私たちには、自分の意志で生きていく力と、自分の意志とは関係なく生かされている力があります。
感謝することとは、その生かされている力に想いを寄せることです。
1.感謝にいたるプロセス
ここのことろ、「手放し」や「許し」のプロセスであらわれる、感謝についてのテーマをお伝えしています。
そのなかで先日の記事では、カウンセリングの効用についてお伝えしました。
カウンセリングを受けると感情が解放され、それゆえに感謝しやすくなる。 - 大嵜直人のブログ
カウンセリングを受けることの効用の一つに、感情が解放されることがあります。
感謝がすばらしいのは、誰もがなんとなく分かっていることだと思いますが、なかなか感謝できないときもありますよね。
そういった感謝できないとき、私たちの心はいっぱいいっぱいで、余裕がない状態のことが多いものです。
感謝とは、自分以外の何がしかに想いを寄せることですが、自分のことで手一杯になってしまっていると、それ以外のことが見えなくなってしまいます。
自分のなかに、何がしかの感じたくない感情や、抑圧している感情があると、それを抑えつけることで精一杯になります。
そんなときに、「感謝したほうがいい」と思っても、なかなかそうはできないものですよね。
そんなときは、まず自分の感情を解放して、心に余裕をつくることが先決になります。
カウンセリングは、そうした感情を解放する効用があります。
カウンセリングを受けると、感情が抜けて、いろんなことに想いを寄せたり、結果的に感謝にいたりやすくなります。
私も、カウンセリングを受けた帰り道は、ぼんやりとして、いろんなことがやさしい視点で見やすくなります。
2.生きていく力と、生かされている力
さて、話を「感謝」に戻します。
先ほど、「感謝」とは、自分以外の何がしかに想いを寄せること、と書きました。
その何がしかとは、自分が何も意図していないことというのが、一つのポイントかもしれません。
とかく、私たちは自分の力で生きている、という意識を持ちがちです。
それは、自立的な人ほど、そういえると思います。
自分の足で地に立ち、自分の力で何かをつくっていく。
もちろんそれは間違いではありませんし、そうできるようになれた自分自身のがんばりがあってこそです。
しかし、この自分の生きていく力というのは、言ってみればものごとの半分でしかありません。
それはある意味で、心の世界で自立だけでは不完全なことと似ています。
自分自身の力、生きていく力。
それと同じように、私たちを生かそうとしてくれる力があります。
考えてみれば、人は自分の意志で、この世に生を享けるわけではありません。
生まれてからも、自分の意志で心臓を動かしたり、あるいは肺を動かしたりしているわけでもありません。
それらは、私自身の意志とは無関係に、私を生かそうとしてくれています。
うれしいときも、悲しいときも。
喜びのなかにいるときも、絶望に打ちひしがれるときも。
私たちの心臓は、鼓動を打つことをやめませんし、血のめぐりが止まることもありません。
それは、私を生かそうとしてくれている力です。
考えてみれば、ものすごく健気なことのように思えるのですが、いかがでしょうか。
3.感謝とは、生かされていることに想いを寄せること
「感謝」とは、究極的には、自分が生かされていることに気づき、想いを寄せることと言えるように思うのです。
生かされている力。
それは、神さまや仏さま、あるいは天の意思とか、そういったものといえるかもしれません。
あるいは、いまこの瞬間を生きる自分まで紡がれてきた、自分自身のルーツや血といったものといっても、同じことなのでしょう。
ちょうど、いまはお盆の時期ですから、そうしたことに想いを寄せやすい時期でもありますよね。
生きていく力と、生かされている力。
もちろん、今日までの自分のがんばりを卑下したりすることは、まったく必要ありません。
その上で、それと同じくらいに、生かされている力もまた、大きいものです。
その生かされている力に想いを寄せてみると、少し「感謝」しやすくなります。
ご参考になりましたら、幸いです。
今日は、感謝することとは、生かされている力に想いを寄せること、というテーマでお伝えしました。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
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