心理学を、他人を変えるために使おうとしても、うまくいきません。
しかし、自分と向き合うために使うと、それは黄金の輝きを放つのです。
1.嫌なヤツは、小さな子供にたとえてみる?
昨日の記事では、「シャドウ」との向き合い方、受け入れ方、というテーマでお伝えしました。
「シャドウ」との向き合い方、受け入れ方のヒント。 - 大嵜直人のブログ
「シャドウ」とは、平たく言えば「大っ嫌いなアイツ」です。
嫌悪感を強く感じ、「あんな風にはなりたくない」と心に誓い、一緒にいるだけで虫唾が走るような、そんな存在。
それを、「シャドウ」と呼びます。
その意味はもちろん「影」なのですが、「影」は本体を映し出した姿なわけです。
よくできているなぁと思うのですが、この「シャドウ」とは、自分自身のもう一つの姿であり、またそのようには生きられなかった、もう一人の私自身なんです。
それゆえ、「シャドウ」を受け入れていくことは、抑圧してしまった自分自身を統合することであり、また新たな自分に出会うことのできるチャンスでもあります。
昨日の記事では、こうした「シャドウ」の受け入れ方のヒントとして、「子どもに見立ててみる」という方法をご紹介しました。
その要素を色濃く持った、4、5歳くらいの子ども。
その子どもを、あやしてみたり、一緒に遊んだりするイメージでしょうか。
そうしているうちに、「シャドウ」に対する嫌悪感が緩んでいったりするものです。
2.自分の感じていることにフォーカスする習慣
「シャドウ」の心理は、実にいろんなことを私たちに教えてくれます。
イヤな人が自分の周りにいると、私たちはどうしてもその相手にフォーカスしてしまいがちです。
「なんで、こんな振る舞いができるんだ」とか考えて、イライラしたり。
あるいは、その人のいないところでも、その人のことを考えてしまったり。
これ、結構なエネルギーを取られますよね。
そして、その相手のことばかり考えても、あまりその状況を変えることはできません。
相手は変わらないですし、疲れがたまっていくばかりです。
けれども、これを「その人を嫌いと感じている自分」に目線を向けることができると、話はちがってきます。
嫌い、と感じる自分に共感し、いたわることもできます。
あるいは、なぜ、そんなにもイヤだと感じるのか、どういった部分に嫌悪感を覚えるのか、自分の内面と向き合い、深堀りしていくことができます。
3.心の学びが、黄金の輝きを放つとき
私が心理学に触れ始めたとき、とても腑に落ちた言葉があります。
「心理学を学ぶと、どうしてもその学びを他人に向けてしまいたくなる。けれども、それはあまり意味がないんです」
「心理学の学びは、それを自分の心と向き合うために使うとき、黄金の輝きを放つんです」
なるほどな、と。
どうしても、心理学の知識を得ると、それを他人に向けたくなります。
相手を分析しようとしたり。
相手をコントロールしようとしたり。
相手を変えようとしたり。
はい、私もそうでした笑
思い当たる節が、ありありです。
けれど、そうした試みがうまくいかないのは、ご想像の通りです。
そうではなくて、その学びを、自分自身に向けることができると、ずいぶんと違った風景が見えてきます。
抑圧してきた自分自身に気づくこともあれば、隠してきた傷に気づくこともあれば、自分を愛するというチャレンジに向かうこともあるのでしょう。
それは自分自身を癒す、ということなのですが、癒されていくと私たちはそれを外の世界に投影します。
その結果、いやな人が気にならなくなったりもするのでしょう。
心の学びは、他人に向けるのではなく、自分自身に向けるもの。
いつでも心に留めておきたいものです。
今日は、心の学びが、黄金の輝きを放つとき、というテーマでお伝えしました。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
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