だれかの言動に「抵抗」を感じるときの、心の動きについてお伝えします。
「抵抗」を感じるのは「ほんとうは、そうしたい」という、自分自身からのヘルプサインのようです。
名著「傷つくならば、それは「愛」ではない」(チャック・スペザーノ博士:著、大空夢湧子:訳、VOICE:出版)の一節から。
1.人に抵抗するところは、自分の内部に抵抗がある部分
だれかに抵抗しているとき、あなたの潜在意識のなかでは、批判してうめこんでしまった部分に対して、それを押さえつけている別の部分が抵抗しているのです。
あなた自身の内部でそれに抵抗するのをやめ、理解しようとしたとたん、あなたの目の前の人がまるで別人のように見えることでしょう。
そのとき、あなたは二人がいっしょに前に進んだことがわかるはずです。
「傷つくならば、それは「愛」ではない」 p.245
2.「抵抗」は、自分自身のヘルプサイン
今日のテーマは、「抵抗」と「投影」になるのでしょうか。
ここのところ、この「投影」のテーマが続いているような気もしますが笑、また違った面をお伝えできればと思います。
誰かに「抵抗」を感じてしまうときは
誰かに「抵抗」するとき。
いろんな場面がありますよね。
仕事の進め方で注意を受けたけれど、なんだか納得できない。
友だちにもらったアドバイスが、どこか引っかかる。
パートナーから「手伝おうか?」と言われても、素直に聞けない。
…などなど、他人に「抵抗」を感じる場面は、いろいろあるものです。
はい、かくいう私も、なかなか人の言うことを聞けない(聞かない?)気質なので、よくそんな場面に出くわします。
「ほんとに、ガンコだよねぇ…」と、よく言われます笑
しかしそうしたとき、人は何に「抵抗」しているのでしょうか。
「抵抗」を感じたときの心の動き
たとえば、先ほどのパートナーに「手伝おうか?」と言われても、なぜか「抵抗」を感じてしまう場合を考えてみます。
手を差しのべられても、素直にその手をつかむことができない。
そんなとき、もしかしたら「他人に助けてもらう人」を、批判的に見ている自分がいるのかもしれません。
他人に助けを求めるなんて、恥ずかしいこと、よくないこと、情けないこと、というように。
しかし、それを批判的に見るということは、どこかに「他人に助けてもらいたい自分」がいて、それを批判していることになります。
私たちは、自分のなかにあるものを、外の世界に映し出す、「投影」するのですから。
そう考えると、手を差しのべられることに抵抗するのは、「助けられるのはダメ」という部分に、抵抗しているのかもしれません。
だって、ほんとうに助けがいらなければ、「ありがとう、でもいまは要らないよ」と返事をして終わりなわけですから。
それなのに、「なんかイヤ」、「素直に聞けない」、「よくわからないけどムカつく」…と抵抗を感じるのは、「ほんとうはそうしたい」からではないでしょうか。
…はい、イヤですねぇ、ほんと。
我が身におきかえると、「ぐぇ」となることばかりです笑
それはさておき、何がしかの抵抗を感じたときの心の動きは、こんな感じでしょうか。
自分の中に、助けを求める弱い自分がいる
↓
それを、否定する自分がいる
(人に頼ってはいけない、といった観念)
↓
でも、ほんとうはそうしたい
(助けてほしい)
↓
「抵抗」としてあらわれる
(なんかイヤ、なんかムカつく)
こんな図式になるのでしょうか。
そう考えていくと、「抵抗を感じる」ことは、自分自身のヘルプサインとも言えます。
ほんとうは、そうしたい。
けれど、自己否定だったり、自分を嫌っている部分があって、できないんだ。
そんなふうに感じているのかもしれません。
3.「抵抗」を、自分のものとして受け入れる
「抵抗」が「ある」ことを認め、それに寄り添うこと
そんな「抵抗」の心理ですが、じゃあどうしたらいいの?となりますよね。
「助けを求める自分がいることは分かったけど、抵抗をなくすためには、どうしたらいいの?」
そう思われる方も、いらっしゃるのではないでしょうか。
なかなか、「抵抗」をなくそうと思っても、難しいですよね。
分かってはいても、なかなか素直にはなれなかったりして。
そうなると、まずは「抵抗」を悪いもの、なくさないといけないもの、と見ることを、やめることからスタートでしょうか。
それは、ネガティブな感情と同じかもしれません。
それが「ある」ことを認めること。
そして、それは自分のなかの大切な一部であることを、認めること。
だって、先ほどの例でいえば、「ほんとうはそうしたい」という心の動きから、「抵抗」が生まれているわけですから。
そして、もっといえば、はじめの「弱い自分」を否定したのには、そうせざるをえなかった、何がしかの理由があるのでしょうから。
「抵抗」を、自分の大切な一部として認めること。
「抵抗」をいきなりなくすことは難しいですが、それが「ある」ことを認めることは、できるように思うのです。
あぁ、そうしたんだな。
でも、何がしかの痛みがあって、できないんだな。
そんなふうに、自分の「抵抗」に寄り添ってみること。
それが、何よりも大切なのではないかと思います。
それが、最終的にはこんな風になっていくのだと思います。
あなた自身の内部でそれに抵抗するのをやめ、理解しようとしたとたん、あなたの目の前の人がまるで別人のように見えることでしょう。
誰かに「抵抗」を感じたときの、ご参考になりましたら、幸いです。
今日もここまでお読みくださり、ありがとうございました。
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