大嵜直人のブログ

たいせつな何かをなくした心に、ともしびを。

人生におけるパラドックス10選。

この世はパラドックスに満ちている。

 

目に見えるものの反対こそが、実は真実である場合は多い。

 

今日はそんな人生におけるパラドックスを、選りすぐってみたい。

 

 

1.やる気を出すためには、やりはじめるしかないというパラドックス。

 

やる気を生み出す場所は脳の「側坐核」と呼ばれる場所は、そこに刺激が与えられるとやる気を生み出すといわれる。

ということは、やる気を出すためには「それをやりはじめる」しかないということらしい。

 

行動をするモチベーションを上げるためにするなにがしかには、あまり意味がない。

 

厄介な仕事もやり始めてみると意外と早く終わるように、ほんの少しの一歩を踏み出して始めてしまうことでしか、やる気は生まれない。

 

2.欠点や短所こそ最強の才能、というパラドックス。

 

多くの人が、才能とは人の長所だと考える。

そして、自分の長所を伸ばそうと考える。

 

ところが、多くの場合、自分が長所だと考える点は、周りからするとあまり才能だとは思えないことが多い。

 

実は、最も忌み嫌う自分の短所であり、絶対に修正しないといけないと考えている欠点にこそ、その人の唯一無二の才能を開くキーが隠れている。

 

臆病だと思っている短所は、鉄壁のリスクヘッジができる才かもしんれない。

神経質だと思っている短所は、感受性豊かな才能かもしれない。

マイペースだと思っている短所は、自分の軸がブレないひとかもしれない。

大雑把だと思っている短所は、自然体で周りに親しみを与えるのかもしれない。

寂しがり屋だと思っている短所は、人と人をつなげられるのかもしれない。

 

そんなふうに自分が隠さないといけない、直さないといけないと思っている短所にこそ、自分の天賦の才を開くカギが隠されている。 

 

3.誰かを「許す」ためには、その人を「許していない」自分を許さないといけないというパラドックス。

 

人生で許さなければいけない三銃士。

父親、母親、そして自分。

 

この三銃士の誰かを許していないと、明後日の方向から狙撃される。

父親だと、仕事やお金。

母親だと、人との親密感やパートナーシップ、そして自己価値。

自分は、そのすべて。

 

生きることに閉塞感を感じたり、何らかの問題を引き起こす場合は、その三銃士が関連していることが多い。

その三銃士を「許し」、そして「感謝」に至ることは、自分の人生という航海の帆を上げることに等しい。

 

けれど、これがウルトラS級に難しい。

根雪のように降り積もった感情のしこりが、それを阻害するからだ。

なかなか一朝一夕にはいかないし、その試みは一生続く。

 

その第一歩は、「許していない」自分を許す、ということ。

メタ言語のように、一歩引いた立場から自分を見ること。

 

これができるだけでも、ずいぶんと楽になる。

しゃあないやん、それが自分だもん。

 

 

4.傷つけられた者よりも、傷つけた者こそ癒しが必要、というパラドックス。

 

振り上げた拳や、吐き捨てた言葉、心無い言動が、世の中にはある。

そこで生まれるのは、「傷つけた者」と「傷つけられた者」。

 

「傷つけられた者」はかわいそうで、癒されないといけない。

そう思いがちだが、真実はその逆で、「傷つけた者」こそ癒されるべきなのだ。

 

見ないといけないのは、表層の裏側だ。

 

なぜ拳を振り上げるのか?

なぜ殴ってしまうのか?

なぜ虐待してしまうのか?

なぜ暴言を吐いてしまうのか?

なぜわざわざ心無い態度を取ってしまうのか?

なぜパートナーを傷つけるようなことをしてしまうのか?

なぜ傷つけてしまうのか?

 

よくよく想像してみてほしい。

ある晴れた風の心地よい休みの日の朝から、それをしようとする人がいるだろうか?

待ちきれなくて、心躍りながら、ワクワクの中でそれをしようとする者がいるだろうか?

 

いないはずだ。

 

それをしてしまうのは、傷ついているからに他ならない。

 

そして、誰かを傷つけたということは、罪悪感というこの世で最も恐ろしい刃で自らを責め続けるという苦行を背負う。

 

表面上はまったくそう見えなくても、心の奥底に横たわった罪悪感は、じわじわと、しかし確実にその者の心を蝕んでいく。

 

ほんとうのところ、癒しが必要なのは、

加害者の側であり、

不倫をした方であり、

いじめた方であり、

拳を振り上げた方であり、

モラハラをする方であり、

親の側なのだ。

 

その癒しができるのは、「傷つけられた者」だけである。

 

