大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

「許し」へのステップ8 ~許しの最後は、忘却

忘れることは、「許し」のプロセスの一つの到達点です。

それが気にならなくなっている自分は、日々何をしているのか、そんなことイメージしてみるのも、「許し」のプロセスを進めるには有効です。

1.「軽さ」は罪悪感を寄せ付けない

昨日の記事では、「軽さ」は罪悪感を祓う、というテーマでお伝えしました。

「許し」へのステップ7 ~軽さが罪悪感を祓う - 大嵜直人のブログ

「許し」についてのテーマを続けております。

「許し」とは、相手やできごとを100%主体的に受け入れることを指します。

その大きな恩恵の一つに、罪悪感から自分を解放できることがあります。

罪悪感とは、罪の意識であり、自分は悪い人間だととらえる意識であり、それゆえに自分を罪人のように扱い、幸せから遠ざけるような選択や行動をとってしまいます。

こうした罪悪感を持つ原因には、さまざまなものがありますが、その一つに「相手を責める、攻撃する」というものがあります。

誰かを責めたりすると、私たちは罪悪感を抱きます。

たとえそれが、どれだけ正当な理由であったとしても、です。

法的に、感情的に、常識的に、どれだけ自分が正しかったとしても、相手を責めることで生まれる罪悪感からは、逃れられません。

だからこそ「許し」が必要なのであり、許すことによって、私たちは相手を責める罪悪感から解放されることができるのです。

さて、罪悪感が解放されると、「軽さ」として現れてくるものです。

罪悪感自体が「重さ」の象徴でもあるので、そこから解放されると「軽さ」が出てくるのは当たり前と言えば、当たり前なのかもしれません。

逆にいえば、軽やかでいることは、罪悪感を寄せ付けないものです。

昨日の記事では、そんな「軽さ」についてお伝えしました。

2.イメージを持つことの大切さ

こうした「軽さ」ですが、「許し」が進むと出てくるものでもありますが、逆にいえば「軽さ」をイメージすることで「許し」が進んでいくものです。

「許せた自分」をイメージすることで、実際に「許し」が進んでいく、といいますか。

スポーツのイメージトレーニングでも、「それができたときの自分」をイメージしたりしますよね。

逆上がりができた自分、とかね笑

先ほどの「軽さ」でいえば、軽やかでいられる自分をイメージすることで、「許し」のプロセスが進んだりもします。

イメージを持つことって、大切なんですよね。

ポジティブな意味では、「なりたい自分を具体的にイメージする」ということになりますよね。

その逆に、たとえ自分が何かの問題で悩み苦しんでいたとしても、

「この問題を解決できる自分は、どんな自分だろう?」

「この問題を解決したとき、どんな新しい自分に出会えるのだろう?」

と、そのネガティブな問題の先にある恩恵をイメージすることは、問題に悩む自分を照らす光になります。

人は、想像力の生きものである、といわれます。

時にイメージの力を借りるのも、「許し」のプロセスのなかでは有効なことです。

3.「許し」の最後は、忘れること

では、「許し」のプロセスが進むと、どんな自分になれるのでしょうか。

罪悪感が薄まることによって、軽やかさが出てくることは、先に書きました。

それ以外にも、「許し」のプロセスが進んだときのイメージがあります。

それが、「忘却」です。

忘れること。

あるいは、気にならなくなること。

それが、「許し」の一つの到達点といえます。

許せていないとき、私たちはそのことばかりを考えてしまいます。

「絶対に、あんなことをされたことを許せない」

「どうして、こんな理不尽なことが、自分の身に起こるのか」

24時間のなかで、そうしたことを考える時間が大半を占めてしまったりもします。

けれど、「許し」が進むほどに、そうした時間が短くなっていくんですよね。

「あ、そういえば、そんなこともあったな」

くらいに、それを忘れている時間の方が多くなっていきます。

気にならなくなる、忘れてしまっている。

それが、「許し」の一つの到達点といえます。

 

もし、あなたが何か「許せない」と感じることがあるようでしたら。

それが、気にならなくなる自分、あるいは、忘れてしまっている自分は、どんな自分なのかをイメージしてみることは、「許し」のプロセスを進めてくれるものです。

そのとき、あなたは何を考え、何に惹かれ、どんなことをしているのでしょうね。

それを想像してみては、いかがでしょうか。

今日は、「許し」の最後は忘却、というテーマでお伝えしました。

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

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