大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

何を伝えるかも大事だけれども、どうあるかもすごく大切。

コミュニケーションを考えるとき、どうしても私たちは「何を伝えるか」を重視してしまいがちです。

しかし、「何を伝えるか」も大切なのですが、「どうあるか」もまたそれ以上に大切だったりします。

1.「本音」は、相手を傷つけない

昨日の記事では、「本音」は相手を傷つけない、というテーマでお伝えしました。

「本音」は、相手を傷つけない。 - 大嵜直人のブログ

「言いたいことを、言えない」問題からのお話でした。

思っていることを相手に言えない、伝えられないとき、どうしても後悔しやすくなりますし、言えなかった自分を否定してしまいやすくなります。

そして、自分の感じていることを、相手と共有できない寂しさというか、悲しさも募ります。

誰しも自分のことを理解してもらいたい、共感してもらいたいという欲求は、人の根源的なものですしね。

こうした「言いたいことを言えない」ときの心理を考えていくと、相手の心情を推し量ってしまうケースがあります。

多いのは、「自分の言いたいことを言ってしまうと、相手は傷つくんじゃないか」といったことですよね。

そうしたとき、まずは相手のことを先に考えられる、慮ることができる、という自分の価値を見ることももちろん大切ですが、昨日のテーマでは「ほんとうに伝えたいことは、相手を傷つけない」という視点でした。

これは、表層的な感情(特にネガティブなもの)は、どうしても相手に言いたくなるものですが、本音というか、ほんとうに伝えたいことって、その奥にあるものではないだろうか?という視点ですね。

ネガティブな感情の奥底にある、相手を想う気持ち、あるいは愛情、そういったものが、ここでいう「本音」と呼んでいるものであり、それは決して相手を傷つけることのないものです。

昨日の記事では、そんなテーマをお伝えしました。

2.何を伝えたらいいか、迷うとき

「本音」というテーマのつながりでいえば、カウンセリングでよくお伺いするのが、「何を伝えたらいいのか」というコミュニケーションの問題です。

パートナーシップにおいて顕著なのですが、パートナーに対して

「何を言ったらいいんでしょうか」

「こんなことを言ってしまったのは、よくなかったですかね?」

そういったお話を伺うことがあります。

もちろん、大切な人との関係性をよくしたいと思って、悩まれているわけですから、それはその方にとって、とても大切な問題なわけです。

けれども、難しいのは、こうしたコミュニケーションの問題って、正解がないんですよね。

相手がどう受けとるかは、自分にはまったくコントロールできないものです。

むしろ、コントロールしようとすると、まったくうまくいきません笑

「こうすればうまくいく」というメソッドが、通用しないのがコミュニケーションであり、またパートナーシップでもあるんですよね。

もちろん、成功例はいくらでもあると思います。

パートナーとの倦怠期を乗り越えた人が、どんなことを相手に伝えていたのか。

一度振られたのに、よりを戻すことができた人が、どうやって気持ちを伝えたのか。

それらのできごとから、「こうしたら、うまくいった」という経験則を導くことは、できるのでしょう。

けれども、そうした経験則が、誰にでも当てはまるかといえば、決してそうではないんですよね。

こと、そうした経験則から、相手をコントロールしようとすると、まったくうまくいかないものです。

ほんと、コミュニケーションって、特に関係性が近しい人であればあるほど、難しいものです。

3.何を伝えるかよりも、どうあるか

そうなってくると、じゃあ何を伝えたらいいの?と、迷ってしまうかもしれません。

ただ、コミュニケーションに正解って、ないんですよね。

何をもって正解かの定義も、難しいものです。

関係性を深めていくため、としてみても、そのために葛藤や衝突することも、時には必要になってくるのかもしれません。

何を言ったらいいか、何を伝えたらいいか、ということに正解はありません。

もちろん、ベターな方向性というのは、あるのでしょう。

相手が受けとりやすい表現であったり、タイミングであったり。

そうしたものを考慮して伝える、といったように。

けれども、それ以上に大切なのは、「何を伝えるか」よりも、「(自分が)どうあるか」の方なのかもしれません。

要は、相手に言葉で伝えることって、私たちが伝えていることのほんの一部でしかありません。

それ以外の、普段接している雰囲気だったり、態度だったり、表情だったり…そうした部分から受けとっているものって、ものすごく多いものです。

そうしたものは、「どうあるか」から、にじみ出てくるものだったりします。

言い換えれば、自分を整えるというか、そういったことが、「何を伝えるか」よりも大切なのでしょう。

それは、自分の感情を溜め込むのではなく、ちゃんと安全な場所で感じ尽くしておく。

自分の機嫌を、自分でとっておく。

相手への想いを、もう一度見つめ直しておく。

そうしたことが、「何を伝えるか」と同じくらい、時にそれ以上に、コミュニケーションにおいては大切なことなのでしょう。

今日は、何を伝えるかも大事だけれども、どうあるかもすごく大切、というテーマでお伝えしました。

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

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