日中の暑さはまだまだ厳しいですが、それでも朝晩は、少しだけ暑さが緩む日が増えてきたようです。
ええ、「少しだけ」ですが笑
気づけば、8月も下旬。
時候では「処暑」、暑さむ止むとされるころ。
厳しい暑さのピークを過ぎ、秋の虫の音が聞こえ始めるころです。
そういえば、今朝はいつもの川沿いで鈴虫が鳴いていました。
その涼やかな声が聞こえると、秋の訪れを強く感じるものです。
いろいろな作物の実りの季節になりますが、同時に台風の季節でもあります。
雨水を運んでくれるのはありがたいですが、あまり大きな台風が来ませんよう。
七十二候では、「綿柎開(わたのはなしべひらく)」。
綿の花しべが開き、ふわふわとした綿毛が見えてくるころとされます。
夏から秋への季節の変化というのは、どうも私たちに内省を促すようです。
これが、春から夏への変化は、日々気温が上がっていき、生命が満ちあふれ、外に外に意識が向くんですけれどね。
旅行やイベントといった、お出かけの計画を立てたりしたくなりますしね。
気温が上がり、活力が上がり、活動的になるのが、夏への変化だとすれば。
その逆に、落ち着いていく、平静な状態に戻るといったのが、夏を過ぎていく変化なのかもしれません。
気温が上がることを、お湯を沸かすことにたとえてみると、それはそうですよね。
お鍋にいれた水を沸かすとき、コンロの火をつけて、がーっと熱を加えるのと、
ぶくぶくと沸騰した鍋のお湯を、コンロの火をつけて、静かにしておくことと。
そんな違いに、似ているのかもしれません。
夏から秋へ。
気温の変化もそうなのですが、それにともなって、私たちの身体や心もまた、大きく影響を受けるのでしょう。
もう一月も過ぎれば、秋分を迎え、昼よりも夜の方が短くなっていきます。
陽から陰へ。
もちろん、どちらがいいということもありません。
ただ、この世には、その両方があるということだけなのでしょう。
静かに深まっていく秋。
そんな秋の移ろいを、楽しめる季節に向かっていきます。
それは、エネルギーが発散する騒がしさではなく、静かに落ち着くところへ落ち着いてくような、そんな時期です。
その静かに深まる季節は、内省するにはぴったりの時期でもあります。
夏の騒がしさもいいのですが。
これから静かな秋へと季節は向かっていきます。
ゆっくりと、自分の声を聞く時間を持ってみては、いかがでしょうか。
とはいえ、まだまだ暑い日が続きます。
どうぞ、ご自愛くださいませ。