いらっしゃいませ、ようこそお越しくださいました。
もうだいぶ時間が経ってしまいましたが、先日家族で千葉県の夢の国を訪れましたので、その訪問記を。
千葉県の夢の国というと、JR京葉線の「舞浜駅」からすぐ近くのお城やジェットコースターがたくさんある夢の国と、武蔵野線の「西船橋駅」から少し歩いたところにあるお馬さんがたくさん走る夢の国があります。
後者は中山競馬場ですね。
学生時代によく行きました。
そちらの国も夢がたくさんなのですが、今回は前者のディズニーリゾートに行くことになりました。
さて、行くことを決めてからいろいろ調べました。
園内の効率的な周り方や、各々のアトラクションの予想待ち時間、あるいは年間パスを持っている熱心なファンの友人にモデルルートを組んでもらったり。
そうしたことも初めのうちは、
「せっかく遠くまで行くのだから、最大限にその時間を楽しみたい、家族に楽しんでもらいたい」
という想いで動いていました。
けれど時間が経ち当日が近づくうちに、そんな当初の想いは
「遠くまで行くのだから、その時間を楽しまないといけない、家族に楽しんでもらわないといけない」
というイヤなネバネバした感じの義務や犠牲に変わっていきます。
そして、
そのためには全てを自分のコントロール下に置いておきたい。
いや、置かねばならぬ。
という訳の分からない私のコントロール癖がムクムクと顔をもたげます。
ええ、自立し過ぎて孤立していた時代の私の癖、ですね。
そうした義務や犠牲というのは、結局のところ、
「もし遠くまで行って、その時間が楽しめなかったらどうしよう、家族が楽しめなかったらどうしよう」
という怖れがつくりだすもの、なのですけれど、
コントロール癖全開の私は、
開園したらまず「モンスターインク」でファストパスを取って、「プーさんのハニーハント」はそのまま並んで、その次は・・・昼食は・・・
と脳内シミュレーションを重ねるわけです。
うーん、効率よく数多くのアトラクションに乗るのもいいけれど、それをガチガチにしてしまうと、あんまり楽しそうじゃないですよね・・・
そのシミュレーションどおりにうまくいかなかったときにガッカリしたり、イライラしたりしそうですし。
絶対に負けられない戦いみたいなプレッシャーと競争を、わざわざお金払って夢の国にやりに行かなくてもいいですよね。
まあ後から振り返ればそんなことも思えるのですが、夢の国を訪れる当日はけっこう負けられない戦いをしようとしてました。
誰もそんなこと望んでないのにね。
そうすると、
おー、忙しそうやなー
ほんで、あんさんは何のためにここに来たんやー?
そんな天からの声が聞こえてきそうな気がするくらい、私の脳内シミュレーションをぶっ壊してくれる出来事が起きてくれるのです。
当日午後の千葉県、大雨注意報。
舞浜駅を降りた途端にぱらぱらと降り始めたのですが、どんどん雨足が強くなっていき、そのうちに土砂降り。
そしてその雨がたたったのか、翌日娘が発熱。
はい、なかなか予定通りにはいかないものです。
ところが、そうまでしてもらって、ようやく私は気づくわけです。
あー、なんだ。
楽しむためにここに来てるんだから、
もう来れただけで大成功じゃないか。
アトラクションにいくつ乗るとか、
効率よく待ち時間を減らすとか、
そんなことは些細なこと。
ただ、起きていることを楽しめばいいんじゃないか、と。
そう考えることができると、周りにはたくさんの楽しみと喜びがありました。
雨に濡れるシーの夜景だったり、
ショーではカッパを着たミッキーたちを見ることができたり、
雨宿りのハンバーガー屋さんは待ち時間なしでショーを見れたし、
ランドの救護室というレアな場所で、娘とウトウト昼寝するという限りなくぜいたくな時間を過ごせましたし、
(ワールドバザーから少し入ったところにあった!)
翌日は快晴でパレードを見ることができましたし・・・
事前にしていた脳内シミュレーションよりも、ずっと楽しい時間を過ごすことができました。
きっと、この人生もディズニーと同じ。
私は、何をするために生まれてきたのかな。
何をするために、ディズニーにきたのかな。きっとそれは同じで、思い切り楽しむため。
もしそうだとしたら、
別にアトラクションに乗れても乗れなくても、
何か欲しいものが有っても無くても、いまこの世界を楽しむことはできる。
脳内シミュレーションも執着もいいけど、
いまこの世界を楽しんでしまおう。
そんな大切な気づきを与えてくれた大雨と娘の発熱に感謝しながら、楽しい時間はあっという間に過ぎていきました。
ちなみに息子殿に、どれが一番面白かった?と聞いたら、「うーん…モノレール!!」と元気に答えてくれました。
うーむ、息子殿よ、それはリゾートラインと言って、アトラクションではないぞ…と思いつつも、何でも楽しむことができることをまた教えられて、私は心地よい疲れとともに帰途に着くのでした。