その真相を無視して、「傷つけられた者」にのみ目を向けることは、加害者と被害者を分け、悲しみの連鎖を招く。

 

被害者は「傷つけられた」と声を上げることで、簡単に加害者、「傷つける者」の立場にすり替わるからだ。

 

悲しみの連鎖は、止められる。

 

それは、「傷つけた者」と「傷つけられた者」という正誤善悪の区別を外すことから始まる。 

 

5.自分がほんとうにある人から欲しかったものは、実はその人があなたにあたえてほしかったものだったというパラドックス。

 

自分が欲しいと思うことを求めると渇望感が色濃くなり、逆にそれが欲しかった相手に与えてみると、人は満たされるものだ。

 

寂しくてつながりが欲しかった人こそ、きっと周りに連帯感と安心感を与えると満たされることができる。

 

社会的な成功が欲しかった人は、きっとたくさんの人の成功と才能を認めてあげることで満たされることができる。

 

パートナーからの愛情が欲しかった人は、きっとパートナーに無償の愛を与えることで満たされることができる。

 

心の内を話せる友人が欲しかった人は、きっと大切な友人が傷ついたときに朝まで話を聞いて一緒にいることで満たされることができる。

 

6.ほんとうに相手のことを想って大切にしたいならば、自分を大切にすることに尽きるというパラドックス。

 

相手を大切にしたいがあまり、自分を犠牲にしてしまう。

自己犠牲、という罠。

 

私もよくやるが、これはあまり得策ではない。

「自分を大切にしていない者」という不信感が生まれてしまうからだ。

 

ほんとうに相手のことを想うのであれば、自分のことだけを考えて、自分を満たすことがすべてなのだ。

 

そこに無理が生じると、道理よりも自分の感情が引っ込む。

引っ込んだ感情は、いつか爆発する。

 

「これだけやっているのに!」「なんで認めてくれないの!」と。

 

自分勝手と思われるくらいでも足りないくらいなのだ。

 

うん、犠牲大好きな私にとって、書いていると耳が痛くて遠い目になってきたから、次に行く。

 

7.苦しいことや悲しいことから逃れるためには、できるだけ苦しみ悲しむことが大切というパラドックス

 

感情は感じ切ることで抜けていく。

我慢するほどに膨らんで、いつかパンクする。

 

かの良寛さん曰く。

 

災難に逢う時節には災難に逢うがよく候

死ぬ時節には死ぬがよく候

これ災難をのがるる妙法にて候

 

苦しいときには苦しむしか方法はない。

苦しいことを受け入れること、それが苦しみから逃れる唯一の方法なのだ。

 

あるがままの自分でいること。

本来の自分を隠さないこと。

感じたことに素直になること。

裸でいること。

守らないこと。

 

それを、自分の心に寄り添うと言っても、ハートを開くと言っても、本音に気づくと言っても、同じことなのだろう。

 

あるがままの自分でいること。

 

8.孤独感や欠乏感を消すためには、それを消そうとしないことが大切というパラドックス

 

ハッピーエンドは理想だけれど、人生はそこで終らない。

 

どんなに外側と世界で物質的に満たされたり、あるいは心通う人が見つかって内面的な交流で満たされたとしても、人は孤独感や欠乏感といったものを消すことはできないのだろう。

 

それを消そうと執着すると、なおさらその青白い炎は燃え上がる。

 

孤独感も欠乏感も、どちらも生まれ持ってきた大切なもの。

 

デフォルトで設定されているステータスのようなものだ。

 

それを消そうとするよりも、「やあ、今日もやってきたんだね」と付き合っていく方が、気にならなくなる。

 

多くの人にとって、持病というのもそういうものではないだろうか。

 

9.最も美しい面を相手に見せようとすると嫌われて、最も醜い面を晒すと相手から愛されるというパラドックス。

 

愛されようとするほどに嫌われる。

好きにせえとまな板の上の鯉になると愛される。

 

かくも人の愛情というのは不思議なもので。

 

追うと逃げ、去ると追われる。

 

人と人の関係とは、バランス。

 

いい面を見せ続けると、相手は悪い面を見せないといけなくなる。

 

自分の醜い面をさらすこと。

それは、そんな面を持っている自分も無条件で素晴らしいという自信が為せるもの。

 

ということは、愛されるためには愛することが必要ということか。

 

誰をって?

 

ほかでもない、自分自身を、だよ。

 

10.美味しい肴はお酒が進んでしまって酔っ払ってしまう、というパラドックス。

 

いまは私は断酒中だが、これは全ての美味しいもの好きの酒飲みが抱える永遠のパラドックスのように思う。

 

 

ということで、いつもとは違ったテイストでお届けしてみた。

 

楽しいんで頂けたら幸いです。

 

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