大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

春が訪れることに、原因などありはしないように。

いつもの通り道、ふとしたピンク色に気づく。

いつもと違う、まんまるとした、やわらかな蕾、やさしい色合い。

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その木が花を咲かせることすら、意識になかったのに、このふくらみ。
春の色と形は、どこか官能的だ。

ここ数日、寒の戻りなのか、冬に逆戻りしていくような肌寒さが続いていたが、それでも春は歩みを止めないようだ。

時は滔々と流れ、春は訪れ、いつしか去っていく。

そのことに、何の原因もない。

同じように、過去も、自分自身も、いまこの世界も。

いま、そうであることに、何の原因もないのかもしれない。

寒の戻りがありつつも、春は進んでいくように。