いらっしゃいませ、ようこそお越しくださいました。
今日はいつもと違うことをするといろんな恩恵がある、というお話です。
相変わらず運転がニガテな私の笑える仕事っぷりに寄せて。
客先とのアポイントは11時からだった。
同僚の車に乗っけてもらって同行するつもりでいたが、同僚はその後午後に別の客先との打ち合わせが入り、戻らなくてはいけない私の予定と合わなくなった。
運転がニガテで地図が読めないケのある私のこと、いつもは極力自分で運転はしないようにしていたのだが、今日はなんとなく「じゃあ別の車で行くわ」と言っていた。
しかし、ここで問題が発生する。
空いている車は、ナビがない車だった。
客先までのルートが曖昧な私にとって「ナビ神」が搭載されていない車は、もはや車ではない。
大根のないおでん、梅肉のない鱧湯引き、薬味のないカツオのたたきのようなものだ。
「ごめん、地図読めないから、ナビないと行けないんだわ。」
だいぶ恥ずかしいが、事実だから仕方ない。
すると、同僚が別の同僚の車と交換して準備してくれた。
仕事のできる神だな、と思いながらキーを持っていそいそと出かけていく私。
意気揚々と車に乗り込み、鍵穴に差さない「キーレスエントリーシステム」とやらに驚きつつも、何とかエンジンをかける。
さて「ナビ神」に客先を入力しよう。
それにしてもこの「ナビ神」、今どきタッチパネルでもない古風な神さまだな。
名称・・・登録なし。
電話番号・・・登録なし。
イヤな予感がよぎる。
住所。市の名前が見つからない。
市町村合併。
うん、そういえば、そんなイベントもあったよね。
遠い目になりながら、旧市名が何だったか、「ナビ神」をぐりぐりしながら探す。
これか?いや、違う、わかんない。どれ?
このとき、10時5分過ぎ。
だいたい1時間くらいと聞いていたため、さすがに焦りだす。
落ち着いて、落ち着いて。
深呼吸、深呼吸。
何がイヤなの?何が最悪なの?
最悪のなのは、アポに間に合わないこと。
ほんとに?それってだいぶネタにならない?
客先にナビがなくてたどり着けない男。それが私です笑。って。
お客さんか上司にめちゃめちゃ怒られるかな。
それとも同僚に笑われるかな。
まあしゃあないよね、それが私ですから。
そう思うと、そんな最悪でもないな、と思えてきた。
とりあえず同僚に電話。
ごめん、ナビが古すぎてセットできんわ。
多分遅れる。
笑いながらまだ出かけていなかった同僚がやってきて、近くのランドマークをセットしてみる。
しかし古すぎる「ナビ神」のこと、示されたルートは高速道路がまだできる前のルート。
全て下道、確実に1時間ではたどり着かない。
こりゃ、無理っすね。
先運転するんで、ついてきてください。
そうか、その手があったか。
「ナビ神」はあなたでしたか!
しかし、ついていけるのか、運転ニガテの私?
そんな疑問を抱く暇もなく、有無を言わさず出発する同僚。
そうして私は東名高速をハンドル握りしめ、同僚のワンボックスを追っかけるというレアな旅路に出たのでした。
気分はガチで銭形のとっつぁん。
ルパーン、逮捕する―!!!!!
そんなこんなで10時55分に客先へたどり着いた私。
同僚には感謝しかない。
さて無事に打合せも終わった帰り道、高速道路の入り口を見間違えて2回ほどUターンするという荒業もありつつ、何とか帰還することができた。
気分はガチで映画「アポロ13」。
英雄の帰還。
そんなことんなで、いつもはやらないことをやった恩恵は銭形のとっつぁんとアポロ13の操縦士の気分と、そして道すがらの満開のコレと、恩恵たっぷりだった。
大丈夫だから。
失敗しても、きっと大丈夫だから。
いつもはやらないこと、やっちゃえ。
いつもの反対のこと、やっちゃえ。
その積み重ねが人生に彩りを与えてくれる。
・・・書いてて恥ずかしい私の運転ネタですが、いかがでしたでしょうか。
いつもと違うことするドキドキと恩恵がお楽しみ頂けましたら、幸いです。
今日もお越し頂き、ありがとうございました。
どうぞ、ごゆっくりお過ごしください。