自分の周りに、イヤな人ばかりが集まってくると感じるとき。
その「場所」と「投影」という、2つの視点からのアプローチをご紹介します。
1.「投影」の視点から得られるヒント
先日の記事では、「投影」の視点から見る、自分と向き合うためのヒント、というテーマでお伝えしました。
「投影」を、自分と向き合うためのヒントにする視点とは。 - 大嵜直人のブログ
このブログでも、何度も扱っている「投影」の心理。
私たちは、自分の心のなかにある感情や過去の経験、あるいは価値観や観念などを、外の世界に投影します。
悲しい気分のときは、青空を見ても、もの悲しく見えてしまったり、
あるいは、しつけが厳しかった父親との関係を、いまの上司に映し出したりします。
たとえるならば、気づかずに色眼鏡をかけて、生活しているようなものといえるでしょうか。
そうした自分がかけている色眼鏡に気づくことを、「投影を取り戻す」と呼んだりします。
この「投影」の視点は、自分の周りの人やできごとから、自分を深く知るヒントを与えてくれるというのが、先日のテーマでした。
目に映るできごとや、自分の周りの人は、自分の心の写し絵といえます。
人に媚びてばかりの、イヤな奴ばかりが、自分の周りに現れるとしたら、自分の中にもまた、そのように人に媚びる自分がいるわけです。
周りに全く合わせる気の無い、イヤな人が現れるとしたら、自分のなかにもまた、そうしたマイペースな自分がいるわけです。
今日はその続きというか、自分の周りにイヤな人ばかりが集まってくる!と感じたときに、それをどうとらえるかという視点について、2つのアプローチをお伝えしてみたいと思います。
2.「いまの」自分に合った場所を探すアプローチ
どうして、私の周りにはイヤな人ばかりが集まってくるのか。
一つ目の捉えかたとしては、そもそもその場が、「いまの」自分に合っていない、というパターンです。
この「いまの」というのがポイントです。
そもそも、自分の居場所というか、自分のいる場所というのは、ある日いきなり現れたわけでもなく、自分自身の選択(とその積み重ね)の結果といえます。
いわば、それまでの自分にとっては、居心地がよくて、都合がよかったんです。
それが、なぜか居心地が悪く感じられたり、なぜかイヤな人が現れたりするようなことが続くならば…
それは、その場が自分に合わなくなった、と解釈することができます。
自分が成長したのかもしれませんし、いいと感じるものが変わってきたのかもしれません。
ただ、「いまの」自分には合わない、ということなのでしょう。
ヤドカリのたとえ、というものがありますが、ヤドカリは自分の身体が大きくなると、そのすみかである殻を変えていきます。
ヤドカリのように、「いまの」自分にフィットする場を探してみるのは、一つの解消法です。
いきなり、自分の場所をぜーんぶ変える必要はありません。
少しずつで、いいんです。
「いまの自分に合う場所とは?」という視点でいろんな場所を見てみたり、
あるいは、新しい場所に顔を出してみたり。
そういったことから、はじめてみてはいかがでしょうか。
場所を変えてみる、というのが一つの目のアプローチです。
3.イヤな人たちを愛するアプローチ
もう一つのアプローチは、ちょっとハードモードです笑
「イヤな人たちが集まってくる」という現象をもとに、自分の心の内面と向き合う方法です。
私たちには、誰にとっても、嫌っている自分があります。
「人に媚びてはいけない」と教えられて育ったり、周りのペースに合わせなくて嫌われた、という経験から、そうした自分を嫌うようになります。
しかし、それは「嫌っている」というだけで、その自分がなくなることはありません。
自分のなかの奥底に押し込められて、決して出ないように抑圧するわけですね。
けれど、繰り返しになりますが、その自分が消えてなくなるわけではありません。
そうすると、どうなるか。
それを、周りの人に「投影」して映し出すわけです。
誰かに媚びてばかりの人。
まったくこちらに合わせようとせず、マイペースな人。
そうした人ばかりが、目に付くようになるわけです。
イヤですよねぇ…わざわざ嫌っている自分を見るなんて…
その「イヤだ」と感じる分だけ、それまで強く抑圧してきたんです。
でも、その嫌っている自分からすると、「ここにいるよ」「ちゃんとこっちを見てよ」と、切実に訴えかけているのかもしれません。
そう考えると、ちょっと切なかったりもしますよね。
もし、私たちがそれを無視したら、もっと強く訴えたくなるのも、分かりますよね。
そうなんです。
そのイヤな人は、自分が「もう一人の自分」として受け入れ、統合するまで、ずっと私たちに訴えかけるのです。
「気づいてよ、これがあなた自身なんだよ」って。
そのようにして見ていくと、必要なのは、その「もう一人の自分」を受け入れ、愛してあげることに他なりません。
「あぁ、あの人もまた、もう一人の自分なんだな」
「自分のなかにも、あんなふうに人に媚びる部分があるし、マイペースでいたい自分もいるんだな」
そのようにして受け入れることができた分だけ、その相手から受ける「イヤな感じ」は減っていきます。
そして何よりも、抑圧していた自分を解放してあげた分、自分が自分であることを強く感じられるようになりますし、自分を肯定したり、自分を愛したりすることを深めることができます。
自分の周りにイヤな人ばかりが集まるとき。
このように「投影」の視点で見ていくと、そのイヤな人は、抑圧して嫌ってきた自分自身を見せてくれているといえます。
抑圧し、嫌ってきた、もう一人の自分。
自分の周りに集まってくるイヤな人たちは、その自分自身をどう愛するか?どう受け入れるか?を問いかけてくれているのかもしれません。
今日は、自分の周りにイヤな人ばかりが集まるときは、というテーマでお伝えしました。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
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