通らずに、ヘリコプターで行ってしまう方法だってあるかもしれません。

何かをするための方法は、無限にあります。

カニクリームコロッケさんに合う、嫌悪がなくなる方法は、きっとあると私は思います。


 

たとえば、一つの方法として、お母さんに感じた感情を書きだす、という方法があります。

ご相談文には「嫌い」「嫌悪を感じる」と書いていただいていますが、その「嫌い」を掘り下げてみてはいかがでしょうか。

>基本的にネガティブな事を言うので褒められた事もないです。
>子供時代を思い出すと、私が何かお願いすればやるけどポンコツが故に期待に応えてはくれない。
>高校くらいからは子供の言いなりのような母親でした。
>特別にひどい仕打ちを受けた訳ではないですが、小さな傷や小さなガッカリが私の中に積み重なっている感覚です。

子供時代、お母さんが期待に応えてくれなかった。

そのとき、カニクリームコロッケさんは、どんなことを感じたのでしょう。

ほんとうは、お母さんにどうしてほしかったのでしょう。

高校生になると、カニクリームコロッケさんの言いなりのようになった、お母さん。

そんなお母さんを見て、カニクリームコロッケさんはどんな感情を抱いておられましたか?

カニクリームコロッケさんの中に積み重なっている小さな傷、小さなガッカリ、それは具体的にどんなことでしょう。

そのときに、どんなことを感じたのでしょう。

 

それは、カニクリームコロッケさんにとって嫌な記憶を呼び覚ますかもしれませんので、とても勇気が要ることです。

一人でノートに向き合い、その感情を掘り下げて書いてもいいのですが、もしできるのであれば、信頼できる周りの方や、カウンセラーに聞いてもらうことをおすすめしたいです。

澱のように積み重なった痛みや傷、ガッカリしたネガティブな感情を掘り起こすのは、とても勇気が要ります。

けれど、そのようにして感情を掘り起こし、また解放していくと、不思議と心はすっきりと落ち着きを取り戻していきます。

それがとても辛い失恋であっても、感動的な映画を観たときであっても、大泣きした後は、とてもスッキリしませんでしょうか?

感情と向き合い、それを解放することは、その人の心の中に、ある種のスペースをつくります。

そのスペース、あるいは余裕ができると、冷静にカニクリームコロッケさんご自身とお母様の関係や、かつてのお母さんの行動を一歩引いて、客観的に見直すことができるようになります。

それは、お母さんを理解するという、とても大きな恩恵を与えてくれます。

 

なぜ、お母さんはカニクリームコロッケさんの期待に応えられなかったのか。

なぜ、お母さんはカニクリームコロッケさんの言いなりになってしまったのか。

なぜ、小さな傷やガッカリさせることばかり、お母さんはカニクリームコロッケさんにしてしまったのか。

そうしたことを、「感情的に」理解することができるようになります。

いま、子育てをして、家事をして、かつてのお母さんと同じ立場にいらっしゃるカニクリームコロッケさんであれば、なおさら理解ができるのかもしれません。

そうして相手を理解していくと、嫌悪を緩めることができる可能性が高くなります。

「あのとき、期待に応えてくれなくて、すごく傷ついたし、ムカついた」

「けれど、お母さんの性格や、そのときの状況を考えると、そうせざるを得なかったのかもしれない」

「それは、仕方のないことだったのかもしれない」

というように。

先に述べたように、あくまでこれは一つの方法です。

他にも、嫌悪をなくす、緩める方法は無限にあるかと思いますが、参考にしていただければ幸いです。


 

以上がご質問への回答になりますが、それとは別に、少しお伝えしたいことがあります。

>ちなみに、父親の浮気疑惑が発端で私が成人するくらいに離婚しておりますが、その離婚も母親が悪いと思ってしまいます。

ご相談文の中の、この一文。

ここだけが、少しほかの部分と、違う雰囲気が感じられます。

お母さんと、お父さんが離婚されたこと。

どちらが悪いのかは、当事者であるお二方にしか分からないことだと思いますし、どちらが悪いということもないのかもしれません。

カニクリームコロッケさんは、そのことに対して、「母親が悪いと思ってしまいます」と書かれておられます。

「思ってしまいます」という表現の裏は、「ほんとうはそう思いたくないのだけれど」というニュアンスがあるように、私には感じられます。

 

カニクリームコロッケさん。

カニクリームコロッケさんは、お母さんを悪者にしたくはないのではありませんか。

ネガティブな発言ばかりの、お母さん。
なんでもディスる、お母さん。
空気が読めない、お母さん。
女子力が低い、お母さん。
向上心がなく、家事や子育ての能力が低くダメな母親の、お母さん。
ポンコツで期待に応えてくれない、お母さん。

カニクリームコロッケさんは、そんなお母さんを救いたかった、ということはありませんでしょうか。

「お母さん」

「お母さんを、救えなくて、ごめんなさい」

「お母さんを、笑顔にしてあげられなくて、ごめんなさい」

これらの言葉を聞いて、どんな感じがしますでしょうか。

口に出すことに、抵抗はありますでしょうか。

人は、愛を与えてもらえなかったときに傷つくのではありません。

愛を、受け取ってもらえなかったときに傷つくのでもありません。

ほんとうのところ、人が最も傷つくのは、自分が愛を与えられなかったときです。

もしかしたら、カニクリームコロッケさんは、いつしかご自身の愛をお母様に差し向けることができなくなったこと、そのことに深く傷ついていらっしゃるのかもしれません。

 

けれど、どうか、安心してください。

カニクリームコロッケさんは、ずっとお母さんとの関係に葛藤されながら、我が子とともに、お母さんのそばを離れなかった。

思い悩んで葛藤して、ここにご相談文をお送りいただくほど、お母さんのことをずっと考えてこられた。

それは、深く、大きな愛ではないでしょうか。

きっと、お母さんは、もう十分にカニクリームコロッケさんから、その愛を受け取っているように思います。

いえ、それよりも、何よりも。

カニクリームコロッケさんが、生まれてきてくれたこと。

それだけで、カニクリームコロッケさんに感謝していらっしゃるのではないでしょうか。

それは、カニクリームコロッケさんが、お子様に対して感じておられることと、同じかもしれません。

カニクリームコロッケは、たくさん葛藤しながら、たくさんお母様を愛してこられたのですね。

どうか、そのことだけでも、誇っていただければと思います。

 

カニクリームコロッケさんのこれからを、心より応援しております。

このたびは、ご相談ありがとうございました。

文筆家・心理カウンセラー
大嵜 直人

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