大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

感情を感じることと、そこからどんな行動を選ぶのかは、まったく別のもの。

感情は、ただそのままに流れのままにしてあげるほかありません。

けれども、そこからどんな行動を選ぶのかは、別のお話なんです。

1.自分を表現することは「ワガママ」ではない

先日の記事では、自分の感じていることを表現することは「ワガママ」ではない、というテーマでお伝えしました。

自分の感じていることを表現することは、ワガママではない。 - 大嵜直人のブログ

もとは「手放し」というテーマからのつながりでした。

執着を手放すためには、その相手や対象との関係が対等であることが、とても大切なことになります。

自分を卑下してしまったり、相手を見下してしまったりしていては、なかなか対等な関係性は築けないものです。

だから、対等性が大事。

そして、対等性を築いていくためには、まずは自分を尊重するのが鉄則です。

相手との関係性をどうこうしようとするのではなく、まず自分を丁寧に扱う。

それができていくと、「自分を尊重する」という視点を、周りに投影していくことができるので、相手のことも尊重できるし、結果として対等な関係性を築いていくことがでいるのです。

じゃあ、自分を尊重するって、どんなことなんだろう?と考えたときに、2つの点をご紹介しました。

それが、「自分の感情を感じてあげること」、そして「その感情を表現してあげること」の2点です。

自分が感じていることを大切にすることと、その感じたことを自分の内に溜め込まず、外に表現すること、という2つです。

ただ、他人のことを気遣える人、自分を抑圧しがちな人ほど、この「自分の感情を表現すること」というのが苦手です。

苦手というか、「表現することはワガママなんじゃないか」という感覚があって、なかなか外に出せないことが多いんですよね。

しかし、自分の感情を表現することは、決してわがままなことではありません。

それをニーズとして相手にぶつけてしまうと、わがままになってしまうかもしれませんが、そうならない形で表現する方法を覚えていくのが、自分を大切にするプロセスなのでしょう。

書くこと、話すこと、歌うこと、身体を動かすこと…いろんな形の「表現」があります。

自分に合った方法を探すものまた、自分を尊重することの一部といえるのでしょう。

先日の記事では、そんなテーマをお伝えしました。

2.感情を感じることと、行動は別のもの

今日は、引き続きこの「感情を表現するとワガママになってしまう怖れ」について、もう少し深堀していきたいと思います。

めっちゃニッチなテーマですね笑

でも、似たような感覚を持ってらっしゃる方は、多いんじゃないかと思うのです。

もちろん、感情を表現することで、ワガママになってしまうケースもあります。

先ほども書きましたが、相手にそれをニーズとしてぶつけてしまうことなんかが、それにあたりますよね。

じゃあ、そこに何が違うの?というと、「感情」と「行動」の関係なんです。

小さな子どもにとって、「感情」と「行動」は同じものです。

おもちゃが買ってもらえないから、かんしゃくを起こす。

お腹が空いたから、泣き叫ぶ。

…などといった具合に。

「行動」が「感情」に飲みこまれる、とでも表現できるでしょうか。

したいからする、したくないからしない、といったように、とてもシンプルです。

でも、それは赤ちゃんや小さな子どもにとってはOKでも、社会性を身に着けていくうちに、それをしないようになっていきますよね。

これを大人がすると、「わがまま」になってしまうんです。

「じゃあ、やっぱりガマンしないとダメなんだ」と思うと、私たちは「行動」も「感情」も我慢してしまいがちになります。

そうじゃないんですよね。

「自分を尊重する」とは、こうした「感情はコントロールできないけれど、行動はコントロールできる」という区分けをした上で、その感情を丁寧に扱ってあげることなんです。

それは、子どもにはできないことですよね。

さまざまな痛みや悲しみ、あるいは喜びや誰かと心を通い合わせた経験が、そうさせてくれるものです。

感情を感じることと、行動は別のものなんですよね。

3.流れに身を任せるイメージ

自分の感じている感情を抑えると、ロクなことがないのは、このブログでもいつも書いていることです。

じゃあ、感情に身を任せればいいのかというと、そうでもないんですよね。

むしろ、身を任せるのは「流れ」に対してです。

流れに、身を任せるイメージ。

それは、何もせずに感情に流されることとは、違うものです。

「いま」自分が感じている気持ちを否定せずに受け入れ、その上で、それを無理にコントロールせずに、ただそのままに、あるがままにしておくことを指します。

好きなものは、好きでいい。

悲しいのであれば、悲しみに暮れる。

嬉しいのであれば、全身打ち震えるくらいの嬉しさを感じる。

悔しいのであれば、思い切り悔しさを味わう。

そこに正誤善悪の判断を入れたりせず、またはその感情を無理に抑圧したりすることはないんです。

ただ、そうした感情を感じたうえで、どんな行動を選ぶのかは、別なんですよね。

それが成熟するということであり、また自分を尊重するということでもあります。

それは、単に感情に身を任せるのとは、まったく異なるものです。

自分の中から湧き上がってくる感情は、止めようがないもの。

だから、それをどうこうしようとせず、ただその感情を止めることなく、流れのままにしてあげる。

その上で、自分が思うベストな行動を選んでいく。

そのプロセスが、自分を尊重するということなのでしょう。

今日は、感情を感じることと、行動は別のもの、というテーマでお伝えしました。

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

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