大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

過去の意味付けを変えていくことは、「癒し」の一部。

過去に起こったできごとや事実は変えられませんが、その意味付けを変えることはできます。

その意味付けをポジティブに変えていくことを、「癒し」と呼んだりもします。

1.未来は変えられないが、過去は変えられる

昨日の記事では、未来は変えられないが、過去は変えられる、というテーマでお伝えしました。

「未来は変えられないが、過去は変えられる」が意味すること。 - 大嵜直人のブログ

自分を受け入れる、許す、愛する。

そうするときに障害になるのが、過去の自分の扱い方です。

過去の自分を否定したり、責めていたりすると、なかなか自分を受け入れ、愛することが難しくなります。

そして、どうしても私たちは「いまの自分」の基準で、過去の自分を判断しようとしてしまうものです。

「あのとき、こうしておけばよかった」という後悔もそうですし、「あんな自分ではダメだった」という価値判断も、そうですよね。

そうした判断をするよりも、過去の自分を「感情的に理解する」ことをおすすめしています。

できごとや結果の価値判断をいったん置いておいて、過去の自分が置かれていた状況や感情にフォーカスする視点です。

それが進むと、「あのときは、こうするほかなかったんだよな」という納得感とともに、その過去の自分を受け入れ、許していくことができるようになります。

言ってみれば、「過去の自分」の意味付けを変えていく、と表現できるでしょうか。

「未来は変えられないが、過去は変えられる」という言葉があったりしますが、まさにそうですよね。

昨日の記事では、そんなテーマをお伝えしました。

2.過去を変えることの意味

昨日のテーマに続いて、今日はその「過去を変える」というテーマを、もう少し深めてみたいと思います。

過去に起こった「できごと」は、変えられません。

この先、タイムマシンが発明されれば別ですが笑

「昨日、雨が降って運動会が中止になった」というできごとは変わらないですし、

「1年前に彼と別れて転居した」というできごとも、変わりません。

変わるのは、そのできごとに対しての「意味付け」であり、「解釈」です。

「あれは人生最悪のできごとだった」という過去の意味付け。

それを、「あれがあったからこそ、いまの自分があるんだ」という意味付けに、変えていくことはできるわけです。

こう書くと、ちょっと難しいような気がしますが、逆を考えてみると、結構わかりやすかったりします。

ほら、誰でも経験あると思うのですが、パートナーと付き合い始めた当初は、「この人と出逢えて、ほんとうに幸せ」と、目がハートになったりするものです。

でも、関係性が長くなっていくほどに、相手のイヤな面、悪い面ばかりが目に付くようになると、「ほんと、なんでこんな人に惹かれたんだろう(怒)!」と、過去の自分をどやしつけたくなったりしますよね笑

過去の意味付けは、変わるんです。

彼と出会って、一緒に過ごしたという事実、できごとは変わらない。

けれども、その意味付けは変えていくことができます。

そしてそれは、誰かに言われて変えるものでもなく、自分自身にしか変えられないのです。

3.「癒し」の意味

さて、こうした意味での「過去を変える」ことは、「癒し」と非常に近いものです。

「癒し」とは、「ものごとの見方、とらえ方がポジティブに変わること」だからです。

「癒し」の一部に、「過去を変える」というプロセスがあるようなイメージでしょうか。

自分と向き合うなかで、過去の自分と、その周りの人たち、できごとと向き合うことは、とても重要なことです。

自分が育った家族との関係。

周りの友だちとの関係性。

恋愛、パートナーシップの遍歴。

自分を癒し、自分を深く愛するためには、そうしたものを一つずつ、意味付けを変えていく必要があるのです。

カウンセリングのなかで、そうした話題が出ることがあるのは、そのためです。

もちろん、すぐにすべてを、「オールOK!」とすることは、難しいかもしれません。

けれども、一つずつ、少しずつ受け入れていくことができると、いまの自分を深く愛することができるようになっていきます。

「あぁ、これでよかったんだ」

「いろいろあったかもしれないけれど、ありがたいな」

過去の自分を受け入れることができるほどに、そう感じる時間が増えていくのです。

今日は、過去の意味付けを変えていくことは、「癒し」の一部、というテーマでお伝えしました。

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

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