大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

執着を手放すためには、他の選択肢があることを認めることがまず一歩目。

「執着」とは、選択肢を持たない状態を指します。

それゆえ、それ以外に選択肢があることを認めることが、「執着」を手放す一歩目になるのです。

1.望まない現実の見方

先日の記事では、自分を肯定することができると、望まない現実の見方も変わる、というテーマでお伝えしました。

自分を肯定することができると、望まない現実の見方も変わる。 - 大嵜直人のブログ

自分を愛するために、自分の身体を大切にしようというテーマからのつながりでした。

自分の身体をどう扱うかは、自己肯定感や自己愛と深く関係しています。

自分を愛するほどに、自分の身体もまた大切に扱いたくなるのでしょうし、その反対に自己否定が強ければ、自分の身体をぞんざいに扱っても、何とも思わなかったりするのでしょう。

それが強くなれば、身体に悪いお酒の飲み方になったり、自分の身体のSOSを無視したりしてしまうのでしょう。

はい、わるいお酒の飲み方は、よく存じ上げております…あれは、よくないですよねぇ笑

それはともかくとして。

自分の身体を大切にしようと考えたときに、そこに執着があると、大切にできなかったりします。

「わたしのものだから、どう扱おうが、わたしの勝手でしょ」

そんなことを言うのは、自分の身体が自分のものである前提があるからなのでしょう。

それを、自分の身体は、自分だけのものじゃない、という視点を持つことができると、少し変わるものがあります。

「自分が、自分が」というとらわれから、自由になれると表現できるでしょうか。

そうすると、いろんな執着からも自由になれます。

「こうなるべき」「こうならないといけない」といったように、自分本位の見方ではなく、もし望まない現実が目の前に現れたとしても、それを受け入れられるようになっていきます。

それが、自分を愛する、肯定するという意味なのでしょう。

2.「執着」していると、毎日胸やけ?

さて、今日はその「執着」について、もう少し触れてみたいと思います。

「執着」とは、心理学においては「選択肢が無く、その対象にしがみついている状態」を指します。

日常会話のなかでも使われる言葉ですが、そのニュアンスとほぼほぼ似ているかと思います。

この「選択肢が無い」というのがポイントで、それゆえに苦しみが生まれます。

ランチを「カツ丼」以外の選択肢が無いとしたら、毎日午後は胸やけとの戦いになりそうです笑

うどんも定食もあるなかで、「よし、今日はがっつり食べよう!」と選ぶのならいいのですが、胸やけしてもしょうがないかな、と思えますよね。

でも、「カツ丼」以外に選択肢が無いのはしんどいものですし、それは他のどんなことでも同じです。

私たちは、自分以外の実にさまざまなものに執着します。

仕事、お金、パートナー、コミュニティ、会社…

「お金が無いと幸せになれない」

「この人と一緒じゃないとだめになる」

「この会社以外に、自分を雇ってくれるところなんかない」

…などといったものは、「執着」しているといえるのでしょう。

ちなみに、「執着」は自分だけが勝手にするもので、これがお互いにくっつこうとすると「癒着」と呼ばれたりします。

なので、「執着」は人以外にもしますが、「癒着」は人相手に限定されるのですよね。

それはともかくとして、「執着」していると、選択肢が無いからしんどいというのは、なんとなくイメージがつくかと思います。

3.他の選択肢があることを認める

なぜ「執着」してしまうのかといえば、やはり自己肯定感というものが大きく関わってきます。

自分に自信がないと、「選ぶ」ということができなくなります。

そもそも、「選ぶ」ためには「選択肢」が必要ですよね。当たり前ですが笑

自分を否定していたり、自分を低く見ていたりすると、自分に選択肢を与えることが難しくなります。

「自分には、これくらい」

「これ以上なんて、とんでもない」

とか、一見すると美しい謙遜のように聞こえるかもしれませんが、その実、自分を不当に低く扱っていたりするんですよね。

「グリーン車なんて、自分にはぜいたくすぎる」とかね。

それを選ぶ選択肢がある中で、「今日は自由席でもいいかな」と選ぶのならいいのですが、「自由席じゃなきゃダメ」となるのは、苦しいものです。

だから、「執着」を手放す第一歩は、他の選択肢があることを認めることからはじまります。

もちろん、実際にそれを選ぶのって、すごく心理的な抵抗があって、ハードルが高いものです。

でも、選択肢のなかにそれが「ある」と考えるだけでも、違ってくるものがあります。

グリーン車でもいいし、自由席でもいい。

彼と幸せになってもいいし、別の人とでも幸せになるし、一人でも幸せ。

この会社以外にも、自分を認めてくれるところはある。

そんな風に、他の選択肢があることを認めるだけでも、「執着」は緩んでいるのです。

「執着」の心理は、選択肢がないこと。

だから、他の選択肢があることを認めることが、それを手放す一歩目になるのです。

今日は、執着を手放すためには、他の選択肢があることを認めることがまず一歩目、というテーマでお伝えしました。

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

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