「寂しさ」とは、人間にとってとても原初的な感情であり、それゆえにとても大切な感情の一つです。
誰のなかにもある「寂しさ」を認めることは、人としてつながりの中で生きていくために、とても大切なことです。
1.不足感と寂しさの心理
先日の記事では、不足感は「寂しさ」からやってくる、というテーマでお伝えしました。
不足感は、胸のうちの寂しさを外に映し出している。 - 大嵜直人のブログ
「〇〇があれば」という感覚。
あるいは、「〇〇が足りない」という感じ。
そのような感じを「不足感」と呼んだりします。
この「不足感」があると、その「〇〇」がどれだけあったとしても、「足りない」と感じるものです。
パートナーがいるのに、愛が足りないと感じたり。
お金があっても、全然足りないと感じたり。
こうした「不足感」は、自分のなかにぽっかりと穴が空いているような、そんな感覚だったりもします。
これが、「寂しさ」という感情と関係しているというのが、昨日のテーマでした。
心のなかに「寂しさ」があると、どこか満ち足りない、もの足りない感じがして、何をしていても、何があっても不足感を感じてしまいます。
人は、この「寂しさ」がとても嫌いです。
だから、自分のなかの「寂しさ」を直視するかわりに、外の世界に目を向けることで、それをまぎらわそうとするわけですね。
でも、たとえ外に何を見たとしても、自分のなかの「寂しさ」が癒えることはありません。
友だちが100人いても、どれだけ素敵なパートナーがいたとしても、です。
自分のなかの「寂しさ」。
それは、自分が自分とつながることで、自分の声を聞くことで、自分が自分とともにいることでしか、癒せないものです。
先日の記事では、そんなテーマをお伝えしました。
2.寂しさは人を狂わせる
今日は、もう少しこの「寂しさ」を掘り下げてみたいと思います。
たかが「寂しさ」じゃないか、と思われるかもしれません。
でも、「寂しさ」を舐めちゃあ、いけません。
昨日も書きましたが、「寂しさは人を狂わせる」という言葉があるくらいですから。
その「寂しさ」ゆえに、人は刺激物に狂ったりもするわけです。
アルコールやギャンブル、不倫といった刺激物はメジャーですが、薬物もそうですし、時に身体を壊すようなハードワークもそれに当てはまります。
逆説的かもしれませんが、「寂しさ」を問題にできる人は、まだいいんですよね。
「寂しいなぁ、この寂しさを、なんとかしたいなぁ」と、感じられる人ですね。
そういう人は、まだ自分が「寂しさ」を抱えていると、わかっているわけですから。
「寂しいなんて、よくわからない」
「自分とは、関係のない話だ」
…などと感じる人は、要注意です。
かくいう私も、その要注意の人でした。
「寂しさ」ってなに?状態といいますか…
そんなもの、感じている暇がないくらい、こっちは忙しいんだ、みたいな笑
でも、逆なんですよね。
「寂しさ」を感じたくないから、忙しくしているだけなんです。
寂しくないわけが、ないんですよね。
「寂しさ」は、私たち人間にとって、最も原初的な感情とも言われます。
母親の胎内から、外界に出た瞬間に感じるものだと言われたりもします。
それくらい、人にとって根源的な感情であり、大切な感情なんですよね。
「寂しさ」ゆえに、私たちは誰かとつながりを求めることができます。
「寂しさ」ゆえに、私たちは孤独であることを知り、そして自分と出逢うことができるのです。
「寂しさ」とは、私たちにとって、とても大切な感情です。
3.「寂しい」と認めることから始めよう
そうした「寂しさ」を無視したり、抑圧したりしていると、ロクなことにならないんですよね。
「寂しさ」から目をそらすために、別の刺激が必要になる。
あるいは、「寂しさ」がわからないがゆえに、つながりを求めることもできなくなる。
「寂しさ」を感じることは、私たち人間にとってとても大切なことです。
さて。
あなたはいま、ちゃんと「寂しい」と言えますでしょうか。
以前の私なんかは、文字通りに「言えなかった」んですよね。
「寂しいです」
その一言を言ってしまったら、自分のなかのすべてが崩れてしまうようで。
まあ、それくらい「寂しい」という感情を、なかったことにしていたともいえるのでしょう。
「寂しい」と感じることは、何も恥ずかしいことでも、悪いことでもありません。
むしろ、それは私たちが生きている証拠であり、脈拍や血圧なんかと、同じくらいに自然なことです。
「寂しい」
そう自分に言えるようになると、自然と誰かにも伝えられるようにもなります。
「寂しい」と認めること。
それは、私たちが人として、つながりを持って生きていくのに、とても大切なことです。
私は、そうした「寂しさ」を吐き出せるような、カウンセリングの場をつくっていきたいと思っています。
今日は、ちゃんと「寂しい」と言えますか、というテーマでお伝えしました。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
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